チューリップの育て方は?球根の植え付け時期や水やり、肥料や用土など鉢植えもできるチューリップの栽培方法をご紹介
春に咲きほこる、球根植物の代表格ともいえるチューリップ。品種により、開花期間や色などさまざまです。今回は、チューリップを球根から育てるときに適した培養土選びや水やりなどの管理方法、鉢植えの場合におすすめのプランターや置き場所、植え付けの方法などをご紹介します。
目次
チューリップとはどんな花?
世界中で人気のあるチューリップは、シンプルな葉を持ち、可愛らしい花を咲かせる球根植物です。
品種が大変豊富で、現在では5000を超える品種が登録されています。
品種により異なる開花期は、大きく分けて次の4つに分類されます。
■早生種
品種によりずれはありますが、通常3月下旬から4月上旬にかけて開花します。
■中生種
4月下旬に開花します。豊富なカラーバリエーションが特徴で、庭などに植えるチューリップの大半が中生種の場合が多いでしょう。
■晩生種
主に4月下旬から5月上旬にかけて開花します。
色のみならず形も豊富で、さまざまな品種があります。
■原種
園芸品種ように品種改良を重ねてきたチューリップと違い、野生種に近い品種のものをいいます。ほかの3種に比べ、開花時期は、4月上旬から5月上旬と幅があります。
チューリップの開花に地域差はある?
桜の開花時期が東京と北海道で違うように、チューリップにも開花のタイミングに違いがあります。
育てる環境にもよりますが、暖かくなるタイミングが遅い場所では、開花の時期も遅くなるなどの地域差があります。
チューリップを植えるタイミングは?
植えるタイミングは10月中旬から12月中旬となりますが、地域によっても適する時期に差があります。
そのため、ちょうど「紅葉の時期」が、植え付け期に適した一つの目安となります。
遅くても年内には植え付けを終わらせましょう。
春に開花するためには、球根に一定期間の低温状態が必要になります。
冬の間に低温の環境にいることで、花芽は開花の準備をします。
そして暖かくなった春に花芽が一気に伸び、花を咲かせます。
チューリップの球根の選び方
チューリップの球根は、ネットに入れられた状態で売られていることが多いため、状態を確認しやすいでしょう。
球根を選ぶときは、傷やカビが無いもの、病原菌などが原因の斑点や変色が無いなど、表面がきれいなものを選びましょう。
また、球根を裏返して根が生えていないかどうかもチェックし、もし生えているようであれば避けるようにしましょう。
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チューリップの植え方
球根を植える向き
チューリップの球根の形は玉ねぎに似ていて、上下があります。
先のとがった部分が上となり、ここから花茎が伸びてきます。
土に植えるときは、とがった部分を上にします。
植える深さや間隔
球根を植える土の深さは、球根の約2個分とします。
また、球根同士の間隔も約2個分あけましょう。
小さな球根の場合は1個分でOKです。
次の年に球根をとることを目的にしていなくて、開花時の見栄えを重視したい場合は密植してもかまいません。
ただ、球根は根を傷めてしまうと生えてこなくなるため、無理に土へ押し込まずに優しく植えてあげましょう。
プランターに植えるときの手順
プランターに球根を植え付けるときは、次の手順でおこないましょう。
1.プランターの底に鉢底ネットを敷き「鉢底石」を入れる。
プランターの底に開いている水はけ用の穴から底石が落ちてしまわないよう、鉢底ネットを敷き、その上に鉢底石を投入します。
鉢底石は、プランターの深さの1/5程度が目安です。
投入したら、表面を平らに整えます。
2.培養土を入れる
プランターいっぱいに、まんべんなく培養土を入れます。
市販の園芸用培養土には、あらかじめ球根の育成に必要な元肥などが配合されているので、そのまま使うことができます。
培養土を投入し終えたら、表面がなだらかになるよう整えましょう。
3.球根の植え付け
整えた培養土に球根を植え付けていきます。
植え付ける前に、あらかじめ植え付ける球根の数を決めておきましょう。
チューリップの種類にもよりますが、7号鉢で8球ほど、65cmのプランターで20球程度を目安とします。
このとき、プランターの形に合わせて球根の配置をすると開花した際の見栄えが良くなります。
丸形のプランターであれば、中心にひとつ植え、その周りを取り囲むよう円形に、長方形のプランターなら、直線で2列に植えてみましょう。
植える数を決めたら、球根を植える深さや間隔、向きに注意しながら優しく植えていきます。
4.土をかぶせる
球根を植え終えたら、上から土をかぶせます。
このとき、土の量は多くせず、そっと覆う程度でOKです。
5.水やりをして完成
最後は、じょうろで全体的に水やりをして完成です。
その後は、土の表面が乾いたらその都度たっぷりと水を上げるようにして、春の開花を待ちましょう。
チューリップ栽培におすすめのプランター
チューリップ栽培に最適の標準プランター
チューリップの栽培に適した、65cm標準タイプのプランターです。
プランターの底にはあらかじめスノコが敷いてあり、さらにスノコの下の鉢本体にも横長の穴が開いていて、とても通気性の良い構造になっています。
プランターは2個セットで、色はダークグリーンのほかにダークブラウンから選ぶことができます。
初めてチューリップを栽培する方にもおすすめのプランターです。
スリムな奥行きで狭い場所でも置きやすい
奥行きが狭く、限られたスペースでも置くことができるプランターです。
プランターはスリムでありながら、球根植物が根を張るのに十分な深さがあるので、チューリップの栽培にもぴったり!
こちらのディーププランター450型では、6~8個の球根を植えられます。
色はダークブラウンのほかにホワイトがあります。
育てたいチューリップの花の色に合わせてコーディネートしてみてはいかがでしょうか。
陶器風の見た目で明るいお庭を演出
アンティーク風な見た目がおしゃれなファイバーストーンのプランターです。
ファイバーストーンとは、ガラス繊維や樹脂、石粉を原料として表面を装飾したものです。
陶器のような見た目ながら実際の陶器よりも軽く、破損しにくい材質なのも嬉しいですね。
パッと目を惹く鉢で華やかに!
鮮やかな色使いが目をひく、メキシコ風フラワーが手書きされた鉢です。
色とりどりのチューリップと合わせれば、お庭はさらに華やかに!
いつもとちょっと違うタイプの鉢を探している方におすすめです。
チューリップの育て方
秋の紅葉の時期に球根を植え付けると良いチューリップ。
植え付けするときに注意したいポイントや、育て方をご紹介します。
基本的な生育サイクル
植え付け期:10月中旬~12月中旬
開花期:3月下旬~5月上旬(開花期間は1~2週間)
※関東地方以西基準
置き場所
水はけが良く、日当たりのいい場所を選びましょう。
水やり
鉢植えの場合は、鉢の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。
地植えの場合は、植え付け時に水を与えたら、あとは自然の雨に任せても問題ありません。
案外、手間がかからないのが球根の特徴でもあります。
栽培のポイント
市販されている球根用の培養土や、水はけがスムーズで有機質が豊富な土を選びましょう。
また、チューリップの球根は途中で植え替えることがないので、庭に植え付ける場合はあらかじめ日当たりと水はけの良い場所を選んでおきます。
植え付ける2~3週間前には、堆肥と苦土石灰をよくすき込んでおきましょう。
また、水はけが悪いと球根が腐ってしまうことがあるので、連作はなるべく避けた方がいいでしょう。
追肥には、緩効性の肥料を「植え付ける前と12月中旬」に与えます。
きれいな花を咲かせたあとにお礼肥をあげるのはNG。
新しい球根が土中で腐りやすくなってしまいます。
病害虫
害虫:アブラムシ
病気:カイヨウ病、褐色斑点病、モザイク病
チューリップを育てるために必要な用土、肥料、薬剤
この土があればOK! チューリップの生育に必要な肥料入り
球根栽培に適した、排水性の良い土です。
初期生育を助ける有機元肥入りで、ほかの球根植物との寄せ植えにも最適です。
球根の成長を助け、花付きを良くする肥料
花付きを良くするリン酸成分と、ゆっくり長く効く有機配合肥料のダブルのパワーで、チューリップの球根の成長を助けます。
葉にスプレーするだけ! 殺虫&殺菌効果が持続
アブラムシ類や褐色斑点病に、1本で殺虫と殺菌の効果があります。
希釈せずそのまま葉にスプレーするだけで効果が持続します。
チューリップの切り花
かわいらしいチューリップを部屋に飾ると、それだけでも明るい雰囲気になりますね。
プランターや庭で大事に育てたチューリップを切り花にする際に、できるだけ長持ちさせることができるような方法をご紹介します。
切り花にするチューリップの選び方
部屋で長く鑑賞するためには、まだ花が開いておらず、つぼみにもしっかりと色が付いていない若いチューリップを選びましょう。
若いチューリップを切り花にして飾ると、2~3日で花が開き、その後もしばらくは楽しめます。
なお、チューリップを切るときは、なるべく地面から近い部分を切ります。
茎の先端は斜めにカット
チューリップが吸水しやすくなるように、茎の先端を斜めにカットします。
カットする位置の目安としては、茎の端から5ミリ程度のところです。
茎の下の方にある葉を取り除く
花瓶に生けたときに、水に浸かってしまう位置にある葉は取り除きましょう。
葉が腐ると、花が早くしおれてしまう原因となります。
高さのある花瓶を使う
チューリップを浅い花瓶に生けると茎を支えきれず、次第に曲がってきてしまいます。
チューリップを花瓶に生けるときは、チューリップの半分以上の高さがあるものを選びましょう。
花瓶の水は枯らさずに
チューリップは、大量の水を吸収します。
いつも清潔な水を絶やすことなくたっぷりと入れてあげましょう。
チューリップの球根は植えっぱなしで良いの?
球根を植えっぱなしにしておけば、来年も花を咲かせるという話をきいたことがある方もいるかもしれませんが、実際にはどうなのでしょうか。
実際には、同じ球根で翌年も花を咲かせるのは難しい場合が多いようです。
とくに、関東地方から南の地域は、花が咲いたあと気温が急激に上がり、球根が十分に太る前に葉が枯れてしまうためです。
原種のチューリップであれば、植えっぱなしでも毎年開花する可能性がありますが、もし確実に咲かせたいということであれば、毎年球根を購入することをおすすめします。
もし同じ球根から翌年も咲かせたい場合は、次の方法で球根を保管・管理してみましょう。
咲き終わりの球根の保管方法
花がしおれてきたと感じたら、できるだけ早いうちに花を切り取ります。
こうすることで、枯れていく花に栄養分が使われることを防ぎ、その分の栄養を球根に残すことができます。
チューリップの多くが6月頃にはしおれてくるので、その前に茎を切り取りましょう。
切り取るタイミングが早いほど球根に栄養がまわり、翌年に花が咲きやすくなります。
球根を掘り上げるのは葉が枯れてから
花を切り取ったあとも、葉や茎は球根に栄養を届けるために光合成をします。
この役割を終えると、葉は徐々に黄色くなり枯れていきます。
球根を掘り上げるのはこのタイミングです。
球根に傷をつけないよう優しく掘り上げて土を落とし、目が粗いネットに入れて翌年まで保管します。
保管場所は、日陰で風通しが良く、雨の当たらない場所が良いでしょう。
寄せ植えも楽しめるチューリップ
寄せ植えにしても見栄えがするチューリップ。
育て方に慣れてきたら、花壇や鉢植えで寄せ植えを楽しむのも良いでしょう。
寄せ植えをする際、背丈が低い花を選ぶとチューリップを主役にとして目立たせることができます。
ビオラやパンジー、ムスカリなどが寄せ植えによく使われています。
チューリップの種類紹介
種類が豊富なチューリップ。
ここでは、早生種・中生種・晩生種・原種の4つの種類に分けてご紹介します。
早生種
■アプリコット・ビューティー
淡いアプリコット色が春らしく、優しい色合いのチューリップです。
小さめの花が比較的多い早生種ですが、アプリコット・ビューティーはそのなかでも、開花するとボリューム感があります。
■クリスマス・ドーム
草丈は約20~25cm。可憐で優しいピンク色と、緑色の葉とのコントラストがとても美しい品種です。
中生種
■ネグリタ
落ち着いた赤紫色の花を咲かせます。
花は大きく開き、ボリューム感があります。
■ホワイトドリーム
名前の通り、真っ白い花を咲かせるチューリップです。
形もたまご型で愛らしい印象です。
■スプリング・ソング
「赤いチューリップ」の定番ともいえるスプリング・ソング。
鮮やかな赤い色がきれいな品種です。
晩生種
■ファンシー・フリル
晩生種は大きく分けて7つのタイプにわかれますが、その中で「フリンジ咲き」といわれる品種に分類されるチューリップです。
花びらのフチがギザギザとしていて、細かい切れ込みが入った独特な形をしています。
■バラード
花の形がユリに似ていることから「ユリ咲き」という品種に分類されるチューリップです。
花びらの先がとがっていて長く、外側に反った状態で咲きます。
シャープな印象を与える品種です。
■アンジェリーケ
八重咲で華やかな印象のチューリップです。
優しく淡いピンク色をしていて、切り花としても人気があります。
原種
■ホンキートンク
明るい黄色のチューリップで、花の形は少し細長くなっているのが特徴です。
花が咲き進むと、花びらが黄色からうっすらピンク色に染まっていきます。
■ライラックワンダー
薄いピンクの花びらで、花の中心の部分は黄色くなっているとても可愛らしいチューリップです。
自分で育てたチューリップと一緒に春を迎えよう
球根の植えつけのタイミングは、紅葉の時期です。
秋に植え付けをし、厳しい冬の寒さに耐えて開花するチューリップとともに、春を迎えてみませんか?
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