シクラメンの育て方!花がら摘みや葉組みの仕方や花が咲き終わったあとの夏越しの方法などをご紹介
シクラメンは赤やピンクのきれいな花を咲かせる人気の品種です。冬の花のイメージが強いですが、上手に夏越しすれば翌年も立派な花をつけてくれます。育て方のポイントは、花が終わる頃のお手入れ。花がらの処理や葉組みの方法など、シクラメンの栽培について詳しくご紹介します。
目次
シクラメンとは?
より気品高い印象を感じさせてくれます。
サクラソウ科、シクラメン属の多年草です。原産はヨーロッパの地中海周辺。
現地では涼しい雨季に開花するため、日本では開花時期が冬になるというわけですね。
耐寒性が高く、低い気温を好むみますが霜に当たると枯れてしまうため、基本的には鉢植えにして室内で育てます。
鉢植えされている株を購入するか、種ではなく球根から育てます。
株と花の大きさによって、大輪系、中輪系、小輪系(ミニシクラメン)、寒さに比較的強く庭植えにもできるガーデンシクラメンにタイプが分かれています。それぞれ栽培の最低温度が異なりますのでご注意を!!
冬に花をつける植物は少ないので、シクラメンが冬の寂しくなりがちな部屋を明るくしてくれますよ。
シクラメンの花言葉は、「遠慮」「気後れ」「はにかみ」「内気」。
これらは、雨から花粉を守ろうと下向きに咲くシクラメンの花が、恥らっているように見えることに由来しています。
日本人に好まれるのも、ひたむきさを感じさせるシクラメンの装いによるのかもしれません。
また、シクラメンの花には、それぞれの色別の花言葉もあります。
例えば、白いシクラメンは「清純」、ピンクのシクラメンは「憧れ」「希望」、紫は「絆」の意味をもつとされています。
プレゼントする場合には、シクラメンの花の色に想いを込めて、相手に贈るのも素敵ですね。
シクラメンの育て方
育て方について
シクラメンが春、気温の上昇とともに葉を枯らすのは生理的に自然なことです。暑さと過湿にとても弱いので5月以降は戸外に出し、涼しい日陰で管理し、水と肥料を控えめにします。直射日光に当てると葉焼けを起こします。枯れた花や葉は摘み取ってください。暑さで葉が黄色く枯れてきても辛抱して管理を続けます。途中で葉数が急に減りはじめたら、休眠の準備を始めた証拠なので、そのまま休眠させてしまいましょう。水やりの完全ストップのタイミングが分からない場合は、6月に入ったらストップすると良いでしょう。休眠したシクラメンを、夏の蒸し暑さに負けないように腐敗したり、カビを防ぐことが夏の管理の大きな目標となります。
涼しくなると新芽が動き出すので、新芽が十分に大きくなったら、ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。
置き場所
まず、ご購入後は、室内の明るい場所で、直射日光が当たらないような場所においてください。
その後、1週間程度で薄日が少し入るような場所へ移動(レースカーテン越しより弱い所)。更にその1週間程度でレースカーテン越しへ移動。慣らしながらお日様に当てても大丈夫なように、場所を移動させていくと良いと思います。室内の温度は15℃程度が適温ですが、冬場は明るい場所で適温の場所!と考えると難しいと思われる方もいらっしゃいますよね!そんな時は暖房が効いているお部屋の床に直接置いてください。暖房をかけたお部屋は、高い場所が暖かく、低い場所は肌寒いからです。他にはエアコンを使わず、ストーブを使っているようなお部屋でしたら、日持ちが良いです。シクラメンは暑いのが苦手なので、夜だけでもしっかり冷やしてあげましょう!
水やり
そして、水やりは鉢の底から水が流れ出るくらい、たっぷりとあげましょう。受け皿に流れ出た水は必ず捨ててください。そのままにしてしまうと、根腐れする可能性があります。
上からざばざば水をあげてしまうと、葉が傷んでしまうので気を付けましょう。
また最近では底面給水方式のシクラメンが増えています。シクラメンは上から水を与えると株が弱るのでこの方式がよく採用されています。この場合、用土から布を垂れ下がっている状態なので、用土の乾燥状態に応じて給水されていきます。下の皿には常に水が入っているようにしましょう。
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シクラメンのお手入れ方法(花がら摘み、葉組み)
枯れた花をそのまま放置してしまうと、弱ってしまったり、余計な体力を使ってしまったりと、その後花がつかなくなる恐れもあります。
翌シーズンにもきれいな花を楽しめるように、適切なお手入れをすることが大切です。
花がら摘み
そうすると翌シーズンに大きな花を咲かせるエネルギーが無くなってしまい、花がつかなくなったり、咲いても小さな花だったりしてしまうのです。
そこで、咲き終わって傷んできた花がらを、花茎ごとに摘み取る「花がら摘み」が重要になります。
花がらを摘む時には、花茎の球根に近いところを指でつまみ、少しひねるようにして摘み取りましょう。
はさみを使うと、傷ついた場所から細菌が入る恐れがあり、病気の原因となることもあるので、手で摘み取るのがポイントです。
また、枯れ落ちた花や葉が茎などについたままになっていると、カビや病気の原因となる可能性があるため、合わせて取り除くようにしましょう。
葉組み
葉組みとは、葉をバランス良く保つために位置を入れ替え、株の中心部分にスペースを空ける作業です。そうすることで、日光が球根の頭に当たり、小さなつぼみも生長し、きれいな花が咲くようになります。葉組みをしないと、あちこちから小さな花が咲いて、見映えが悪くなってしまう場合があります。
葉をかき分けてみて、花芽が出ている部分を探してみましょう。花芽を見つけたらそこを中心にして、葉を外側へ優しく動かしてあげます。中央に集まっている葉は、新しく伸びた葉なので葉に茎が絡まないよう、優しく外側に移動させます。中央に集まっていた葉を外側へ移動させると、古い葉が中心近くに残るので、その葉も茎が絡まないように優しく外側に移動させてください。
外側に移動させた大きい葉をさらに下に引っ張って、鉢の縁に沿うように降ろしてあげます。
葉組みのタイミングはシクラメンの姿が乱れてきた時(または、中央に葉が茂ってきたら)が合図です。葉が中心に寄ってきて、ツボミに陽が当たっていないと感じたら葉組みをして、その都度、空間をあけてあげるようにお手入れしてあげると良いでしょう!
シクラメンとガーデンシクラメンの違いは!?
ですが、丈夫で育てやすく寒さに強いとは言っても、それは一般的なシクラメンと比較しての話し。
霜が降りる地域でもギリギリ庭植えできますが…霜に当たって枯れることはありませんが、生育が弱まります。さすがに気温がマイナス5℃を下回る場所では枯れる可能性があるので要注意!!
できれば霜が当たらない場所をおススメします!!
また、ガーデンシクラメンは一般的なシクラメンに比べると開花が早く秋には既に開花した状態で店頭に並びます。花も葉も小ぶりなガーデンシクラメンはミニシクラメンとの見分けが難しいと思います。商品として店頭に並んでいる時はタグが付いているので間違わないと思いますが、万が一タグが付いていない時の見分け方のポイントとして、ガーデンシクラメンは花壇や寄せ植えなどに植え替えることが前提となっているため、2.5号~4号くらいのポット苗で販売されており、ミニシクラメンは室内鑑賞が基本とんなっているためポット苗ではなく3号~5号の鉢に植えられていることが多いです。迷ったら店員さんに確認しましょう!
ガーデンシクラメンとミニシクラメンの違いが「耐寒性」です。大輪のシクラメンの耐寒性が5度程度に比べ、ガーデンシクラメンの耐寒性は0℃~-5℃。耐寒性の強さは品種によって異なるため、寒い地域で育てるのであればガーデンシクラメンの中でも耐寒性の強いものを選ぶのがポイントとなります。対してミニシクラメンは耐寒性の有無ではなく、花のサイズが4cm以下のものはミニシクラメンとされます。そのため、ミニシクラメンは耐寒性が備わっていない場合が多く、大輪咲きのシクラメンと同様に、冬は室内で管理することが多くなります。ガーデンシクラメンとミニシクラメンは管理の仕方が違うため購入の際は気をつけましょ!!
シクラメンの植え替え
夏越しの方法によって、植え替え方法も異なってきます。
夏に休眠させた場合
植え付ける時、球根を土にすっかり埋めてしまわずに、球根の肩が土から出るように植え付けるのがポイントです。植え替え後は、たっぷりと水をあげて、雨の当たらない明るい場所に置いてください。
夏に休眠させない場合
この場合にも、球根の肩が土から見えるように植え付けます。
深植えにならないよう注意しましょう。植え替えが終了したら水をたっぷりとやり、
日陰で雨にあてないように養生します。肥料は2週間以上たってから再開するのがよいでしょう。
秋の訪れとともにみるみる元気になって、葉とつぼみを増やしてきます。
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シクラメンの増やし方
種で増やす場合は、シクラメンを2株用意して人工授粉を行い、それによってできた実から種を採取します。風通しのよい場所で種を乾燥させた後、冷暗所で保管しましょう。
種まきの適期は11月~12月。ただし、小輪種のミニシクラメンは12月~翌年2月にまきましょう。
種をまいたら暖かい室内で管理します。土が乾燥しないよう霧吹きなどで水やりを続ければ、7日~10日ほどで発根し、30日~40日ほどで芽が出てきます。
見事に苗までしっかり育ったら、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
種から育てるのは少し難しいと言われていますが、花が美しく咲いた時には喜びもひとしおですよ。
シクラメンの株選びのポイント
シクラメンの株選びの際には、以下のポイントに気を付けましょう。
葉の数と花の数がポイント!!
しかし鉢の大きさに対して、葉の枚数が多すぎるものは、花がきれいに咲ききらない場合も…。
鉢の大きさと葉数のバランスが良いものを選ぶようにしましょう。また、蕾の数が多すぎるものも、花が咲ききらない恐れがあります。避けるのが無難でしょう。
そして、葉の色が濃く、葉の大きさがそろっているという点も株選びのポイントです。
病気や害虫に犯されていないもの
一見、立派な株でも株元に白~灰色のカビがついているものは要注意です。
また、花びらが奇形になっているもの、色の悪いものは、ホコリダニやスリップスなどの害虫に犯されている可能性があります。
次に咲く花も同じように、きれいに咲かない場合が考えられるため、選ぶ際には気をつけましょう。
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薄めて株元に流すだけと、使い方も簡単ですよ。
シクラメンの美しい花を長く楽しんで
カラーバリエーションや咲き方、葉の模様も豊富なので、お気に入りを見つけて、冬の寒い時期でも可愛いシクラメンを見てほっこりしてみてはいかがでしょう!!また、シクラメンは花数が多いので、鉢植えだけでなく切り花としてもお部屋に飾ることができます。きれいに咲いているシクラメンを花摘みのときのように株の根元を指でひねりながら抜き取り、抜き取った花柄の端から1cm弱位を切ってから水に付けると吸水が良くなります。一輪挿しにしてみたり、シクラメンやお庭にある葉っぱなどを添えて花瓶に飾っても素敵です!是非、シクラメンを育てる楽しさを味わってくださいませ。