害虫で困ったときは!害虫駆除方法~2021年夏版~

2021年7月3日


暖かくなり、春から徐々に多くなっていく害虫。丹精込めて育てた野菜や果物も、害虫によって蝕まれてしまう恐れがあります。野菜や果物だけではなく、皮膚湿疹やひどいかゆみを引き起こしたり、人体への害になってしまうことも。害虫にあった駆除方法を行い、しっかり対策を行っていきましょう。

害虫の駆除方法のオススメは?

害虫駆除へのオススメは、これといって定義されているものはありません。

害虫それぞれ特性や習性などが異なりますので、薬剤の効果にも差が生まれてしまうのです。

駆除しようとしたつもりが、逆効果になってしまうこともあるかもしれません。

また、使用した薬剤のせいで植物たちにとっては害となってしまうケースもあります。

 

野菜や果物、植物を守るためにも、駆除で求められることは迅速さ、かつ的確さです。

更には、対策もできたら嬉しいですね。

次に紹介する害虫それぞれに合った駆除方法を行い、しっかりと対策を行っていきましょう。

 

小さくてきれいでも要注意!カイガラムシの駆除方法

カイガラムシ photo
Photo by chidorian

カイガラムシは2,3mm~1cmと小さく、色味もきれいな不快害虫です。

カイガラムシがつきやすい植物:野菜・果樹・草花・サボテン・ラン・観葉植物など
カイガラムシの駆除のポイント:気づいた時には大発生していることが多い

同じ駆除方法でも、発育の段階で効果が異なります。卵・幼虫には効果がありません。
牛乳を使用しての防除もオススメです。古くなった牛乳で良いでので、
カイガラムシのいる葉に直接スプレーして乾かすだけでカイガラムシは窒息します。

家庭菜園でおなじみの害虫!無農薬でも対策できる?アブラムシの対策方法

アブラムシ photo

家庭菜園の天敵であるアブラムシ。アブラムシ上科に属する昆虫の総称で、体長2~4mm程度と小さく、集団で行動するため数匹が複数の植物に寄生します。

アブラムシがつきやすい植物:野菜・草花など様々な植物。
葉野菜であればキャベツ・コマツナ、里菜であればトマト・きゅうり・ナス、
根野菜であればジャガイモ・ニンジンなど。

アブラムシの駆除のポイント:無農薬でも駆除することが可能です。
天然のハーブ液は、アブラムシの増殖を防ぐことができます。
有害物質が含まれている可能性もあるため、「天然」のものを使用しましょう。

放置してたら葉がボロボロに!ヨトウムシの駆除方法

ヨトウムシ
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ヨトウムシは、日中は土の中に潜り、夜になると活動を始めます。食欲が非常に旺盛で、集団で行動するために葉がボロボロになるまで食べつくされるなどの被害を被ってしまいます。

ヨトウムシがつきやすい植物:雑食で多くの草花・野菜・果実を食べます。
野菜では白菜やカリフラワー、キャベツ、トマト、ホウレンソウなど。
草花ではバラやガーベラ、マリーゴールド、ゼラニウムなど。

ヨトウムシの駆除のポイント:密集して産卵する性質があるため、見つけたら卵のうちに駆除しましょう。
誘発剤などで土中に潜む幼虫をおびき寄せ、駆除します。

コーヒーを使って駆除!?ハダニの駆除方法

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ハダニの体長は0.3㎜~0.8㎜ほどと小さい昆虫です。

ですが、繁殖力が非常に強く、短期間で大量発生します。

ハダニがつきやすい植物:バラなどのほとんどの植物で見受けられます。

ハダニの駆除のポイント:無農薬でも駆除することが可能です。
カフェインが有効成分となるコーヒーがオススメです。
飲料用よりも濃いコーヒーをスプレーすることで、より高い駆除効果が得られます。
葉の裏側にしっかりスプレーしましょう。

塩やビールは本当に効果的だった!?ナメクジの駆除方法

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ナメクジは巻貝の仲間で、昆虫とされる虫とは違う種類の生物です。
貝殻が退化したものをナメクジ化と呼び、ナメクジ科に分類されています。

ナメクジがつきやすい植物:バラやアジサイなどの花全般。野菜・果物全般。
苔類や多肉植物、サボテンにもつきます。

ナメクジの駆除のポイント:ナメクジに熱湯をかけたり少数であれば
ピンセットなどでつまんで捨てたりするのも良いでしょう。
嗅覚が鋭いナメクジには、ビールで誘引させてビール内に殺虫剤を混ぜておくなどすると簡単に駆除できます。

ダンゴムシは害虫?ダンゴムシの駆除方法

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ダンゴムシは、おおよそ5~10cmほどの大きさで、害はありませんがその見た目の気持ち悪さから不快害虫とされています。石の裏や物陰などの湿気を好む夜行性です。

ダンゴムシがつきやすい植物:草花・野菜、特に苔が被害に遭いやすいでしょう。

ダンゴムシの駆除のポイント:殺虫剤はもちろんのこと、誘引剤、粉末剤など幅広い薬剤が使用されます。
また、無農薬であれば木酢液やコーヒーで、ニオイを苦手とするダンゴムシを撃退できるでしょう。

匂いに要注意!カメムシの駆除方法

カメムシ
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カメムシは、寒い冬を乗り切るために、秋から暖かなところに集まってきます。危険を察知すると悪臭を放つため、叩いて潰したら、周辺や潰したものにも悪臭がついて離れなくなってしまいます。駆除する場合は、方法に注意しましょう。

カメムシがつきやすい植物:主に果実に被害が多く、真目や茎葉も加害します。
豆類もよく被害を受けます。

カメムシの駆除のポイント:カメムシは香りの強いハーブ類が苦手。
特にミントは、カメムシに対して忌避効果が高いとされています。
ミントはカメムシだけでなくさまざまな害虫に対しての防虫効果や、消臭効果なども期待できますよ。

ハッカ油を使用する場合は、ハッカ油を10~20滴ほどを水道水90mlで薄めて、
あれば無水エタノール10mlも混ぜてください。
ちなみにハッカ油はプラスチックを溶かしてしまうので、ガラスの容器を使用したほうが良いでしょう。

薬剤

カメムシの駆除って、やり方を間違えると強烈な臭いが残ってしまうので困りものですよね。カメムシの駆除には殺虫剤やスプレーがおすすめです。カメムシ撃退に使いたい場所ごとに、効果が高く、それでいて天然成分を使用しているなど健康への害も少ない商品をご紹介します。

ケムシの毒は危ない?毛虫の駆除方法

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毛虫はガの幼虫であり、体は毛で覆われています。
体毛毒を持つチャドクガに触れるとかぶれてしまうので、触れてしまった際はテープなどで除去する必要があります。

ケムシがつきやすい植物:チャドクガは茶・ツバキ・サザンカなど。毒のないものは桜・ポプラ・ヤナギなど。

ケムシの駆除のポイント:早期発見・早期防除が良いでしょう。
ドクガ類がいるため、素手で触れるのは危険です。
幼虫は簡単に退治できますが、成長すると食害も多く薬剤も効きにくくなっていきます。

駆除には要注意!イラガの駆除方法

イラガ photo
Photo by t-mizo

イラガは、幼虫は毒針毛を持つ毛虫で、成長した幼虫は体長15~20mmほどになります。若齢幼虫は葉の裏などに群生をするのが特徴ですが、成長した幼虫は単独行動をします。また、毒針毛に触れてしまうと、電気のような激しい痛みが生じます。触れないように厳重な注意が必要な食害性害虫です。

イラガがつきやすい植物:桜やウメ、柿の木やカエデなどということから、庭木や公園、街路樹などどこにでも発生する可能性があります

イラガの駆除のポイント:イラガは幼虫のうちに駆除するのが有効ですが、触れると激しい痛みを伴う毒針毛があるため、駆除する際には触れないよう細心の注意が必要です。そのため、肌を露出しないような服装をしましょう。長袖、長ズボンのほか、帽子やゴム手袋などで徹底的な防備をして、絶対に素手で触らないようにしてください。
また、幼虫は駆除した死骸にも毒があるので、処分する際も充分な注意が必要です。

野菜や葉が穴だらけ!?コナガの駆除方法

コナガは体長10mm前後、チョウ目スガ科に分類される食害する害虫です。幼虫から成虫にかけて、見た目が大きく変化し、春から秋にかけてと幅広く、霜が降りる季節以外には年間を通して注意をする必要があります。

コナガがつきやすい植物:アブラナ科の野菜を好む害虫です。

春と秋に発生することが多いですが、春と秋以外にアブラナ科の野菜を育てていると、季節を問わず発生します。

コナガの駆除のポイント:もしも万が一、大量発生を確認した場合には、薬剤使用も検討しましょう。
薬剤耐性が強い害虫のため、同じ薬剤を長期間使用し続けることで耐性がついてしまうことがあります。
薬剤としましては、除虫菊を主成分としたパイベニカ乳剤、チョウ類専用の農薬などが効果的です。
コナガの幼虫は、発見しだい捕殺しましょう。また、ミスト状の水を吹きかけることでも、効果が期待できます。

コナガは体長10mm前後、チョウ目スガ科に分類される食害する害虫です。幼虫から成虫にかけて、見た目が大きく変化し、春から秋にかけてと幅広く、霜が降りる季節以外には年間を通して注意をする必要があります。

 

コナガがつきやすい植物:アブラナ科の野菜を好む害虫です。

春と秋に発生することが多いですが、春と秋以外にアブラナ科の野菜を育てていると、季節を問わず発生します。

コナガの駆除のポイント:もしも万が一、大量発生を確認した場合には、薬剤使用も検討しましょう。
薬剤耐性が強い害虫のため、同じ薬剤を長期間使用し続けることで耐性がついてしまうことがあります。
薬剤としましては、除虫菊を主成分としたパイベニカ乳剤、チョウ類専用の農薬などが効果的です。
コナガの幼虫は、発見しだい捕殺しましょう。また、ミスト状の水を吹きかけることでも、効果が期待できます。

大切な植物や野菜、果物を守るために

gardening photo
Photo by Ivan Radic

自然の中で育てている植物と害虫は、切っても切れない関係です。

事前に対策を入念に行っておくことも大切ですが、もし発生してしまった場合に備えて、知識や駆除に合った薬剤などを事前に準備を行っておくのも良いでしょう。

また、害虫によっては人体に害を及ぼすものも存在します。駆除する際は、毛や毒に注意しながら行いましょう。

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