コーヒーの木(コーヒーノキ)の育て方は?日々のお手入れから病害虫の対策まで
コーヒーの木は耐陰性で丈夫なため、室内でも育てることが可能です。ただし、直射日光を浴びると葉焼けしてしまうので、日光のあたる場所は避け、時々葉水を行う必要もあります。今回はコーヒーの木に必要な土や培養土、肥料の選び方から適度な温度調整まで育て方をまとめました。
目次
コーヒーの木(コーヒーノキ)ってどんな観葉植物?
世界中で飲まれているコーヒー。
豆を収穫するために栽培されているコーヒーの木は観葉植物としても人気です。
コーヒーの木は水耕栽培(ハイドロカルチャー)には適しているかなど、基本情報を知っておきましょう。
科名 ・属名:アカネ科 ・コーヒーノキ属
原産地:アフリカ、マダガスカル周辺
和名:コーヒーノキ
生育適温:15〜25度
花言葉:「一緒に休みましょう」
コーヒーの木は60種類200品種以上ありますが、コーヒー豆を収穫するコーヒーの木と観葉植物のコーヒーの木はアラビア種、ロブスター種、リベリカ種がほとんどです。
コーヒーの花は苦みのある豆とは対照的に、とても小さな可愛らしい白色の花。
5月~6月に開花して、ジャスミンのようなよい香りを放ちます。
また、美しい緑色の葉を茂らせるコーヒーの木は、風水では気持ちを落ち着かせる「陰」の気を発するとされています。
そのため、悪い気が溜まりやすいリビングなどに置かれることが多いです。
コーヒーの木は耐陰性があるので、室内で育てることが可能です。
耐暑性もありますが強い日差しや湿気に弱いので、真夏は日陰の環境に置き、水やりにも注意が必要となります。
ハイドロカルチャーと呼ばれる水耕栽培にも適しているので、水やりの加減が分からないという方はこちらの栽培方法もおすすめです。
また、気温の下がる冬は大の苦手。
生育に適温の15~25度を保ってあげましょう。
コーヒーの木(コーヒーノキ)の育て方のポイント
コーヒーの木の花が終わると赤く小さな実がたくさんつきます。
中にはコーヒーの原料となる豆がいっぱいつまっていますよ。
ぜひ、コーヒーの木の育て方のポイントを知って、可愛らしい実を鑑賞しましょう。
土
コーヒーの木は清潔で水はけのよい土を好みます。
最適なのは市販の培養土。
生育に必要な成分が入っているので、苗を植えるだけで完了です。
もし、自分で土づくりする場合、おすすめのブレンドは赤玉土小粒、ピートモス、パーライトを6:3:1の割合で混ぜるとよいでしょう。
日当たり・育成場所
コーヒーの木は直射日光を浴びてしまうと、葉が白茶けたように変色して枯れてしまう「葉焼け」を起こす場合があるので要注意。
室内で育てるなら、レースカーテン越しに日を当てるなど工夫してくださいね。
もし葉焼けしてしまったら、変色した葉をカットして、直接日光の当たらない場所へ移動させましょう。
また、コーヒーの木は季節ごとに置き場所を変える必要があります。
春…生育に入る時期なので、日当たりのよい場所に置きましょう。
ただし、強すぎる日差しは葉焼けの原因になるので、薄いカーテン越しなど、半日陰の環境で育てます。
夏…気温が上昇すると鉢の中が蒸れてしまいます。
室内で育てる場合は風通しのよい半日陰の窓際に置くとよいでしょう。
南や西側の窓際は日差しが強く、気温が上昇するので注意。
秋…夏の暑さが過ぎて涼しくなってくるころ、日光に少しずつ当てて行きます。
室内の場合は、朝日が入る場所がおすすめです。
冬…コーヒーの木は寒さが苦手。
外から伝わる外気によって葉が枯れてしまうこともあります。
窓から離れた場所に置き、10度以上の温度を保つように気をつけてくださいね。
水やり
土の表面が乾いたら、水やりのタイミングです。
鉢底から水が流れ出るぐらいの量をたっぷりと与えます。
ただし、受け皿に溜まった水をそのままにしておくと根腐れを起こすので、必ず捨てましょう。
夏は土が乾燥しがちなので、毎日鉢をチェックして必要なら水を与えます。
反対に冬は生育が停止している状態なため、土の表面が乾いていても数日置いてから水やりするのがベストです。
季節によって水やりの頻度を変えましょう。
苗の時に水切れすると枯れてしまうことがあるので、土の渇きが早いようなら、時々葉水するのもよいでしょう。
肥料
肥料は5月~10月、もっとも生育する時期に与えます。
逆に暑さの厳しい夏や冬の休眠時に与えてしまうと肥料焼けを起こすかもしれないので、必ず与えるタイミングは守りましょう。
おすすめの肥料の種類は緩効性の固形肥料や適度に希釈した液肥が最適です。
2ヶ月に1回の頻度で、規定量の肥料を鉢縁あたりに与えるだけでOK。
水やりの度に肥料成分が土に溶けだし、必要な成分が根元に吸収されるでしょう。
持続性のある緩効性肥料
こちらの肥料は無臭になるため、室内に置いても気になりません。
そのため、鉢植えにおすすめです。
土に混ぜ込む元肥
土に混ぜ込むだけで、約1年間効果が持続する元肥です。
初心者にも扱いやすいでしょう。
剪定
コーヒーの木は自然に枝や葉が整うので、こまめに選定する必要はありません。
枝が伸び過ぎた、葉が大きくなり過ぎたなどのタイミングで行えばよいでしょう。
剪定方法のポイントですが、込み入った部分の枝を根元から切り離し、枝数を少なくします。
見た目が整うだけでなく、カイガラムシの発生の予防にも効果的です。
切り戻しは5~6月の育成時期に行いましょう。
よく切れる剪定用はさみ
高級刃物鋼を使用した、日本製の剪定専用はさみです。
植え替え
いつのまにか大きくなったコーヒーの木。
同じ鉢で育てていると根が広がり過ぎて、根詰まりを起こしてしまうかもしれません。
そのままにしておくと根元から腐ってしまうこともあるので、1~2年に1度の頻度で植え替えが必要です。
植え替えの時期は5~8月頃に行いましょう。
基本の植え替えの方法を紹介します。
・鉢からコーヒーの木を引き抜き、根元の土を払い落とします。
・ひとまわり大きな鉢の底に鉢底石や赤玉を敷きます。
・鉢に3分の1ほど土を入れ、コーヒーの木を植えます。この時、黒ずんだ根はハサミで切りましょう。
・鉢の縁から2~3㎝下まで土を入れ、鉢底から流れ出るぐらいにたっぷりと水を与えれば完了。
注意点は植え替えの際、根を傷めないように優しく扱うこと。
また、気温が下がり始めると生育が遅くなるので、植え替えのタイミングは温かい時期がポイントです。
冬越し
熱帯育ちのコーヒーの木は冬の間は室内で冬越しさせましょう。
理想的な適温は15~25度ですが、最低でも室内の温度を10度に保つようにします。
日当たりのよい窓辺などが適切な場所ですが、外からの外気が苦手なため、夜は段ボール箱をすっぽりかぶせるなど防寒対策しましょう。
できれば、日に当てる時間は朝の数時間、日差しの弱い朝日に当てて、午後は窓辺から離れた場所に置くのが理想的です。
コーヒーの木(コーヒーノキ)の増やし方
コーヒーの木の育て方にも慣れてきたら、今度は増やしてみましょう。
種まき
コーヒーの原料になる豆を植えて、苗を増やす方法です。
種まきで増やすときのポイントは5月~9月ごろ、生育が盛んな時期に行うのがベスト。
熟した果実から取りだした種をよく洗い、土に埋め込みます。
注意点は温度を生育に適温となる15度に保つこと。
発芽まで数カ月かかるので、気長に待ちましょう。
種は生種があまり流通していないので、自分で育てたものから採取することをおすすめします。
挿し木
挿し木で増やすポイントは簡単です。
注意点として、剪定や切り戻した枝から丈夫なものを選んで4~5節あたりを切り取り、鉢に挿すだけ。
種まきと同じ時期である5〜8月ごろに行い、室内を15度の適温にして、時々水を与えながら生育を促しましょう。
コーヒーの木(コーヒーノキ)の病気・害虫
ガーデニングをするうえで、植物の病気や害虫は避けられない問題です。
コーヒーの木栽培の病気や害虫の注意点 ・対策などをしっかりと知っておきましょう。
病気
コーヒーの木の病気で注意したいはさび病。
生産地ではコーヒー農場の木が全滅するほど被害が大きいことでも知られています。
春~秋ごろ、葉の裏に斑点状の模様が現れたら要注意。
さび病かもしれません。
さび病はどういうものか理解したうえで、見つけ次第、葉を処分することがもっとも有効な対策&予防法です。
害虫
コーヒーの木の生育に適した暖かい季節は害虫に注意しなければいけない時期です。
特に気をつけたいのが、「カイガラムシ」と「アブラムシ」。
どちらの虫も葉や枝について、栄養分を吸い取ってしまいます。
各虫の見分け方、対策と予防法について理解しましょう。
・カイガラムシ :黒い小さな虫。白いロウ状の分泌物が葉や枝についていると、カイガラムシが発生している確率が高い。
・アブラムシ:黄緑色をしており、新芽などの柔らかい部分に発生しやすい。
もし、カイガラムシやアブラムシが発生した場合、殺虫剤が効きにくいので、歯ブラシなどでこすり落とすのが有効な対策です。
また、風通しのよい場所に置き、毎日霧吹きなどで葉水してやると、ある程度予防することができます。
花も実も可愛いコーヒーの木を自分で育ててみよう!
飲むだけじゃなく、育てる楽しみも広がるコーヒーの木。
美しい緑の葉はもちろん、小さな可憐な花や赤い小粒の実が美しく、見ているだけで心が癒されます。
ガーデニングが初めてだという方も、丈夫なコーヒーの木の栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。