ワケギ(分葱)・アサツキ(浅葱)の育て方、増やし方とは?初心者でもできる簡単な栽培方法をご紹介
料理の薬味やトッピングに重宝するワケギ(分葱)とアサツキ(浅葱)。 プランターや鉢で簡単に育てられるため、ベランダ栽培でも人気の高いネギ科の野菜です。 一度植えると、長い間収穫できるので初心者の方にもおすすめですよ。 今回はそんなワケギとアサツキの栽培のポイントをご紹介します。
目次
ワケギ(分葱)・アサツキ(浅葱)の特徴と違い
ワケギとアサツキは両方ともネギ科の野菜ですが、ワケギはねぎと玉ねぎの交雑種であり、アサツキは野草の一種です。
どちらも種子がなく、球根から植えつけて栽培します。
育てやすく、1度植えると何度も収穫できることから、家庭菜園入門として初心者にもおすすめの野菜です。
また、地植えはもちろん、プランター栽培にも向いているので、ベランダ菜園にも適しています。
野菜を育てる自信がないという方はまず、ワケギやアサツキから始めてみてはいかがでしょうか。
ワケギ(分葱)とアサツキ(浅葱)の特徴
見た目だけでは区別しにくいワケギ、アサツキ、ねぎのそれぞれの違いをまとめてみました。
ワケギ
・ギリシャ原産
・ねぎと玉ねぎの交雑種
・緑黄色野菜
・根元部分がぷっくら膨らんでいる。
・アサツキより太い葉を持つ
・独特の風味がある
アサツキ
・北海道に自生するエゾネギの一種
・元々は野草
・葉の直径2~3㎜
・食用ねぎの中ではもっとも細い
・ねぎよりも苦みや辛みがマイルド
ねぎ
・中国南部、中央アジア原産
・種子栽培
・根深ねぎ、葉ねぎに分かれる
・独特の辛みと強い香りがある
・ほかの野菜よりも塩害に強い
ちなみに子ねぎは青ねぎを若取り、もしくは品種改良したもので、万能ねぎや細ねぎなどとも呼ばれています。
ワケギ(分葱)とアサツキ(浅葱)の栽培環境
どちらも日当たりがよく、風通しがよい場所を好みます。そのため、マンションやアパートなどでも育てやすいベランダ栽培にも適しています。
育成する温度は15~20℃が適温なため、春と秋に植え付けするのが基本です。
用土はプランター栽培するなら、野菜用の培養土で育てるとよいでしょう。
菜園の場合は最初に土に石灰を入れて耕し、2週間ほどしてから堆肥や元肥を入れて馴染ませます。
ワケギ(分葱)・アサツキ(浅葱)の栽培時期
ワケギ(分葱)とアサツキ(浅葱)の植え付け時期
植え付け時期:8月下旬~10月上旬
日当たりのよい場所を選んで、球根を浅く土に植え付けていきます。
ワケギ(分葱)とアサツキ(浅葱)の収穫時期
収穫時期:3中旬~4月下旬/10中旬~11月下旬
秋と春の年2回収穫することができます。また、収穫した後の球根を掘り起こして保存しておくと、2年目からは種球として利用することが可能です。
ワケギ(分葱)・アサツキ(浅葱)の栽培方法
球根の準備
8月下旬頃になるとワケギ、アサツキの新球が出回ります。
カビが生えていないか、傷がついていないかを確かめて、健康な球根を選びましょう。
根の部分が欠けているものも、生育がよくないので、しっかりとチェックしてくださいね。
袋から取り出して、すぐに植付けられるわけぎの球根です。300gと量が多いので、菜園からプランターまでおすすめ。ガーデニングの腕前が上達しそうですね。
栽培から収穫まで楽しめるのが魅力的
野菜を自分で一から育てたい、親子で家庭菜園をやってみたいという方におすすめ。たっぷり500gあるので、収穫も楽しみですね。
土づくり(肥料)
ワケギ、アサツキの栽培は一般のサイズのプランターで十分栽培できます。
野菜用の培養土か、赤玉土7、腐葉土(堆肥)3、有機質肥料1の割合で混ぜたものを使いましょう。
また、ワケギやアサツキは球根から育てるので、ヒヤシンスのように水耕栽培できます。
この場合は液体肥料を入れた容器に球根を入れておけば、根から栄養を吸収して生育します。
水耕栽培の場合は定期的に水を取り替えるだけで、育つので初心者にもおすすめです。
プランターに入れてそのまま使える便利な培養土
鉢底石なしでも水はけのよい培養土です。団粒構造により、粒と粒の間に空気や水の通り道をつくり、栄養分を安定して吸収させられます。根腐れしにくく育ちますよ。
ネギ類専用の肥料
ネギや玉ねぎ専用の有機質20%配合の肥料です。
ネギ類の育成に必要な成分がバランスよく配合。不足しがちなリン酸成分を多く配合しています。
植付けの時と後肥として与えることで、わけぎやアサツキの成長をサポートします。
植え付け方
プランターの底に水はけをよくするために鉢底石を敷き、培養土、もしくは自分でブレンドした土を容器の8分目まで入れます。
球根は複数がひと塊になっているので、薄皮を剥いて分けながら植えていきましょう。
株同士の間隔はワケギで10~20㎝くらい、アサツキは10~15㎝ほど空けて植えてください。
球根の先端が土からはみ出るぐらい、浅く植えるのがポイントです。
連作障害
同じ場所に野菜を続けて栽培すると「連作障害」が発生します。
土中の病原菌や特定の養分が過剰、または不足してしまうことなどが原因ですが、生産量が徐々に減少してしまうため、注意が必要です。
連作障害を避けるため、同じ場所での栽培期間を最低でも1年は空けるようにしましょう。
コンパニオンプランツ
コンパニオンプランツとは、ほかの野菜や草花と一緒に植えることで、よい影響を与える植物のことです
ワケギ、アサツキなどのネギ類の根部分には土壌病害を抑える効果のある拮抗菌が共生しています。
そのため、コンパニオンプランツとして活用できます。
相性のよい野菜は「キュウリ」、「トマト」、「ナス」、「ゴーヤ」など。
ワケギ、アサツキの拮抗菌がそれぞれの野菜の病原菌を抑えて、生育促進に繋がります。
追肥
植え付けから14~20日後、草丈が10㎝ほどに成長したら追肥をしましょう。
株元の土を寄せて倒れにくくしてから、液体肥料を水で薄めて与えてください。
その後は1週間に1度与えるようにすると生育がよくなります。
いろいろな植物に役立つ液体肥料
植物に必要な成分がバランスよく配合されている肥料。水で薄めないタイプなので、手軽に使用できます。ベランダ菜園にもおすすめ。
収穫
草丈が25~30㎝ほどに生育したら、いよいよ収穫のタイミングです。株全体を手で掴み、園芸用のハサミやカッターで地上3~5㎝ほどを残して、葉を水平に切り落とします。
少し葉っぱを残しておくと2~3回ほど、収穫を楽しめますよ。
種球の掘り上げ
球根を植えっぱなしにしておくと害虫や病気の被害にあいやすくなります。
そのため、翌年以降も収穫したい場合は球根を保存しておくことをおすすめします。
種球の堀り上げ時期
ある程度、球根が太ると葉っぱが倒れますが、枯れた葉に見えても実は休眠している状態です。
そのタイミングで彫り上げて、保存しておけば、翌年にまた植えて収穫を楽しむことができます。
保存方法
彫り上げた球根は土を落して風通しのよい日陰で乾燥させておきます。
冬の間、ネットに入れて吊るして保存する方法がおすすめです。
発生しやすい病害虫と対策
病気
ネギ科の植物は病害虫への強さが大きな特徴です。
しかし、球根を植えっぱなしにしておくと葉に大きな楕円形の斑点ができる「黒班病」、葉に灰白色の薄いカビが発生する「べと病」などが発生してしまいます。
病気の兆候を発見したら、発生した葉を取り除き、殺菌剤を塗布して対策しましょう。
広範囲の野菜の病気をしっかりと防ぐ
少量でも広範囲の作物に効果を発揮する薬剤です。微粒子の有機成分が野菜や草花に均一に付着。薬剤による汚れもないので、安心して使えます。
害虫
発生しやすい害虫は「ネギアザミウマ」、「ネギアブラムシ」、「ヨトウムシ」などが挙げられます。
葉を食害するだけでなく、ウイルスを介するので、駆除が必要です。
野菜や花の害虫対策に効果が持続する
水で希釈して散布するタイプの殺虫剤です。有効成分が葉や茎から吸収され、効果が持続するので、家庭菜園初心者にもおすすめ。屋内、屋外どちらでも使えます。
ワケギ(分葱)・アサツキ(浅葱)を使ったレシピ
ぬた
薬味のほか、いろいろな調理に使われますがやはり、ワケギやアサツキの定番料理といえば、ぬた和えではないでしょうか。
ねぎよりもマイルドな辛さと香さで、ご飯やお酒の肴にぴったりな一品です。
ぬた和えのレシピ
1.ワケギ、アサツキはさっと湯通ししておく。
2.鍋に味噌、砂糖、みりん、だし汁を適量入れて、火にかける。
3.砂糖が溶けたら、練りからし、酢を加える。
4.3を先ほど湯通ししておいたワケギ、アサツキにあえる。
ワケギ、アサツキを育てて、家庭菜園を充実させよう!
いろいろな料理に使えるワケギとアサツキ。自分で収穫したものを調理して、食べることができるのが、家庭菜園の醍醐味ですよね。
育て方もほかの野菜に比べて、比較的簡単なので初心者の方も栽培を楽しんでみませんか?