バジルの育て方とは?プランターでも栽培できる!おすすめの肥料や用土をご紹介
日本で広く知られるバジル。一年草で冬越しできないためそれほど難しい栽培方法はなく、ガーデニング初心者にもおすすめです。また、発芽もしやすく水耕栽培もできますよ。培養土や液体肥料の紹介、プランターでの育て方など分かりやすく解説していきましょう。
目次
バジルってどんな植物?
バジルの基本特徴
学名:Ocimum Basilicum
英名:Basil
和名:目箒(めぼうき)
原生地:熱帯アジア、アフリカ
花色:ピンク、白
発芽適温:20度以上
生育適温:20~25度前後
栽培スケジュール
・植え付け期:4月~9月
・開花期:6月~9月
・挿し木:6月~9月
・収穫期:7月~10月
バジルはシソ科メボウキ属(オキウム属)のハーブで、原産地では多年草ですが、耐寒性がないために一年草に分類されます。
日本の気温は低いため、冬越しができません。
風水的には、人間関係運・恋愛運を高める効果があるとされており、特にキッチンや庭を置き場所とすると、家庭運がアップすると言われています。
室内で育てられるかどうか:日の当たる場所であれば、室内でも庭でも栽培が可能です。
バジルの花言葉:「強壮」「好感」「好意」「神聖」「高貴」「何という幸運」
由来・伝承:バジルの名前の由来はラテン語から来ており、「王らしい」という意味が込められています。
古代ギリシアでは「王様のハーブ」と呼ばれていたことも納得がいきますね。
バジルの品種
バジルの品種は全部で150種類ほどあります。
その中でも、人気・育てやすいバジルをいくつかご紹介します。
・スイートバジル:普段、私たちがバジルと呼んでいるのは実はこのスイートバジルのことであり、最もポピュラーなものです。
・ブッシュバジル:スイートバジルよりもこじんまりとしていますが、香りは強いです。コンパクトで育てやすいというメリットがあります。
・ホーリーバジル:別名「トゥルシー」。タイ料理のガパオライスなどで使用されています。
・レモンバジル:別名「シトラスバジル」。その名の通り、レモンのような香りがします。肉料理によく合いますよ。
・シナモンバジル:その名の通り、シナモンに似た香りを放っています。
利用目的や好みの香りなどから、自分に合ったバジルを選んでみましょう。
では、さっそく栽培方法についてご紹介します。
バジルの育て方のポイント
ガーデニング初心者の方は、苗から育てる方が失敗は少なくおすすめです。
日当たりの良い場所で育てると良いでしょう。
たくさん収穫したい場合には、摘芯のタイミングを逃さないようにします。
たっぷりの水やりと、肥料を与えることがバジル栽培の大事なポイントとなります。
育成環境
バジル栽培に適した環境
耐陰性、耐湿性は弱いことから日光が良く当たり風通しの良い場所を好みます。
日当たりと風通しの条件を満たせば、室内でも栽培は可能です。
ただし直射日光や西日も含め、強い日差しは葉焼けで黄色くなり、枯れてしまうこともあるので注意しましょう。
そのため、夏は半日陰になるような場所で管理します。
また、耐寒性はなく霜が降りるほどの寒さになると、バジルは枯れてしまいます。
冬越しに挑戦する場合は屋内で栽培し、室内温度は10℃以上を保つようにしましょう。
冬越しは手間がかかるため、面倒だと感じる人もいるようです。
その場合は、一年草として新たに株を育てる方をおすすめします。
(バジルは多年草ですが、冬期が寒い日本では一年草としてとらえられています。)
土
バジル栽培に適した土
バジルを栽培する培養土には、水はけが良く湿気がこもりにくい土がよいでしょう。
そして、中性~弱アルカリ性が適しており、酸性は栽培に向きません。
有機質を多く含んだ堆肥と腐葉土を混ぜ合わせた土がおすすめです。
自分でブレンドする場合は、赤玉土小粒7:腐葉土3に、苦土石灰を大さじ1杯足します。
土づくりをむずかしく考えているならば、市販ハーブ用土を使用しましょう。
こちらでも十分に育てることは可能ですよ。
植え付け
バジルは地植え、プランターのどちらでも栽培可能です。
種の植え付け適正時期:4月中旬~6月中旬
ポット苗
・苗の購入時期:4月ころ
・植え付け適正時期:4月~9月
・苗の選び方:ホームセンターや園芸店、ネット通販などで入手できます。
葉色が悪いものや萎れているもの、丈だけ伸びていて茎が弱そうなもの、葉の間が間延びしているものは避けましょう。
明るい緑色の葉で、株元ががっしりしており、しっかりと根が張っているものを選びましょう。
双葉がついているものは尚良いです。
・発芽後の栽培ポイント:発芽の条件は20℃以上。
プランターに直接種をまいて栽培する場合は、間引きが必要です。
本葉が2枚ほどになったら元気のない芽を取り除きます。
さらに、本葉が8~10枚ほどになったら弱い芽・枯れた芽を引き抜いていきます。
地植えの場合も、プランター栽培同様の方法で行います。
水やり
バジル栽培における水やりのポイント
プランターや鉢での栽培は、地植えの栽培よりもバジルが乾燥しやすいため、気にかけてチェックする必要があります。
プランター、鉢での栽培の場合
・量:たっぷりと。
・タイミング: 午前中(太陽が昇りきる前に)。
・頻度:土表面を触ってみて乾いていたら。
乾燥が苦手なバジルは、水やりが不足すると枯れてしまう原因につながります。
特に夏の生育期には、水を切らさないようにたっぷりと水をやりましょう。
夏、じょうろやホースを直射日光の当たる場所に放置しておいた場合、予想以上に水が熱くなっている場合があります。
水やり前に、水の温度をチェックするクセを日ごろからつけておくと安心ですね。
水やりは日が昇りきる前、土が乾いていることを確認してからあげるようにします。
注意点として、土が湿っているようであれば水やりは控えましょう。
水のあげすぎは根腐れの原因となります。
地植えの場合、苗が根付いてしまえば基本水やりは必要ありません。
雨の降らない日が続くなど、地面がひどく乾燥しているときにのみ、土中まで湿らせるように水を与えるようにしましょう。
肥料
バジル栽培における肥料のポイント
・量:使用する肥料の使用量を守りましょう。
・タイミング:苗の定植時、植え付け~2,3ヶ月後、収穫開始後~2,3ヶ月毎。
・頻度:生育期間中は7~10日に1回程度。
・肥料の種類:有機質肥料。植え付け時は長くゆっくり効くタイプの緩効性肥料、生育期は薄めた液体肥料がおすすめです。
肥料不足で肥料切れを起こすと葉が黄色くなり落ちてきてしまいます。
逆に、多く与え過ぎると、根が肥料やけを起こすことがあるので注意しましょう。
におわない・かびない・虫がつかない
有機質肥料なのであらゆる植物に使用可能です。
油かすや魚粉、米ぬかといった栄養が多く含まれています。
植物の生命力がUP!
自然の力で、土をゆっくり回復させます。
乳牛のふん尿を長期発酵熟成させた、100%自然成分のため安心して使用できます。
無臭のため、花壇からプランターまでどこで使用しても気になりません。
▼コメント
・植物の生長に欠かせない有用な成分→有用な成分とは?
バジルの剪定
バジル栽培に必要な剪定
バジルに必要な剪定は、摘芯と切り戻しの2つあります。
①摘芯:脇芽を出させる役割があります。
枝の先にある葉を摘むことで、左右から葉が成長し、株も大きくなります。
・摘芯の方法:草丈が20cmほどまで生長したら側芽の生長を促すためにも摘芯を行います。
地面から2~3節目の少し上をカットします。
②切り戻し:伸び過ぎた茎を整理します。
摘芯によって増え過ぎた茎を調整するために、密集した葉茎を摘み取ります。
生育期間中に切り戻しをすることで、長く栽培を楽しむことができますよ。
風通しを良くするために、傷んだ茎や葉が混み合っている部分をカットしていきます。
・剪定時のポイント、留意点:花が咲いてしまうと固くなってしまうため、花芽が見えたら切り戻しを行い、柔らかい葉が出てくるようにします。
切り戻しのタイミングは、7月上旬頃が良いでしょう。
剪定した葉は料理などに使用できますよ。
バジルの増やし方
バジルをもっと増やしたい!来年も育てたい!という方必見!
バジルは、「種の採取」「挿し木」の二つの方法で増やしていくことができます。
種
花が終わった後に種を結ぶバジル。
その種を採取して、次の種まきで増やしていきましょう。
・種の採取時期:9月ころ
・種の採取方法: バジルの花はとても小さく、気付かないうちに種がこぼれていることがあります。
確実に種を採取するつもりでいる場合は、開花期が終わる前に不織布やネット袋で包むか、種が熟す直前に花穂ごとカットして乾燥させましょう。
・採取時の留意点、注意点:種を無事採取したら、乾燥させる必要があります。
茶封筒などの通気性のある袋に入れて管理しておき、翌年春にその種を植え付けましょう。
挿し木(挿し芽)
バジルは種だけでなく、挿し木(挿し芽)で増やすこともできます。
摘芯した茎を挿し木にすれば、効率よく数を増やすこともできますよ。
挿し木とは、切り取った茎から根を生やして、別の株として育てていく方法です。
・挿し木(挿し芽)のタイミング(時期):4月~7月ころ。
・挿し木(挿し芽)の留意点、注意点:挿し木をする際は、病気にかからないようにするためにも清潔なものを使用して作業をすすめましょう。
・挿し木(挿し芽)の方法(土に挿す場合)
1.挿し穂として若く元気な茎を数枚の葉がついた状態でカットします。
2.土の中に入り込んでしまう部分の葉はカットして、大きな葉は蒸散防止のため半分ほどにカットします。
3.挿し穂は1時間程度水あげします。
4.用土は予め十分に湿らせておきましょう。
5.挿し込みやすくするために、細い棒などで事前に穴を空けておきます。
6.発根促進剤があれば、挿し穂の切り口に薬剤をつけます。
7.挿し穂を優しく用土に挿し、隙間が空かないように土を寄せます。
8.挿し穂を挿した鉢は、直射日光の当たらない日陰に置いて管理します。発根するまでは乾燥させないように注意しましょう。
9.新芽が出てくれば発根したということなので、ポットに植え替えると良いでしょう。
・挿し木(挿し芽)の方法(水に挿す場合)
1.土に挿すやり方と同様なので、1~3までの前処理を行っておきます。
2.水を入れたグラスなどに挿し穂を入れて、直射日光の当たらない日陰に置いて管理します。
3.水は適宜入れ替えることで、常に清潔な状態を保ちましょう。
4.2週間程度経過して十分発根したら、鉢上げを行い、新しい苗として育てていきます。
バジルの病気・害虫
バジルにつきやすい害虫・かかりやすい病気の紹介
・虫害としては、アブラムシ・ハダニ・ハモグリバエ・ヨトウムシなど。
アブラムシは後述しますが、ハダニは高温乾燥時に発生しやすいので、夏場は水やりのタイミングを利用して、霧吹きを吹きかける葉水を行うことを日々の習慣にしておくと良いでしょう。
ヨトウムシによって一晩で葉が全滅させられるといった恐ろしいことも起こり得ます。
被害があまり大きな場合には、茎や葉ごと切ってしまうしかありません。
・軟腐病:急に枝先が萎れて腐ったようになってしまいます。
対処法としては、速やかに株を処分すること。
アブラムシ
・アブラムシが付きやすい時期:秋遅く~春先
・対処法、予防法:見つけ次第即駆除します。
こそげ落とす、指でつぶす、蓄圧噴霧器があれば水圧で吹き飛ばすなど行いましょう。
バジルは葉をそのまま料理に使うため、できることなら無農薬の殺虫剤や薬品を使用することなく対処したいものです。
もしも無農薬の殺虫剤や薬品を使用した場合には、2~3週間は収穫しないようにした方が良いでしょう。
野菜の病害虫防除に!
ハダニやアブラムシなどの害虫駆除、コナジラミやうどんこ病の防除に。
天然成分使用で、オーガニック栽培に効果的です。
バジルの水耕栽培
バジルの水耕栽培
バジルは、水耕栽培が可能です。
・水耕栽培のメリット
キッチンを置き場所としているのであれば、いつでも好きな時に料理に使用することが可能です。
見た目がオシャレ、爽やかなうえに、土は必要ないので室内が汚れる心配がありません。
土を使用しないので虫が発生しません。
鉢やプランターをわざわざ購入しなくても何でも代用可能です。
・用意するもの
4点(スポンジ、カッター、ペットボトル、液体肥料)のみで簡単にはじめられます。
・注意点、留意点
水は毎日替えて清潔に保つ、太陽光や蛍光灯の光を十分に与えることは必要です。
バジル栽培でいろいろな料理を楽しもう!
ハーブは、バジルももちろんのこと、朝のうちが最も香りが強いです。
甘くてフレッシュな香りがする爽やかなバジル。
パスタやビッツァなどのイタリア料理には欠かすことができません。
そして、料理はもちろんのこと、バジルは観葉植物としても万能です。
部屋のインテリアに明るい緑の葉がポイントとなり、部屋を美しく彩ることでしょう。
ポイントさえ押さえておけば、ガーデニング初心者にも比較的簡単に育てることのできるバジル。初めての家庭菜園では、バジルを選んでみてはいかがでしょうか。