ラベンダーの育て方とは?園芸初心者にもおすすめ!枯れる原因や剪定方法など育て方のポイントをご紹介!

2020年1月26日


優雅でリラックス効果のある香りがする、ハーブの中でも人気のラベンダー。昔は体の不調を整える効果も期待されていました。初心者にも分かりやすい栽培の仕方、肥料、土、苗を鉢に植え、花を開花させる、剪定方法などお教えします。また、ラベンダーの品種もご紹介します。

ラベンダーとは?

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ラベンダーの特徴

学名:Lavandula 科名:シソ科 属名:ラバンデュラ属 和名:ラベンダー 英名:Lavender 発芽適温:20度前後 生育適温:15度~20度 原産地は地中海沿岸であり、その原種はおよそ30種類以上。 変種や栽培品種なども含めると、数えきれないほどの品種が存在しています。 ラベンダーは、鮮やかな紫色が特徴的な心地よい香りのする、園芸向きのハーブです。 芳香剤や入浴剤、香水、石鹸などの香料として使用されることが多いです。 収穫した花は使い勝手がよく、料理やドライフラワー、薬用などに使用されることも。 ラベンダーの精油はリラックスや精神安定、沈静作用、強壮に使用されることもあります。 耐寒性や耐暑性は系統により大きく異なるので、栽培する環境によって品種を選ぶと良いでしょう。 ハーブの中では、比較的初心者でも育てやすい種類といわれています。

ラベンダーの種類

主要な5つのグループのラベンダーの種類を説明していきましょう。 ・アングスティフォリア系:ラベンダーの代表格です。 細く繊細な葉が特徴的。高温多湿な環境に弱く、長期間の栽培には不向きな品種です。 ・ラバンディン系:原種のスパイクラベンダーとイングリッシュラベンダーの交配種です。 耐暑性に富んでおり、耐寒性もあり栽培しやすいです。 ・ストエカス系:カナリア諸島やスペイン、トルコが原産地。 別名フレンチラベンダー、スパニッシュラベンダ、花穂先端に、かわいらしい苞葉を持ちます。開花期間が長いです。 ・デンタータ系:原産は、スペインのバレアレス諸島やアフリカ北部。 葉の縁に細い切れ込みが入っており、四季咲き性です。香りは弱く、別名フリンジラベンダーと言われています。 ・プテロストエカス系:地中海や北アフリカ、アラビア半島西部など幅広く分布しています。 他グループと比較すると香りが弱いです。耐寒性に弱いため、冬場は室内で管理すると良いでしょう。 ・レースラベンダー:ラベンダーの香りはせず、鑑賞用に作られた園芸種です。 花とレースのような葉が美しいため、その見た目を楽しむ人々が多いようです。

ラベンダーの詳細情報

園芸分類:草花、ハーブ 形態:低木 原産地:地中海沿岸 草丈・樹高:20~50cmほど(大きなものでは130cmほど) 耐寒性:弱い(品種によって異なる) 耐暑性:やや弱い~普通 花色:紫・ピンク・白 開花時期:4月~7月、9月~10月ころ

ラベンダーの栽培カレンダー

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植え付け期:3月~5月 肥料:3月~4月、10月 植え替え期:4月~6月 開花期:5月~7月(四季咲き性の系統もある) 剪定:6月~7月 収穫期:5月~7月

ラベンダーの育て方

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準備するもの

準備するもの ・苗、鉢植え ・土:ハーブ用の培養土でも良いですが、できれば「ラベンダー用」と書かれたものがおすすめです。 ・肥料 ・ラベル ・鉢、プランター ・鉢底ネット ・鉢底石

栽培環境(日当たり・置き場所)

日当たりが良く、水はけが良い場所がおすすめです。 夏の高温多湿に弱いので、風通しが良い場所が良いでしょう。 また、西日が直接当たらない場所を選び、水はけを良くして植え付けます。 梅雨の時期には、長雨の影響で弱ることのないように、鉢ごと風通しの良い場所へ移動し、管理しましょう。

苗の選び方

選び方のポイントを説明していきます。 一年中出回っていることの多いラベンダーですが、春に購入したものの方が管理は楽です。 ・葉色が良い ・茎の節間が詰まっている ・しっかりした、がっしりした苗を選ぶ ・つぼみがたくさんついている元気な苗 茎や枝がひょろひょろとしているものや土表面にコケが生えている苗は育たず、 そのまま根腐れしてしまう可能性があるため、注意して選ぶようにしましょう。

用土

ラベンダーは多湿を嫌うので、水はけが良い土が良いでしょう。 水もち、肥料もちの良い土を選びます。 自分でブレンドする場合は、腐葉土4:赤玉土中粒3:日向土小粒2:パーライト1の混合土に、 小さじ1杯程度の苦土石灰を加えると良いでしょう。 ガーデニング初心者であれば、市販のラベンダー用培養土で問題ありません。

ラベンダーに適したアルカリ性用土

花ごころ ラベンダーの土

花ごころ ラベンダーの土

ラベンダーの生育に適したアルカリ設計。 地力をアップするabコンポを配合しています。 ゆっくり長く効くIB肥料を配合しているため生育が安定します。

肥料

肥料がなくても育ちますが、肥料を与える際には植え付け時や植え替え時に緩効性化成肥料を元肥として入れます。 3月頃と9月頃に追肥すると良いでしょう。 地植えの場合、春に芽が伸びるころ。 鉢植えの場合、春や秋の生育旺盛な時期に与えましょう。

植えつけ

植え付けの適期は、5月~6月です。 地植えの場合、水はけを良くするために深く耕し、高植えにしましょう。 1.日当たりと風通しの良い場所を選びます。土づくりしていた場所に30cmほどの穴を掘ります。 2.穴に苗を入れて、土表面より苗の土表面の方が20cmほど高くなるように土を入れていきます。 3.株元にたっぷりと水やりを行います。 4.品種や植え付けた日をラベルに書いて挿しておくと分かりやすくなり、おすすめです。 鉢植えの場合、5~6号ほどの大きさの鉢を用意します。 1.鉢に鉢底ネットを入れて鉢底石を敷きます。 2.培養土に肥料が混ざったものを半分ほど入れます。 3.苗をポットから抜いて、植え付けます。棒でつつきながら行い、隙間が残らないように土を入れていきます。 4.葉が濡れないように、株元にだけたっぷりと水やりを行います。 5.こちらも品種や植え付けた日をラベルに書いて挿しておきます。

水やり

ラベンダーは乾燥気味を好みます。 水はけの良い土を使用しているとは思いますが、水のやりすぎには注意してください。 葉や花には水をかけないようにして、根元に水を与えるようにしましょう。 地植えの場合、日中は避け、朝たっぷり水やりをすると良いでしょう。 鉢植えの場合、長雨が続くときなどは軒下に移動させます。鉢の底から水が流れ出るほどたくさん水を与えます。

剪定

ハーブの女王であるラベンダー。 栽培は難しいというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。 それは剪定が面倒であることが理由のようです。 しかし、コツさえ掴めば難しいことはありません。 剪定の方法をしっかり理解すれば、ラベンダー栽培も気軽にできるようになることでしょう。

剪定理由

剪定の理由1:ラベンダーの負担を軽減させ、風通しを良くするため 剪定の理由2:形を整えて、元気に成長させるため なぜ剪定が必要なのかというと、ラベンダーは蒸れ・風通しの悪さ・暑さを苦手とします。 そのため、花を剪定することでラベンダーの負担を軽減させ、風通し良くすることで、きちんと収穫できるようになるのです。 花が終わらないうちに収穫し、そのあと剪定すればラベンダーの苦手な夏には負担が軽減されます。 そして、植えて1~2年もすると枝が四方に伸びて見栄えが悪くなります。 古い枝は病気にもかかりやすいので、剪定することによって形が整えられるうえに病気を未然に防ぐ効果があります。 ラベンダーを育てるには、剪定が特に重要になるのでしっかりと覚えておきましょう。

イングリッシュ系(コモン系)の剪定方法

剪定時期:5月下旬~7月上旬 剪定には、ラベンダーの負担を減らすためにおこなう花茎の剪定と、風通しをよくするためにおこなう枝の剪定の2種類あります。 時間をかけられないときには、花茎の剪定を行うだけでも構いません。 暑い季節が苦手なラベンダーにとって、夏前に剪定することが重要になります。 咲き終わった花を、伸びた茎ごと切っていきましょう。 そして枝の剪定ですが、地面に広がるように成長した枝を切っていきます。 また、雨などで泥が跳ねやすい場所にあれば、低い位置の枝は剪定しておくべきでしょう。

ラバンディン系・アングスティフォリア系の剪定方法

剪定時期:12月上旬~2月下旬 基本的にはイングリッシュ系の剪定と要領はおなじです。 花の咲き終わったあと、新芽すぐ上の花茎を全体的に切っていきます。 下の方の枯れている枝や込み入っている枝がある場合は、風通しを良くするために、古い枝を中心に剪定するようにしましょう。 こちらの選定は冬におこないます。株元1/3を残して切るといいでしょう。

デンタータ系の剪定方法

剪定時期:9月中旬~下旬 全体の2/3を残して剪定していきます。

プテロストエカス系の剪定方法

剪定時期:10下旬 樹形に乱れを感じた場合、剪定を行います。剪定の適期は、花が枯れる10月下旬。全体の2/3を残し、剪定します。

ストエカス系の剪定方法

剪定時期:11月上旬 樹形が乱れてきたら剪定します。剪定の適期は、11月上旬ころが良いでしょう。 株元から1/2までを残して剪定していきます。枯れたり細かったりする枝は、根元から剪定していきます。

病害虫

病気はあまりありません。 香りの強いラベンダーにはあまり虫がつくことはありませんが、害虫は4月~5月にかけてアブラムシやハダニがつくことがあります。 見つけ次第、殺虫剤で駆除する必要があります。

植え替え

鉢植えの場合、1年~3年に一回が良いでしょう。 鉢底から根がはみ出ていたり、水の吸収が悪かったりしたら植え替えのサインです。 春か秋に植え替えを行います(3月~5月、9月~11月)。 ラベンダーは繊細で根が弱いため、植え替えを嫌います。 そのため、植え替えを行う際には、優しく丁寧に行いましょう。

夏や冬の過ごし方

暑さよりは、品種により異なりますが耐寒性があるため寒さに強いラベンダー。 夏は直射日光を避け、風通しの良いところに置きましょう。 そして、冬は日当たりの良いところに移動させます。 冬に外で管理する場合、雪が積もらないように注意しましょう。

ラベンダーが枯れる原因とは?

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枯れる原因として多いのは、「根腐れ」です。 生長期に茎が混み合ってしまうのが主な理由です。 茎が混み合ってきたら剪定しなければなりません。 また、蒸れなどにも弱いため、適切に剪定し、枯れないように風通しを良くすることが重要です。

ラベンダーのふやし方

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ラベンダーは挿し木で増やすことができます。

挿し木

5月~6月または9月~10月に枝先を10cmほどカットし、赤玉土や日向土に挿します。 1.茎が固く若い枝をカットします。 2.10cmほどカットし、30分ほど水に浸します。 3.ナイフなどで茎部分を斜めにカットします。 4.赤玉土などの入った鉢に、棒で挿し口を作り挿し木を挿します。 5.5日間程度日陰で管理し、その後日当たりと風通しの良い場所に置きます。

ラベンダーの寄せ植え

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ラベンダーは密集して風通しが悪くなると良くないので、寄せ植えには向いていません。 それでも寄せ植えする場合、乾燥を好む、オレガノなどのハーブ類がおすすめです。 もしくは鉢を組み合わせて置く、置き合わせに適しています。

ラベンダーのリラックス効果で癒されたい!

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育てやすいハーブであるラベンダー。 ドライフラワーやポプリとしても楽しむことができます。 リラックス効果のある香りは心地よく、鮮やかな紫色はお部屋のインテリアにもおすすめですよ。