ストックの育て方のポイントをご紹介!肥料の与え方やストックの増やし方は?
南ヨーロッパ原産で切り花としても親しまれるストック。ピンクや白、赤、紫、黄など豊富な色と独特の香りが人気です。茎が太く丈夫で日当たりと水はけのよい環境なら初心者にも育てやすい花です。早春の花壇計画にプラスすると甘い香りもあいまって春らしい雰囲気でいっぱいに。
目次
ストックとはどんな花?
Licensed by Getty Images
ヨーロッパが原産地となるアブラナ科のストックは、別名アラセイトウとも呼び、
花びらからほのかな香りがするかわいらしい花です。
冬から春にかけて切り花に利用されることの多い花ですが、
花壇用の花としても矮性で分枝性も良い品種が流通しています。
花色、花形はもちろん、草姿や草丈の違う品種が豊富にそろいます。
カントリーにもエレガントにも利用でき、寄せ植えにプラスするのもおすすめです。
原産地では多年草ですが、日本では秋まきの一年草として扱われています。
品種と特徴
Licensed by Getty Images
ストックの花は、3月~5月に咲きます。
花の形には、一重と八重があり、八重咲きは、長楕円形の葉、茎に互生します。
ストックにはいくつかの品種があります。
キスミー:花壇用。矮性品種です。
草丈15~25㎝ほどで、分枝し多くの花が咲きます。
色は、赤や白、ピンク、パープル、クリーム色。
ビンテージ:花壇用。矮性品種です。
草丈30~50㎝ほどで、分枝しふわりとした優しい花が咲きます。
色は、パープル、ピンク、クリーム色など10色あります。
ベイビー:矮性品種です。
草丈25~40㎝ほどで、分枝し淡い色の花が咲きます。
ビンテージよりも花弁が豪華で華やかです。
切り花用など、ほかにもさまざまな品種が多く出回っています。
栽培カレンダー
種植えの場合、年内に開花させるには8月中が良いでしょう。
発芽適温は20度前後です。移植を苦手とするため、6cmポットに3~4粒ずつ直まきして、
5mmほど覆土します。3~4日ほどで発芽し、10日ほどで八重咲きを残すように間引いていきます。
苗から育てる場合、植え付けは9月~11月が良いでしょう。
鉢植えは、5号以上のサイズの鉢を選びます。
地植え・庭植えであれば、株同士の間隔は20㎝以上離します。
一年草なので、植え替えは行いません。
ストックの育て方のポイント
Licensed by Getty Images
置き場所
芽が出たら、できるだけしっかり日光に当てる必要があります。
室内であれば窓際、室外であれば軒下などの日当たりの良い場所を選びましょう。
日当たりが悪いと、茎がもろくなり倒れてしまいます。日当たりは大切なポイントとなります。
また、風通しの良い場所選びも重要です。
あまり寒さに強いわけではないため、厳寒地などの場合には、
防寒用ネット・霜よけなどを利用する、もしくは室内に置き場所を探すなどすると良いでしょう。
用土・肥料・追肥
ストックは市販の培養土でもよく育ちます。水はけが良く有機質に富んだ土がおすすめ。
鉢植えの場合は、草花用の培養土か、赤玉土6・腐葉土4の割合で混ぜたものが良いでしょう。
地植えの場合は、土にピートモスや腐葉土を混ぜ、水はけの良い環境で育てます。
事前に土を掘り起こし、寝かせておくと良いでしょう。
植え付けの際は土の中にゆっくり効く肥料を混ぜ込みます。
追肥は与えなくても特に問題はありません。
追肥を行うのであれば、花の色が薄いなどと感じたら、花が咲く時期に1ヶ月に2度ほど液体肥料を与えましょう。
有機由来の元肥入りでそのまま使える
天然素材中心の原料をベースに、排水性、通気性、保肥性にも優れた元肥入りの培養土です。
プランターや鉢植え植物にも最適です。
ゆっくり長く効果が持続。植物の生育を助ける
植物の植えつけ時に混ぜるだけでOK。1度混ぜ込めば1年間効果が持続。
根に直接触れても肥料やけの心配もありません。植物の生育を助け、花つきを良くします。
八重咲きと一重咲きの色鮮やかな混合種
鉢植え、地植えどちらの栽培にも向いている、草丈低いタイプの種です。八重咲きと一重咲きの混合種になります。
植え付け・植え替え
ストックは直根性の根です。
直根性とは、根が地中深く枝分かれせずにまっすぐ伸びていく性質のこと。
直根性の植物は、根が少しでも傷むとダメージが大きく根付くことが難しくなります。
そのため、根は丁寧に取り扱いましょう。
植え付けの時期は、9月~11月が適しています。
根鉢の2倍ほどの大きさ・深さの穴を掘り植え付けます。
連作障害を起こさないように、株同士の間隔は20㎝以上離しましょう。
また、一度ストックを栽培した場所では一年以上の間隔を空けてから再び植え付けると良いでしょう。
一年草扱いのため、植え替えの必要はありません。
水やり
鉢植えの場合、底から水が流れ出てくるほどの量が良いでしょう。
地植えの場合、雨の水分で十分ですが、晴れの日が続くような場合は土の様子を確認する必要があります。
冬も水のやり過ぎには注意します。
花が咲いている時期はまだ気温が低いため、夜間に水が凍らないように午前中水やりをしましょう。
剪定・切り戻し
ストックは次から次へと花を咲かせ続けます。こまめに花がらを摘み取ることで、栄養を次の花へ回すことができ、花がらが腐って病気になるのを防ぐことも可能です。
花が終わったら、花茎を根元から切ります。長く楽しみたい場合は切り戻しがおすすめです。
冬越し
Licensed by Getty Images
ストックは耐寒性があり、南関東以南の地域では戸外で冬越し可能です。
冬の寒い地域では、霜に当たると枯れてしまいます。
寒さが本格的になる前に、株元にワラ・腐葉土などでマルチングをすると防寒になります。
寒さが穏やかな地域では、マルチングせずともそのまま冬越しできるでしょう。
注意したい病気や害虫
夏の間は立ち枯れ病が出やすいため、用土は清潔で新しいものを使用しましょう。
立ち枯れ病とは、土全体に雑菌が繁殖してしまう病気のこと。
一度感染すると、苗全体が枯れてしまいます。
菌核病は、茎に白いカビを生じます。早期に殺菌剤をまき、防除する必要があります。
また、ヨトウムシ・コナガ・アブラムシなどの育苗中につく害虫には、早めに殺虫剤を散布しましょう。
発生後そのまま放っておくと、葉を食べて栄養を吸汁されてしまいます。
殺虫剤は、ストックの葉を食害するコナガを見つけたら早めに捕獲できるこちらの薬剤を。
天然成分由来で他の植物への影響が少ないのも魅力的です。
ストックにつきやすいコナガに高い効果
ストックの葉を食害するコナガを見つけたら早めに捕獲し、薬剤を。天然成分由来で他の植物への影響が少ないのも魅力。
ストックの増やし方
Licensed by Getty Images
ストックを増やすには、種まきという方法があります。
種は、花が咲き終わった後に採取可能です。
八重咲きの花から種が取れずに、種から育てたストックはすべて一重の花が咲きます(八重咲きの品種は結実しません)。
発芽適温温度は、15~20度。種まきの時期は、8月末~10月が良いでしょう。
日陰の風通しの良い場所に育苗箱などを置き、種を育てます。
発芽後は日当たりの良い場所へ移し、苗が育ってきたら鉢などに植え付けます。
ストックの花言葉は?
Licensed by Getty Images
ストックの花言葉には、「求愛」「愛情の絆」「永遠の美」といった、恋愛に関するものが多くあります。
色によっても意味が異なり、ピンクなら「ふくよかな愛」、白なら「ひそやかな愛・思いやり」、
パープルは「おおらかな愛」、赤なら「私を信じて」、黄色なら「寂しい恋」。
ストックの花は、ポジティブな印象を受ける花言葉が多く、女性へのプレゼントにも最適ですね。