アブチロンの育て方は?挿し木や剪定、肥料・用土など鉢植えが人気のアブチロンの栽培方法
春から秋まで長期間、次々と花を咲かせ、観賞を楽しめるアブチロン。コンパクトに育つ性質も相まって、近年は鉢植え向きの花として注目を浴びています。赤、白、黄、オレンジ、ピンクと熱帯の花らしいカラフルな色ながら、透き通った薄い花びらが上品な雰囲気を漂わせ、インテリアや庭になじみやすいのも魅力。暑さにも寒さにも強いので、手間をかけずに育てたい人にイチオシの花ですよ。
目次
アブチロンとは?
アオイ科の熱帯花木。花がランプをぶら下げたような形をしているため「チロリアンランプ」、また、釣りの浮き輪に似ていることから「浮釣木(ウキツリボク)」の別名があります。アブチロンの仲間は世界の熱帯地域に約100種類もの品種があり、園芸として親しまれているのは、2つの原種と、その交配によって作られた交雑種がほとんど。
低木タイプ、半つる性タイプ、その中間のタイプもあります。花はランプのような形をした品種とベル状に花びらが広がって咲く品種があり、好みで選んで楽しめます。前者を楽しみたいなら、赤と黄色のコントラストが可愛らしい定番の「キングベル」がおすすめ。より花色を楽しみたいなら後者のタイプで、濃いオレンジ色が美しい「ドワーフ・レッド」や花色が黄色からオレンジに変化する「初恋」がおすすめですよ。
アブチロンの育て方と栽培のポイント
基本的な生育のサイクル
植えつけ、植え替え期:4月~6月、9月
開花期:4月中旬~11月上旬
切り戻し:4月~5月
剪定:4月~10月
※関東地方以西基準
置き場所
地植えの場合は北風が当たらない半日陰の場所で育てましょう。鉢植えの場合、春と秋は日なたで育てますが、真夏は半日陰に置いた方が良いでしょう。冬は室内に取り込んで管理します。
水やり
基本的には、土の表面が乾いたら水を与えましょう。冬は控えめにした方が元気に育ちます。
栽培のポイント
アブチロンは常緑性の熱帯植物ですが、比較的寒さにも強く品種によっては戸外での冬越しも可能です。暖地で温度があれば一年中開花しますよ。主な開花期は4月~11月。春か秋に苗木を植えつけ、生育期間中は肥料を切らさないように心がけてください。
地植えは月に1回程度、化成肥料を与えます。鉢植えは化成肥料に加え、液体肥料も併用すると、花が途切れなく咲いてくれますよ。また、鉢植えの場合は根詰まりを起こすのを防ぐため、毎年4月~6月の間に植え替えを行ってくださいね。根鉢を軽く崩した後ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。
花芽は新しく伸びた枝先につきます。前年に伸びた枝を1/2~1/3程度の位置で切り戻してあげましょう。不要な枝を剪定することで健やかに生長しますよ。切り戻した枝を使って、挿し木で殖やすこともできます。枝の先端を切り、水揚げをしてから土に挿してください。日なたに置いて水を切らさないように管理すれば約1ヵ月で根が出てきますよ。
主な病害虫
害虫:アブラムシ、ハマキムシ
病気:特になし
アブチロン栽培におすすめの用土、肥料、薬剤とは
軽くて通気性の高い清潔な専用培養土
通気性、保水性に優れ植物の生育に適した培養土です。天然有機物がまんべんなく成分が配合され、植物がいきいきと育ちます。
ゆっくり長く効果が持続。植物の生育を助ける
植物の植えつけ、植え替え時に混ぜるだけでOK。1度混ぜ込めば1年間効果が持続します。根に直接触れても肥料やけの心配もありません。植物の生育を助け、花つきを良くします。
いろいろな植物の害虫退治に。園芸用殺虫剤
アブラムシ類やハマキムシ類など、広範囲の害虫に効果がある代表的な園芸用殺虫剤で、用途に合わせて水で薄めて使用します。
壁やトレリスに誘引しても素敵なアブチロン
冬に葉が全部落ちて株が生きているかどうか不安な時は、枝の先端を剪定してみてください。
枝の断面が緑がかっているようなら大丈夫。
株は生きていますので時々水やりを行い、5月頃まで待ちましょう。
もう一度、枝を伸ばし花芽をつけてくれるはずですよ。
半ツル性の品種は壁やトレリスなどに誘引すると一面に花が咲いて見事な景観を楽しめます。
是非、誘引して庭を素敵に彩ってみてくださいね。