アカンサスの育て方 装飾のような葉で一度見たら忘れられない人気の花
1.5mと大きく育ち、遠くから眺めてもサマになるアカンサス。ほのかにワインがかる筒状の花と、造形的な大ぶりの葉はとても美しく、ガーデナーに根強い人気があります。また、アカンサスはギリシャの国花で、深い切れ込みが入った葉の形は、古代ギリシャの建築物や装飾品のモチーフ(模様・柄)として好んで使われてきたという歴史があります。それゆえ花言葉も、美しさにちなんだ「芸術」「美術」「建築」「技巧」「永遠に離れない結び目」などがつけられています。
目次
アカンサスとは?
アカンサスは、キツネノゴマ科ハアザミ属、常緑性の多年草です。
熱帯アジア・熱帯アフリカ原産の植物で、日本には大正時代に渡来したといわれています。
和名は「ハアザミ」ですが、葉にトゲはありません。
しかし、花の苞(蕾を包んでいた外側の葉)には鋭いトゲがあり、触れるととても痛いので注意してくださいね。
園芸種としては「アカンサス・モリス」が有名。
つややかな濃い緑葉は羽のような形をしていて、とても個性的。
白地に淡くワイン色を帯びる筒状の花もエキゾチックで魅惑的です。
人の背丈ほどに大きく育ち、大株に育てると見映えがするので、花壇のフォーカルポイントにもぴったり!
アカンサスがあれば、洋風の雰囲気をカンタンにつくることができますよ。
「アカンサス・モリス」の種類の中にも葉が黄色っぽい「ホーランズ・ゴールド」、萼が緑色の「アルバ」など、さまざまな品種があるので、園芸店やネット通販などで、お気に入りを探すのも楽しいですよ。
一方、庭が小さい場合や植える場所が少ない場合は、小型種の「アカンサス・スピノサス」がおススメ。
比較的コンパクトに育つため、コンテナ栽培でも楽しめます。
アカンサスの育て方と栽培のポイント
基本的な生育のサイクル
開花期:6月中旬~8月中旬
植えつけ・植え替え期:3月中旬~5月中旬、9月中旬~11月中旬
置き場所
アカンサスは耐寒性、耐暑性、乾燥に強く、日当たりでも日陰でも育ちます。
花つきをよくしたい場合は、木もれ日が当たる場所(日なた~半日陰)に植えるとよいでしょう。
水やり
鉢植えの場合、極端に乾かさなければ、水やりは控えめで大丈夫。
乾き具合を見ながら、葉がしおれない程度に与えましょう。
地植えの場合の水やりは不要です。
水はけが悪いと根腐れを起こしやすいので要注意。
栽培のポイント
常緑のアカンサスは一年中、美しい葉が鑑賞できます。
ツヤツヤとした葉は、草丈が90㎝~1.5m、葉の幅も約5㎝と大きめ。
地際から勢いよく伸びて茂るので、存在感抜群!
葉だけでも鑑賞の価値があります。
初夏に葉の中心から花茎を伸ばし、下から上へと白~薄ピンク~薄紫色の花を次々と咲かせます。
春にタネをまいて育てれば3~4年後に花が咲きますが、初心者は苗を植えつけた方がすぐに花を楽しめるのでおススメ。
植えつけ適期は春と秋ですが、一年中、植えつけることも可能。
大きく育つので、ある程度、広い場所に植えつけましょう。
植えつけ後の管理は、花がらや枯れ葉を取り除く程度でOK。
4~5年そのまま植えっぱなしにしても育ちます。手がかからず、美しい花や葉を楽しめるのもアカンサスの大きな魅力ですね。
主な病害虫
害虫:ネコブセンチュウ類
病気:特になし
アカンサス栽培におすすめの用土、肥料、薬剤とは
初期育成に必要な栄養素がはいった有機培養土
元肥入りでいろいろな植物に手軽に使用できます。
赤玉土や鹿沼土、バーク堆肥をほどよく混合し、保水性と排水性の高い培養土は、鉢植えにもぴったりです。
すべての成分を1粒に。むらなくまける
3~4カ月に一度、ばらまくだけでOK。
植物を元気に育てるための栄養素がバランスよく配合され、マグネシウム・カルシウム・イオウ・鉄など微量要素もプラス。
いろいろな植物の花色・葉色を美しく育てます。
ネコブセンチュウ退治には
センチュウの種類を問わず効果的。
長期間残効性があるので、一度使用すれば成分が拡散して安定した効果がある土壌消毒剤です。
葉模様が美しい装飾花アカンサス
アカンサスの葉模様は「アカンサス文様」とも呼ばれ、一万円札や賞状の縁のデザインにも用いられています。
昔から珍重され、人々の心を惹きつけてきたことが分かりますね。
昔と今をつなぐ装飾花、アカンサスを自宅で育てて眺め、思いを馳せてみてはいかが?
初心者でも育てやすくおすすめ。
大きく育てて庭にポイントに。