育てやすいスモモの木の品種は?剪定時期・害虫・病気・摘果・肥料など、スモモの育て方をご紹介
夏の暑い時期にぴったりの甘酸っぱいスモモ。そのまま食べるのはもちろん、ジャムやシロップ漬け、ゼリー、果実酒にしても楽しめ、家庭で庭木として栽培したい果樹のひとつです。長く日本の庭で親しまれてきたスモモ。甘みの増す完熟スモモを楽しめるのが醍醐味です。12~2月頃に込み合ったところや徒長した枝を剪定し、日当たりと風通しを良くしてやればOK。この頃長く伸びている長果枝は剪定し、切戻しておくと翌年花芽をつけ結実する短果枝が多く発生します。
目次
スモモとは?
バラ科の落葉性の中高木の果樹で中国原産。モモの仲間ではありません。日本スモモとヨーロッパスモモ(西洋スモモ)があり、一般的に日本スモモをスモモ、ヨーロッパスモモはプルーンと呼ばれています。日本のスモモがアメリカで品種改良され、再び日本で栽培されるようになった品種はプラムと呼ばれています。スモモは本来、1本だけでは果実をつけませんが、自家結実する品種を選べば、授粉作業が必要なく、家庭での栽培におススメです。
スモモの育て方と栽培のポイント
基本的な生育のサイクル
植えつけ期:11月~3月
収穫期:7月~8月
剪定期:12月~2月
※関東地方以西基準
置き場所
日あたりと風通しの良い場所で管理します。
水やり
土の表面が乾いたらたっぷり水やりします。
栽培のポイント
特別な土壌は必要ありませんが、地植えする場合は掘り上げた土に赤玉土や腐葉土、元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込み植えつけます。鉢植えする場合は市販の専用培養土が手軽です。過湿を嫌うので水はけのよい土に植えつけるのがポイントで深植えしないよう注意します。
家庭での栽培には1本でも果実ができる「ビューティー」や「メスレー」など花粉の多い自家結実の品種を選ぶのがおススメです。3月下旬~4月上旬に花が咲き、授粉がうまくいくと多くの実をつけますが、多くの実をつけたまま放置すると株の負担が増し、大きな果実の収穫は少なくなってしまいます。
そこで5月上旬をめどに摘果といって余分は果実を摘み取る作業をします。上を向いた果実や傷や虫害のあるもの、軸が長すぎるものなどを取り除きます。同じ作業を5月下旬頃行い、最終的に枝10㎝に1個の果実になるよう調整します。
その後、虫や病気よけに袋かけをしておくと安心です。春の開花前の2月と収穫後の10月に緩効性化成肥料を与えます。
鉢植えなどでコンパクトに仕立てたい場合は冬の剪定にプラスして6月頃、長く伸び過ぎた枝を切りつめ、徒長枝などを間引く剪定をします。主枝となる枝が左右に開くように針金などで誘引し、間引きながら剪定します。
主な病害虫
害虫:アブラムシ類、カイガラムシ類など
病気:黒斑病、灰星病など
スモモ栽培におすすめの用土、肥料、薬剤とは
根の張りを促すおすすめ土
植えつけ後、苗木の根がしっかりと張り、丈夫に育つよう考えて作られた果樹専用の土。ゆっくり長く効く有機質由来の元肥(腐葉土、バーク堆肥、もみ殻堆肥など)を配合しています。
実つきをアップする肥料
実つきが良くなる骨粉とリン酸の成分をたっぷり配合した肥料です。魚粉に含まれるアミノ酸がジューシーな果実に育てます。葉や茎を丈夫にする油粕も配合。有機質肥料も含まれているので、土壌改良効果も期待できますよ。
モモの灰星病、黒星病、うどんこ病対策には
浸透移行作用で病原菌の侵入を防ぐ予防効果と退治する治療効果があります。萌芽前に水で薄めて散布してやると黒星病を防除する効果があります。
疲労回復に効果があるスモモ
ペクチンをはじめとする食物繊維やクエン酸、リンゴ酸、ビタミンEなどが豊富に含まれ、便秘や疲労回復、美肌作りに効果があるというスモモ。完熟の甘いスモモが手軽に食べられるのは自宅栽培ならではの楽しみです。皮ごと頬張ればジューシーな果汁が口いっぱいに広がります。またスモモの木の下で冠をかぶり直すとスモモを盗んでいるように見え誤解を招く、という意味の「李下に冠を正さず」という君子行があることから、「忠実」「疑惑」などの花言葉があります。