パクチー(コリアンダー)の育て方とは?花を咲かせてはいけない!?長くパクチーを育てるためのコツとは?
タイ料理やベトナム料理などのエスニック料理に使用されることが多く、幅広いレシピを持つパクチー(コリアンダー)。栽培方法は簡単で、液体肥料や化成肥料を与えた培養土で育てます。水やりはたっぷり行いましょう。初心者は苗よりも種から育てるのがおすすめですよ。
目次
パクチー(コリアンダー)とは?
パクチー(コリアンダー)の特徴
パクチーの基本情報
学名:Coriandrum sativum
英語:コリアンダー
科名:セリ科
属名:コエンドロ属
地中海沿岸が原産国
名前の由来:ギリシャ語で「Koris」、虫の様なくさいにおいがあるというのが由来だと言われています。
カメムシのにおいがして苦手だという人がいますが、あながち間違いではないかもしれませんね。
パクチーはタイ語で、英語でコリアンダー。
ベトナム料理などのエスニック料理に使われており、レシピも豊富にありますよ。
特徴は、独特な強い香りです。
セロリや三つ葉、パセリなどをすべて合わせたような香りで、清涼感あふれる爽やかな風味がパクチー好きにはたまりません。
美容効果が高いだけでなく、栄養素も多く含んでいます。
βカロチンやビタミンB、カルシウムなどの抗酸化成分、ビタミンCなど。
また、消化促進に効果があるとされており、デトックス効果も期待できます。
栽培方法は簡単で、ガーデニング初心者でも簡単に育てることができます。
パクチー(コリアンダー)の種類
パクチーの種類と特徴について紹介します。
もっとも有名なパクチー・ラー
最近では日本でもよく目にするようになった、一般的なパクチー。
タイでの正式名称は「パクチー・ラー」です。
葉には浅い切れ込みがあり、草丈は40~60cmほどになります。
3種類のなかでは、一番香りが軽いです。
タイ料理に使われるパクチーファラン
別名「ノコギリコリアンダー」
その名の通り、ノコギリのようにギザギザとした大きな葉が特徴です。
また、香りが強いのが特徴的です。
タイでは、ラープという肉料理やスープに使用されることが多いです。
春・秋に種まきすると繁殖力が旺盛なため、大きく育ちます。
ただし、大きく育て過ぎてしまうと葉が固くなってしまうので、実際に食材として使用するときには、柔らかい部分を使用しましょう。
お肉や魚の下味に!パクチーラオ
3種類のなかでは、最も香りが強く後味には苦みが残ります。
西洋では、肉料理や魚料理の香り付けや飾り付けに使用されることが多いです。
日本では、別名「ディル」と呼ばれています。
2月~3月に種まきすると4月には食べることができ、翌年種が発芽して収穫できることも。
パクチー(コリアンダー)の栽培スケジュール
種まき・植え付け期:3月~4月、9月~10月
収穫期:3月~5月、9月~11月
開花期:5月~6月
花芽が上がったら早めに摘み取りましょう。
花が咲くと周囲の葉が枯れてしまうため、花が咲く前に摘み取ります。
パクチー(コリアンダー)に適した環境
パクチー(コリアンダー)に適した環境:日当たり・置き場所
日当りが良い場所を好みますが、日陰でも問題ありません。
乾燥させないように注意しなければなりませんが、高温多湿が苦手です。
土は少し乾燥気味に育てると良いでしょう。
パクチー(コリアンダー)に適した環境:用土
水はけのよい土を使って栽培します。
根腐れに弱いので、注意しましょう。
園芸店などで販売されているハーブや野菜の培養土で十分育てられますが、
ブレンドするのであれば、赤玉土5、腐葉土3、堆肥1、バーミキュライト1の割合がおすすめです。
元肥として、少量の有機肥料や化成肥料を混ぜても良いでしょう。
地植えの場合、まず土を耕してから石灰を蒔き、土壌を中和させておきます。
この時、緩効性肥料を混ぜ込むことによって、追肥の必要はほぼなくなります。
pH値、EC値調整済だから安心・安全!
有機質培養土。ハーブ全般に使用可能です。
パクチー(コリアンダー)の育て方
パクチー(コリアンダー)の育て方:水やり
土の表面が乾燥してきたら午前中に1回たっぷりと水やりをしましょう。
プランターや鉢で栽培している場合、夏場は毎日水やりを行います。
朝と夕方の2回がおすすめです。
基本は、鉢底から水が流れ出るくらいまで水やりをします。
しかし、水を与え過ぎると根腐れしてしまうので注意しましょう。
パクチー(コリアンダー)の育て方:肥料
肥料のタイミングとしては、培養土に含まれている肥料分の効き目が薄れてくる1ヶ月ほど経過してからが良いでしょう。
葉が黄色くなったら追肥のタイミングです。
ミネラルたっぷり!美味しいパクチーが収穫できる
化成肥料と有機肥料のいいところを組み合わせ、すぐに効いた後、安定した効果が約1~2カ月続く固形肥料です。
カルシウムや葉色を良くするマグネシウムが配合され、生育を促します。
植物の健全な生育に必要な15種の栄養素を配合!
窒素・カルシウム・微量要素を強化して、色々な植物の花つきや花・葉色を良くする液体肥料の原液です。
パクチー(コリアンダー)の育て方:病害虫
葉が大きく育ってくると、植物の葉や実を食べてしまうヨトウムシ・アブラムシが発生することがあります。
非常に小さな虫で、気がつくと葉の裏にびっしりといったこともあるので、葉の裏をこまめにチェックすることが大切です。
発見したら、ガムテープでくっつけて駆除していくか、葉にたっぷりの水をかけて洗い落とすと良いでしょう。
屋外で栽培している場合は、防虫ネットをかけておくと安心です。
また、雑草をそのままにしていると害虫が卵を産んでしまうので、雑草はこまめに引き抜くようにしましょう。
パクチー(コリアンダー)の詳しい育て方
パクチー(コリアンダー)の詳しい育て方:植え付け(鉢植え)
植え付けの手順とポイントを紹介します。
パクチーは直根性で移植を嫌います。
直根性とは、野菜でいうとダイコンやゴボウ、直根草の花であればチューリップやヒヤシンスなど、根っこが地中深くに伸びる性質のことを言います。
植え付けの際に太い根を痛めてしまうと、上手に根付けできないので本葉2~3枚くらいの
若い苗のうちに移植するのも良い方法です。
植え付けの時は種を蒔いて直まきにするか、根を触らない様に注意しましょう。
鉢・プランターで栽培する場合の鉢植えは、ポットの苗をひっくり返して、根鉢を崩さないよう注意しながら取り出します。
株元を押さえながら土をかぶせていき、最後にたっぷり水やりを行います。
パクチー(コリアンダー)の詳しい育て方:植え替え
直根草で移植を嫌うため、できるだけ植え替えをしないようにした方が良いでしょう。
パクチー(コリアンダー)の増やし方
パクチー(コリアンダー)の増やし方:種
8月ごろに花を咲かせ、種がついて熟してから枯れていきます。
パクチーは種から増やしていくことが可能です。
種まきの適期は、9月~10月。春まきの場合は、3月~4月。
春の場合、生長が早く葉を収穫するまでの期間が短いです。
秋の場合、生育期間が長いために栽培を長く楽しむことができます。
種は1つの殻に2つ入っていて、割ってから蒔いてもいいですし、割らなくても栽培できます。
割らなかった場合は、1粒の種から2本発芽することになるため、1本立ちした後に間引きする必要があります。
1.種は蒔く前に一晩中水に浸けておきます。
2.すじ蒔きか1cmほどの穴を空けてから蒔いていきます。
3.土を薄くかぶせていき、たっぷり水やりを行います。
4.日が当たる風通しの良い場所に置いて管理します。
パクチー(コリアンダー)は花を咲かせてはいけない?
発芽が上がったら早めに摘み取ります。
花が咲くと花を咲かせるために大切な栄養を使ってしまい、株や葉が弱ってしまいます。
長くパクチーを楽しむためにはよく観察し、花芽が伸びたらすぐに摘み取りましょう
ただし、パクチーは葉だけではなく、花や種を食べることもできます。
花は、葉と同じ香りがします。
花の色は白で、食材の彩りとして添えるなど、料理の幅が広がりますね。
サラダやスープなどの料理に!フレッシュなパクチー(コリアンダー)を楽しもう
タイ料理やベトナム料理などのエスニック料理には欠かすことのできないパクチー。
葉だけではなく、種や根、花、茎、実なども余すことなく料理として使用することができます。
東南アジアや中国方面では葉を生のままで使用することが多いですが、欧米やインド方面では種を挽いて香り付けに使用することが多いです。
一方、日本ではさまざまな使い方で料理を楽しみます。
パクチーに衣をつけて油で揚げた天ぷらや餃子の具、生春巻きにふんだんに使用するなど。
市販品でも、パクチーラーメンやパクチーふりかけといったものが販売されています。
パクチーは、独特の香りが非常に特徴的で、栄養価が豊富で美容・健康ともに良いハーブの一種です。
手軽に栽培できますので、ガーデニング初心者にもおすすめです。
せっかく自宅で栽培するのであれば、パクチーを余すことなく料理に使用して食べてみたいですよね。
初めて家庭菜園にチャレンジしようと考えている方は、ぜひパクチーを育ててみてはいかがでしょうか。