自宅でしいたけ栽培はできる?簡単にしいたけを育てられる方法とコツをご紹介!
原木にシイタケ菌を植菌する原木栽培や菌床栽培で育てるしいたけ。実は、しいたけ栽培キットをつかえば、自宅でも手軽に収穫ができるのをご存じですか。簡単に育てられる「家庭用菌床栽培キット」はどこで買う?栽培手順や置き場所は?など、しいたけ栽培の疑問を解決しましょう。
目次
しいたけとは?
栄養素:エリタデニン、ビタミンD、食物繊維など
旬:春(3~5月)・秋(9~11月)の2回
しいたけはシイ・クヌギなどの枯れ木や切り株に自生します。
また、しいたけには多くの栄養素があることで知られています。
血液がサラサラになる「エリタデニン」、骨や歯を丈夫にする「ビタミンD」、お通じに悩む人の味方である「食物繊維」。
ほかにも、ビタミンB1やB2、βグルカンなど大切な栄養素が多く含まれています。
しいたけの栽培方法
しいたけの栽培方法には、大きく分けて2種類あります。
・原木栽培
・菌床栽培
これから、詳しく紹介していきます。
原木栽培
植え付ける木の種類は、クヌギ・コナラ・ミズナラをはじめ、カシ・シイ類も可能となります。
原木栽培の流れをご紹介します。
1.種駒に合ったサイズのキリやドリルを使用して、原木に穴あけをします。
2.あいた穴に種駒を差し込んでいきます。
打ち込み方は、ハンマーで表面が平らになるようにします。
種駒は余っても翌年使用することはできません。
そのため、もしも余ってしまったら、余分に穴をあけて使い切ってしまいましょう。
3.植菌した原木は仮伏せします。
菌糸の活着のために、ほだ木を横積みにします。
場所は、日当たりの良い林やハウス内が良いでしょう。
4.仮伏せのあとは本伏せです。
種駒の場合、打ち込んだ部分が白く発菌します。
形成菌は、木口に菌糸紋が表れる頃が目安です。
伏せ込み場としては、直射日光が当たらず雨風にさらされる排水の良い場所が良いでしょう。
原木栽培はハードルが高い方には、自宅で育てることのできる菌床栽培がおすすめです。
菌床栽培(栽培キット)
「家庭用菌床栽培キット」は、おがくずと菌がセットになっている状態で自宅に届きます。
菌床栽培キットのおすすめ理由は、簡単で手間がかからない・室内で育てられるのがポイントです。
さらに、においが気にならないうえに短期間で収穫可能な点が、初心者にも簡単に栽培できるでしょう。
失敗の少ない「家庭用菌床栽培キット」からはじめ、慣れてきたころから原木栽培に挑戦してみると良さそうです。
どこで売っている?
またネットでは、楽天市場やYahooショッピングなどのオンラインショッピングで購入することが可能です。
手軽に栽培キットが購入できるという点からみても、しいたけ栽培はおすすめです。
インテリアのジャマにもならない栽培キット
簡単に収穫可能な栽培キット
農薬などを使用しない安心栽培キット
岩手で作った しいたけ栽培セット
農薬などを使用していないので、安心して食べられるのも魅力です。
しいたけ栽培キットを使った栽培方法
1. 浸水
2. 発芽
3. 収穫
4. 休養(2~3週間ほど)
5. うまくいけば2巡目
さらに詳しくみていきましょう。
浸水(水に浸す)
このおがくずのなかには、しいたけ菌が植え付けられています。
栽培手順として、最初にやるべきことは、浸水です。
おがくずを水に浸していきます。
水洗いするような感覚で、優しく撫でるように表面を濡らしていきます。
そして、およそ30分間放置しましょう。
夏季はバケツや桶で水に浸した方が育ちやすくなります。
こうした流れの作業を行うことで、おがくずのなかの菌が刺激されることとなり、発芽を誘発するのです。
置き場所とお手入れ
気温は18~23℃(栽培キット推奨の温度を採用)し、室内の気温が高い場合には屋外へ、朝は室内に入れて育てると良いでしょう。
直射日光を避けること・高温はNGとなります。
多湿で薄暗い場所がおすすめです。
また、購入時にビニール袋に覆われている状態で自宅に届くものがほとんどなので、気温・湿度を保つ、乾燥を防ぐためにも、容器を有効に活用しましょう。
●水やり
水やりなどの管理の仕方は、とっても簡単です。
1日に2回程度、霧吹きで水をかけておがくず表面が乾燥しないように、湿らせた状態を維持するようにしましょう。
乾燥を防ぐために、ビニール袋をかけておくのがポイントです。
また、1日に2回程度の霧吹きを多いと感じるようであれば、1,2日おきでも構いません。
10秒間程度霧吹きで水をかけてあげるのがおすすめです。
●間引き
数日でどんどんしいたけが生えてくると、うれしく感じるものでしょう。
ただし、大量にしいたけが発育されている状態のまま放置していると、しいたけのサイズが小さくなってしまうことも考えられます。
大きめなしいたけを育てたい場合には、小さくて弱っている芽や柔らかい芽は取り除いていくことで、立派なしいたけが育つようになるでしょう。
収穫
だいたい、キットの設置から5日~2週間程度を目安として収穫できることがほとんどでしょう。
●収穫の視覚的な目安
・傘が開く(傘が6~7分開きが採りごろ)
・裏側にヒダがあるので、ヒダの膜がきれたら
栽培キット(菌床)は柔らかく、手でもぎ取ってしまうと傷がついてしまうために、ハサミで収穫していきます。
茎の根元をハサミで切り落としましょう。
柄の一部から傷んでしまうため、収穫の際には柄もすべて切り落とします。
収穫時期を逃すと胞子を飛ばす可能性もあるため、時期を逃すことなく見極めましょう。
何回収穫できる?
もちろん、環境や栽培方法にもよりますので、確実というわけではありません。
基本的には、2~3週間の休養期間をあければ、2回目・3回目の収穫にも挑戦することも可能ですので、ぜひ1回であきらめることなく、続けてチャレンジしていきましょう。
栽培環境や手順を守れば、複数の収穫をたのしむことができそうです。
しいたけ栽培での失敗
それは、白いカビや青いカビの発生です。
カビが生えてしまう原因としては、
1. 湿度の発生
2. 温度管理
3. 栄養状態
などです。
白いカビの場合は、おそらくは胞子であるため、もう少し早めに収穫することを心がけましょう。
青いカビの場合は、適切な温度・湿度管理を徹底して行うように心がけましょう。
青いカビが生えてしまった場合の対処方法としては、
・乾燥させすぎずにある程度の過湿をキープすること。
・13~18℃の寒さの場所で管理すること。
・カビの栄養となる部分は取り除くこと。
カビは一度発生してしまうと、根付いた菌糸を取り除くことが難しいため、普段から「カビを生えさせない」ように注意することがとても大切です。
もっとしいたけを収穫したい方に
しいたけの栽培キットで、手軽に栽培するだけでは物足りなくなってしまったときには、本格的な原木栽培を始めてみてはいかがでしょうか。
実は、菌床栽培で作られたしいたけと原木栽培で作られたしいたけは見た目も味もまったくの別物なのです。
原木栽培では、自然のなかで2年という歳月をかけて菌糸を這い巡らせ、春・秋、また気候条件によりしいたけが自然発生します。
つまりは、正真正銘の無農薬栽培なのです。
適度に水を与えることはありますが、それでも人工的な養分を与えて育てるといったことは一切ありません。
原木栽培で作られた「原木しいたけ」は、自然そのままの食材であるために安心して食べることができます。
また、「菌床しいたけ」は光沢がなく薄い茶色なのに比べて、「原木しいたけ」は光沢があり艶やかな茶褐色。
風味・香り・肉厚さの三点セットを備えています。
しいたけが苦手だという方も多いかもしれませんが、そうした方は、もしかしたら今まで「菌床しいたけ」しか食したことがないのかもしれません。
機械があれば、ぜひ「原木しいたけ」を栽培して食べさせてあげるといいですね。
原木栽培のもととなる原木は、ネットでも気軽に購入することができますので、もっとしいたけ栽培に挑戦してみたい!という方は試してみてくださいね。
原木からはじめる栽培キット
自慢のしいたけをつかって美味しい料理に
特に、春と秋の旬の時期には様々な料理を試してその美味しさを味わいたいものですね。
●おすすめしたい料理
・鶏つくねのしいたけ肉詰め
鶏つくねに、みじん切りにしたしいたけをふんだんに混ぜ込む料理はいかがでしょうか。
レシピもとても簡単ですし、何よりしいたけを存分に味わうことができますよ。
・しいたけのガーリックバター醤油
一口を口に入れただけで、にんにくとバターの風味が口のなかいっぱいに広がります。
ごはんが進むだけでなく、お弁当のおかずとしてやお酒のおつまみにも持って来いの優れものです。
・しいたけのトースター焼き
しいたけ本来のうまみをそのまま味わうためにも、シンプルにトースターで焼いてみてはいかがでしょうか。
焼きあがったしいたけからは、ほんのりとしいたけの香りが漂ってきて、食欲をそそります。
自分で育てたからこそ、その味をそのまま味わいたいものですね。
今夜のおかず、と言わずに、毎日のおかずにぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
栽培キットで収穫したしいたけは、スーパーで購入するよりもおいしいといいます。
家族でたのしみながら栽培、収穫するのも素敵ですね。