モロヘイヤの栽培方法は?簡単においしいモロヘイヤが収穫できる栽培のコツをご紹介!
「夏野菜の王様」と呼ばれる栄養価の高いモロヘイヤ。野菜用培養土があればプランターや畑で植え付けでき、熱帯地方原産なので冬越しせず花を付けるまで長く収穫できます。化成肥料も少なく害虫トラブルも少ないので、家庭菜園初心者さんでも栽培しやすくおすすめです。
目次
モロヘイヤって?
植物名・和名:モロヘイヤ
学名:Corchorus olitorius
英名:Nalta jute
科名:シナノキ科
属名:コルコルス属
原産地:北アフリカ原産・中近東
栄養価が非常に高く、古代エジプトでは不治の病を患っていた王様がモロヘイヤスープを飲んで回復したという理由から、モロヘイヤという名前は「王家のもの」という意味があります。
好む気候が高温や乾燥とあって、「野菜の王様」とよばれるほど夏にはピッタリの緑黄色野菜です。
ネバネバ野菜の代表格で粘りが特徴のモロヘイヤ。
ネバネバには胃腸や目を保護する働きもあるそう。
そんなモロヘイヤは病害虫に強いため、連鎖障害もあまり起きないのでコンパニオンプランツもしやすく、風通しの良い場所で行う家庭菜園では初心者でも育てやすい野菜となります。
アオイ科のモロヘイヤに適しているコンパニオンプランツは、「バジル・ニラ」の野菜類や、「ペチュニア・マリーゴールド」のお花がおすすめです。
熱帯で栽培されていたモロヘイヤの旬の時期は6~9月なので、寒さにはかなり弱く耐寒性がないので越冬はできません。
そして、モロヘイヤには黄色い花をつけた後にさやをつけますが、さやと種には「ストロファンチジン」という有毒物質が含まれているので、絶対に食べないようにしてください。
誤って摂取してしまうと下痢や嘔吐、最悪の場合死に至ることもあるので、お子様やペットの届かないところで種の保管をしましょう。
モロヘイヤの育て方のポイント
用土
風通しがよく、日当たりの良い場所を好むモロヘイヤは長期収穫が可能な野菜です。
何度も収穫できるので土づくりはしっかり行いましょう。
モロヘイヤに適した用土は土壌Ph5.5~6.5の、中世よりも酸性に傾いている土となっています。
プランター栽培なら大きな野菜用のプランターを用意し野菜用培養土で育てましょう。
水はけをしっかりするために、プランター底には鉢底石を置いてくださいね。
地栽培で用土を作る場合は、堆肥を入れる2週間ほど前に石灰土を土によく混ぜて中和させましょう。よく耕してから堆肥や元肥を入れてなじませてください。
野菜専用の培養土で生育を促す
ナメクジなどの虫よけ効果があります。
野菜栽培に適した有機培養土です。
植え付け
高温性のモロヘイヤの発芽適温は25℃~30℃の間になりますが、発芽気温に満たない20℃~25℃でも5日ほどで発芽します。
種まきの時期は、気温が暖かくなってくる4月~5月頃から始めていくとよいでしょう。
種は、一晩ぬるま湯で浸してから蒔くと発芽しやすくなりますよ。
・ポットで育苗する方法
1.育苗ポット(3号、9cm)に用土を8~9分目まで入れる
2.種は5、6粒ずつ蒔く
3.小さい種なのでうっすら隠れる程度の土を被せて、水をたっぷり与える
4.乾燥や寒さに弱いので、土の表面を藁や新聞紙で覆い、暖かい場所で発芽を促す
5.発芽したら新聞紙や藁は取ってもよいか、気温の低下に気を付ける
6.発芽し、双葉の芽が出て本葉が出てきて、3~4枚になったら1本立ちになるよう間引く
7.草丈が15㎝ほどになるまで育てる
8.本葉が3,4枚になったら、苗を1本ずつ植え替えのタイミング
9.本葉が5,6枚になり草丈が15㎝ほどになれば、プランターや畑に植え付けのタイミング
・プランターで育てる
60~65㎝の大きめのプランターで2~3株、鉢だと8号サイズ以上で1株を目安にしましょう。
用土は野菜用培養土で、株元の根が浅くうっすら見えるくらい植え付けます。
・畑で育てる
しっかりと用土を準備し、株間が30㎝になるようにあけて植穴を掘りましょう。
気温が上がりきらない、25℃以下の場合はポリフィルムでマルチング栽培を施して保温します。
初期発芽が遅いモロヘイヤは、育苗してからプランターや畑に植え付ける方が直播するよりも早めに発芽するのでおすすめです。
間引き
モロヘイヤがある程度育ってきたら間引きをしましょう。
間引きのタイミングと共に、何を間引き何を残すのかを判断しましょう。
1回目は本葉が3枚になった時期、2回目は本葉が5枚になった時期を目安に、2回間引きを行います。
込み入ってきたら生育の悪い株を間引きしていき、最終的には20㎝~30㎝間隔に間引きましょう。
水やり
高温や乾燥にも強く育てやすいモロヘイヤですが、乾燥させすぎには注意して水やりを行ってください。乾燥状態が続くと茎や葉が固くなってしまいます。
水やりは、土の表面が乾いたタイミングでたっぷりの量を与えてください。
特に夏場は乾燥しやすいので、多めの頻度であげましょう。
肥料
植え付けの際に用土に肥料を混ぜ込んでいることから、追肥は植え付けから最低20日以上経過してからが適しています。
苗は肥料負けしてしまうこともあるので、しっかりと根が張ったタイミングで与えてください。
月に一回もしくは2週間に一回の頻度で化成肥料を株周りに施し、薄めた液体肥料を与えます。
肥料の量が足りていないと固くなってしまうので、葉の様子を観察しましょう。
葉物野菜の強い味方
追肥に最適な液体肥料。
プロも愛用する、頼りになる肥料です。
収穫
モロヘイヤは7月ごろに収穫のタイミングを迎えます。
収穫時期の草丈は30㎝~40㎝、大きいものだと50㎝になります。
70~80㎝以上にならないように注意です。
株の柔らかい先端の葉先10㎝~20㎝が、簡単にポキッと折れるくらいだとおいしく食べられる目安になりますよ。
食べられる部分は葉の部分になります。
葉以外には毒が含まれているかもしれないので、収穫の際は注意しましょう。
また、摘芯にもなるので3枚ほど葉がついた枝先ごと摘み取ります。
摘芯をすると収穫後のわき芽も増え収穫量が増えるため、こまめに収穫すれば、かなり長い期間収穫できますよ。
花
モロヘイヤは収穫の終わりの9月ごろになると、小さくて黄色い花を咲かせます。
開花の条件として日の出・日の入り時間差が13時間より短くなってくることです。
花がついた後は収穫不能になります。
花から細長い(さや)ができ、この莢や種には猛毒が含まれているので、絶対に口に入れないようにしましょう。
触ってしまった時もすぐに手を洗うようにしてください。
また、さやを茎につけたままにしていると弾けてしまう可能性もあるので、さやが茶色になったら弾けてしまわないように取り方にも注意をしましょう。
さやが茶色になったら収穫し、紙袋に入れて風通しの良い場所で保管すると種が取れます。
種は冷暗所で保管しておきましょう。
病害虫
育てやすいモロヘイヤ栽培において気を付けるべき病害虫は、葉を食べてしますハダニやオンブバッタ、アブラムシ、イモムシ、また湿度の高い夏に発生するコガネムシです。
被害を受けてしまった葉は、見つけ次第摘み取ったり、防虫スプレーなどを利用しましょう。
・牛乳スプレー(ハダニ対策)
1.天気の良い晴れた日に行う
2.牛乳と水を混ぜたものをスプレーする
3.1日おいたら、水で流す
・唐辛子スプレー(アブラムシ対策)
1.保存瓶に10本ほどの唐辛子、200㎖のウォッカなどのアルコール度数の強いお酒を入れる
2.2週間以上熟成させる
3.熟成させた液体5㎖と、水200㎖を混ぜてスプレー噴射する
・重曹スプレー(黒星病対策)
1.食用の重曹を700倍に薄める
2.よく振って重曹を溶かす
3.葉の表裏にスプレー噴射する
※かけすぎるとモロヘイヤが痛んでしまいます
病気
病害虫のトラブルにも強く、家庭菜園初心者向けのモロヘイヤですが、モロヘイヤ黒星病というカビによる病気があります。
葉表に黒褐色の小斑ができ、多発すると落葉します。
雨が多い時期に発病することが多いので、対策としては雨よけをして、風通しを良くしておきましょう。
込み入らないようにこまめに収穫することも予防につながります。
害虫
丈夫なモロヘイヤですが、葉を食べてしまうハダニやコガネムシなどの害虫がつきやすいので注意をしましょう。
葉が込み合っているときは虫の温床になりやすいので、風通しを良くすることがポイントです。
モロヘイヤで元気になろう
夏野菜の王様モロヘイヤ。
害虫や病気にも強く、冬越しはしないため管理も簡単、家庭菜園でも育てやすいモロヘイヤにぜひ挑戦してみてください。