かいわれ大根の育て方とは?種から水耕栽培する方法とは?再生栽培は可能なの?

2020年5月21日


身近な野菜のかいわれ大根は、種(スプラウト)を人工的に発芽させたもの。日光と水やりに気をつければ簡単に栽培できます。方法も容器にキッチンペーパーやスポンジを敷いて水やりするだけの水耕栽培。今回は収穫までの育て方、再生栽培やスプラウト栽培のポイントを紹介します。

かいわれ大根とは?

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かいわれ大根は気軽に栽培できる、家庭菜園でも人気の野菜です。自分で育てて、料理の薬味や盛り付けに活用してみませんか。まずはかいわれ大根の詳しい特徴を知っておきましょう。

かいわれ大根の特徴

学名:Raphanus sativus var.Longipinnatus
英名:White radish sprouts
科名:アブラナ科
属名:ダイコン属
原産地:地中海地方

かいわれ大根は種から人工的に発芽させたスプラウトと呼ばれる芽や茎を収穫した野菜の一種です。
名前の由来は、二枚の双葉が開いたような姿から「貝割れ大根」と呼ばれるようになりました。
栄養価も高く、薬味だけでなくサラダや料理の彩りとして、さまざまな料理に使われています。

かいわれ大根の育て方は土ではなく、水耕栽培が主流になります。
室内やベランダで育てることができるため、天候に関係なく家庭菜園に挑戦できるのが大きな魅力と言えるでしょう。

かいわれ大根の栽培スケジュール

かいわれ大根の栽培は特別な手間がかからず、誰でも簡単に栽培できます。
種まきから収穫までのスケジュールを詳しく見てみましょう。

1.種まき…苗床に種をまきます。

2.発芽させる…種が発芽するまでは暗い場所に置いて、遮光しましょう。
できるだけ日に当てない工夫をするのがポイント。

3.日光にあてる…芽が出て、生育したら今度は日当たりのよい所へ移動させます。

4.できあがり(収穫)…十分茎が成長したら、ハサミなどで収穫可能です。
種まきしてから7~10日ほどで収穫できます。
切り取った後は、乾燥しないように水やりすると1週間ほどでまた再生します。

水耕栽培に必要なツールとは?

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水耕栽培とは土を使わず、水だけで植物を栽培する方法を指します。
かいわれ大根をはじめとしたスプラウトは水耕栽培が基本です。
ここでは、水耕栽培に必要なツールをご紹介します。

かいわれ大根の種はいろいろな種類が販売されています。
薬剤などで消毒されていないスプラウト専用種子を選びましょう。
有機種子と表示されているものは、化学肥料や農薬を使っていないので安心です。

容器

かいわれ大根は基本的にどんな容器でも育てられます。
ペットボトルや野菜が入っていたプラ容器、プランターなど、自分が栽培しやすい容器を選ぶとよいでしょう。
100均などでもスプラウト栽培用の容器を売っています。

苗床になるもの

水耕栽培では土の代わりに苗床を容器に敷いて栽培します。
スポンジ、キッチンペーパー、カット綿、ティッシュペーパーなど、水を含んで湿りやすいものがおすすめです。

かいわれ大根の育て方で、水やりは大変重要です。
特に発芽してからは乾燥させないのが、ポイント。霧吹きでこまめに水やりしましょう。
また、容器の底に網目の細かいシートなどを敷いておくと、水はけがよくなります。

かいわれ大根に適した環境とは?

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一年中育てることができるかいわれ大根。
生育するのに最適な環境を整えてあげることで、上手に栽培することができます。
かいわれ大根に適した環境をつくるには、どんなことに気を付けたらよいでしょうか。

置き場所(日光)

かいわれ大根の育て方は水やりと同じように日光が重要なポイントです。
生育に合わせて日当たりをコントロールしましょう。

・種まき後
かいわれ大根を含めたスプラウトの種は「暗発芽種子」と呼ばれ、
暗い場所で発芽を始めるのが大きな特徴です。
そのため、種をまいたら暗所に置いて保管しましょう。
容器の上から大きめの箱を被せたり、アルミホイルで蓋をしたりして、光を遮断させます。

・発芽後
芽が出て5~6㎝程に根が伸びてきたら、今度は日当たりのよい場所に置いて緑化させましょう。
日光を十分に浴びせて、栄養価が高い株に成長させるためです。
家の中の光でも生育しますが、光が弱い環境下では緑化があまり進みません。
できるだけ、窓辺など日当たりのよい場所で育てることをおすすめします。

置き場所(温度)

かいわれ大根が生育する適正温度は「20℃~25℃」です。
室内の温度が一定に保たれる環境なら、季節を問わず栽培できますが、
25℃以上になると種や水が腐りやすく、20℃を下回る場合は発芽するまで時間がかかってしまいます。
できれば、真夏や真冬の時期は避けましょう。

かいわれ大根の育て方

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かいわれ大根の育て方はとても簡単。基本的な栽培方法をご紹介します。

水やり

かいわれ大根に限らず、水耕栽培は植物を乾燥させないことが大事です。
毎日水を取り替え、朝晩様子を見ながら霧吹きで水やりしましょう。
ジョウロなどで勢いよく水を流すと、根が傷んでしまうので要注意です。

肥料

かいわれ大根は種をまいてから収穫まで、わずか7~10日と栽培期間が大変短い野菜です。
また土も使わないので、肥料は必要ありません。

病気

かいわれ大根の病気は収穫までの期間が短いため、ほとんど心配ありません。
ただし、過剰に水やりしてしまうとカビが発生してしまうことも。
根が黒ずんだり、苗床が匂ったりするとカビの恐れがあるので注意しましょう。

かいわれ大根の詳しい育て方

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それでは、ここからかいわれ大根の詳しい育て方をご紹介します。
ポイントさえ押さえれば、誰でも栽培できるので挑戦してみましょう。

種まき

ホームセンターなどで種を選ぶときは、スプラウト専用の種を選びましょう。
一晩水につけてあげると発芽率が上がります。

水を含んだスポンジやキッチンペーパーに、種をまきます。まくときは、重ならないように間隔をあけてまきましょう。アルミホイルなど、暗所になるようにして発芽を待ちます。

収穫

種まきから7~10日経って、茎が10㎝ほど伸びて緑濃くなってきたら、いよいよ収穫時期です。
収穫前には、日光にあてて緑化をすすめます。
そして、根元から必要な分だけ切り取りましょう。その後からも伸びてくるので、何度も収穫が楽しめます。

失敗しないための注意点は?

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簡単に家庭菜園が楽しめるかいわれ大根ですが、栽培で注意するべきことも幾つかあります。
失敗しないための注意点とはどのようなことでしょうか。

・風通しをよくする
かいわれ大根を含むスプラウトは風通しのよい場所を好みます。
ただでさえ、室内栽培の場合は直射日光が当たらず、
雑菌が繁殖しやすいので、窓際などの風通しがよい場所に置きましょう。

・毎日水を変える
水耕栽培で多い失敗の原因は水の汚れです。
流水と違って、溜まった水は日が経つごとに雑菌が繁殖しやすくなっていまいます。
かいわれ大根の根腐れやカビを防ぐためにも、水は毎日取り換えましょう。

・直射日光を避ける
かいわれ大根の育て方で発芽後に日当たりのよさは大切ですが、必要以上に日光に当てることは厳禁。
葉や根が日焼けして弱ってしまうので、絶対に避けましょう。
また、直射日光を浴びたかいわれ大根はえぐみが強くなるといわれています。

再生栽培は可能なの?

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再生栽培という言葉をご存じでしょうか。
スーパーなどで売っている野菜の根や葉を水に浸したり、土に埋めたりする栽培方法のことです。
スプラウトは水に湿ったスポンジ部分に根が張った状態で売られているため、再生栽培しやすいとされています。

かいわれ大根も再生栽培できるのでしょうか。
残念ながらかいわれ大根の場合、成長しきった状態なので、もうほとんど養分が残っていません。
そのため、切ってしまうと成長がそこで止まってしまい、再生する可能性は低いでしょう。

新たに生育しても栄養はほとんど望めません。
それでも、再生栽培を試してみたい場合は、買ってきたかいわれ大根の少し上の部分でカットして様子をみましょう。

かいわれ大根を育ててレシピに活用しよう!

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かいわれ大根はスプラウトの種類の中でも簡単に栽培できるうえ、栄養価が高くいろいろな料理に役立つ万能野菜です。
ぜひ、ご自宅のキッチンでかいわれ大根を種から育ててみませんか?
レシピのレパートリーが広がるはずですよ。