ゴーヤの育て方は?収穫時期や水やりなどプランターで育てられるゴーヤの栽培方法
家庭菜園で簡単に栽培できる野菜として人気のゴーヤ。最近は自宅のベランダなどで、支柱とネットにつるを這わせてグリーンカーテンとして楽しんでいる家庭も増えました。今回、プランターや土、肥料の選び方、苗の植付け時期や水やり、収穫などゴーヤの育て方を紹介します。
目次
ゴーヤ(ニガウリ)とは?
学名:Momordica charantia L.
別名:ニガウリ
英名:Balsam pear
科名:ウリ科
属名:ツルレイシ属
原産国:東インド
ゴーヤは別名ニガウリ、ツルレイシとも呼ばれます。
もともと東アジアが原産で、日本では沖縄の伝統野菜として昔からよく食べられていました。
ゴーヤチャンプルーなどの沖縄料理がブームになった影響で日本国内に広まり、今では身近な野菜として親しまれています。
豊富な栄養素
ゴーヤはビタミンCをはじめ、カリウムやカロテンを多く含み、栄養的に優れているのが特徴です。
また、独特の苦み成分であるモモルデシンが胃液の分泌を促し、食欲を増進させてくれたり、夏バテ防止にひと役かってくれたりします。
家庭菜園の栽培におすすめ
沖縄で栽培が盛んなことから、ゴーヤは暑さに強く、夏の間も生育旺盛な野菜です。
そのため、あまり手間のかからない夏野菜の中でも特に簡単で育てやすく、家庭菜園の栽培に適しています。
また、日光が大好きで、つるが長く伸びて葉をたくさんつけるため、プランターをつかって庭先やベランダで日よけ代わりのグリーンカーテンとして楽しむ家庭も増えてきました。
家庭菜園で栽培する場合、高温を好む南国生まれの野菜なため、暑い時期に生長します。
ゴーヤの植え付け時期は4月中旬~6月初旬ごろ、7月初旬から10月初旬にかけて、秋を迎える時期に収穫します。
ゴーヤ(ニガウリ)の育て方をご紹介
栽培スケジュール
種まき時期:4月
植え付け時期:5月
収穫時期:7月下旬~10月上旬
ゴーヤ(ニガウリ)栽培に必要なものとは?
ゴーヤをプランター栽培する時に必要なアイテムは以下の通りです。
・プランター…ゴーヤはウリ科の植物なので、比較的根を浅く広く張って成長します。
そのため、プランターは根が横に広がりやすい、大きめのものを用意するのがポイントです。
・支柱・ネット…ゴーヤのグリーンカーテンづくりに役立ちます。
支柱とネットが一体化したタイプは設置が簡単で倒れにくいので、マンションのベランダにもおすすめです。
・土…野菜用の培養土を用意します。
鉢底石をプランターの底に敷いて、排水性をよくしましょう。
・肥料…牛糞堆肥、ゆっくりと効く化学肥料を植え付け時に土に混ぜます。
植付けた後、2週間に1回程度の割合で野菜用の液体肥料を与えます。
また、幼い苗をウリノメイガが食べてしまうこともあるので、害虫退治の薬剤を定期的に散布して防ぐことも大事です。
・ゴーヤの苗選びのポイント
ゴーヤの育て方は種まきと苗植えがありますが、種の場合だと時間や手間がかかるため、
家庭菜園初心者の方は苗植えがおすすめです。
ゴーヤの苗は4月下旬ごろ、園芸店やホームセンターなどに並びます。
丈夫に育てるためには、茎にある節と節の間が間延びしておらず、太くてしっかりしているものを選びましょう。
また本葉が3,4枚ほどにまで成長している苗が好ましいです。
葉の裏や茎をよく見て、虫が付いていないかということもしっかり確認してください。
水やりの管理が簡単にできる底面給水プランター
水枯れしにくく、毎日の水やりも簡単に行える底面給水タイプ。
大きなスリットで通気性と排水性を確保し、根腐れの心配がないので、夏の暑い期間や旅行時の栽培管理にも安心できます。
節電対策にもおすすめ!グリーンカーテン用ネット
支柱付きのネットなので設置が簡単です。
ゴーヤをはじめとした、つる性植物の栽培にピッタリ。
部屋の温度を下げる効果が期待でき、エアコンなどの節電対策にも役立ちます。
一粒一粒に栄養成分が配合された粒状培養土
保肥性・排水性のバランスが良い団粒構造の培養土です。
土に混ぜなくても、そのまま植えつけることができます。
実つきをよくするリン酸配合肥料
まきやすい粒状タイプの肥料。
リン酸成分を多く配合し、ゴーヤの生長を助けて、花つきや実つきを多くします。
美味しさをアップさせる有機質由来のアミノ酸と微量要素も配合されています。
すばやく効く!葉裏の害虫にも効く便利な薬剤
浸透移行性のため葉の裏側まで成分が行き渡り、殺虫効果を発揮。
事前散布で病気が予防でき、病気が発生した後も治療として使えて便利です。
ゴーヤ(ニガウリ)の育て方!栽培場所や植付けの方法は?
初心者でも挑戦しやすい、簡単なゴーヤの育て方について紹介していきます。
栽培する場所
日当たりがあり、風通しのよい場所にネットを張り、つるを這わせて育てます。
日陰だと花が咲きにくくなったり、実の成長に悪影響が出る恐れがあります。
マンションのベランダで栽培する場合、室外機の風が当ってしまうと、
熱風で土が乾燥して植物が弱りやすい環境をつくってしまいます。
室外機からはできるだけ遠ざけた場所で育てるよう注意しましょう。
種まき
種から育てる場合、種まきは4月上旬から始めます。
ゴーヤの種は他の野菜の種よりも大粒で分かりやすいです。
1,1つのポットに3粒ずつ2cmぐらいの深さまで種を押し込みます。
2,土をかぶせてたっぷりと水を上げます。
3,25~30度の温度で保管します。
4,本葉が2枚になったら、間引きして1つずつ育てます。
5,本葉が2-3枚になり、茎もしっかりしてきたら定植できます。
植付け方
ゴーヤはもともと、南国原産の野菜なので、充分に温かくなってから植付けします。
気温が20~25度になったころが目安でしょう。
1.土づくり
まず、土作りから始めます。野菜用の培養土、または赤玉土4、腐葉土4:堆肥2の割合で混ぜ込んだ土を使います。
ゴーヤの苗は植付け前に水を入れたバケツに浸しておいてください。
2.植え付け
大型で底の深いプランターに1~2苗、深型スリット鉢の場合は1苗を目安に植えましょう。
排水性をよくするため鉢底石を鉢底に敷き、容器の縁から約2cmのところまで土を入れるのがポイントです。
30㎝程度の間隔で土に苗と同じ大きさの穴を開け、
手で軽く苗を抑えながら根鉢を崩さないよう植付けます。
培養土を使う場合、肥料は不要ですが、それ以外の土は牛糞堆肥や緩効性の化学肥料をよく混ぜ込んでください。
苗の周りの土を少し凹ませしょう。
水やりの際にこの部分に水が溜まり、苗に浸透しやすくなります。
3.仕立て
小さめの支柱を苗の隣に立てて、風で茎が折れたり倒れたりしないよう、
麻ひもなどで誘引しましょう。きつく縛り過ぎないよう注意。
4.水やり
植えたばかりの苗は土に活着するまで、少し時間がかかってしまいます。
苗の根を乾燥させないために植付けから1週間くらいはたっぷりと水を与えるのがポイントです。
水やりや支柱立て・誘引のポイントは?
日頃の水やり
生育が旺盛であり、葉が多い野菜なだけに水は欠かかさないのが大切です。
基本的に雨の日以外は水やりをするようにしましょう。
土が乾燥していたら朝夕、しっかりと水を与えてください。
特に収穫最盛期は多くの水分を必要とするので、定期的に水やりをして乾燥させないよう心掛けてくださいね。
支柱立てのタイミングや誘引のコツ
つる性の植物は近くにあるものに自分でつるを伸ばして巻き付き成長します。
そのため、苗の植え付け時に麻ひもなどで茎を支柱に縛って固定してください。
グリーンカーテン
暑い夏を乗り切るためにも、日よけとして人気のグリーンカーテン。
ゴーヤでグリーンカーテンにする場合、実の数が多くなると重みで倒れてしまう場合があるので、しっかりネットに絡ませましょう。
ラティスに絡める、またフックなどを利用して壁や天井にネットを掛け、カーテンの下地をつくります。
ゴーヤの増やし方!摘心や追肥、受粉・結実について
摘心
ゴーヤの実をたくさん収穫したいときは生長したツルの先端を2回切り取ります。
この作業を「摘心」と言いますが、ツルの伸びる範囲を上だけではなく、横へ広げることによって、実が付きやすくなります。
1回目の摘心は本葉が6~7枚出てきたタイミングで行ないます。
親づるの先端を園芸ハサミやカッターで切落し、本葉を4~5枚残して置きましょう。
1回目の摘心後、また子づるが伸びてくるので、上に付いている分だけ3~4本残し、
それ以外の子づる以外のわき芽は摘み取ると良いでしょう。
つるや葉が込み合っている部分は適宜につるを切って風通しをよくしてくださいね。
反対にグリーンカーテンを楽しみたい方は摘芯は行わず、放任した方が良いでしょう。
追肥のタイミングや仕方
追肥は一番果の収穫期から開始するのが基本です。
2週間に1回与えるとされていますが、
あくまでも目安なので追肥を忘れてしまうことがあっても問題ありません。
葉が黄色くなっているなど、草勢が衰えてきたと感じたら追肥してあげてください。
受粉・結実
ゴーヤが成長してくると小さな黄色い花が咲きます。
ゴーヤの花は、雄花が先に咲き始め、しばらく経って雌花が咲くのが通常です。
そのため、雌花が咲き始める前に咲いた雄花は、次々に咲いては落ちてしまいますが心配ありません。
雌花のつけ根をよく見ると花の下に小さなゴーヤの実が付いるのが分かります。
受粉が成立すると、この小さな実が生長を始めるのです。
もし、いつまで経っても雌花が咲かない時は、株がまだ充分に生長できてないと考えられます。
この場合、つるが充分に伸びるまで雌花を全部摘み取り、実が成るのを遅らせましょう。
株の生長を促し、後からたくさんの実を収穫することが可能です。
ゴーヤの収穫時期は?
花が咲いてから25日前後で収穫期が訪れます。
ゴーヤの品種によって目安が異なりますが、実の大きさが20㎝~30㎝程になれば収穫可能です。
また、収穫する時間帯は晴れた日の午前中がおすすめ。
朝の日光がつるの切り口からの細菌感染を予防し、新鮮で甘みのある実が取れると言われています。
収穫の時期を逃してしまうと一日で熟し、黄色く変色してしまいます。
完熟したゴーヤは種の周りの赤い部分がジャムのように甘くなります。
また、黄色の実の部分は苦味が抑えられ、サラダとしてもおすすめです。
ただし、熟した実をたくさん残したままだと株が弱まってしまうので注意してください。
草勢が弱まった株は一旦すべての実を取り除いてから休ませると再び実をつけます。
ゴーヤの栽培で気をつけたい病害虫
比較的害虫に強いとされるゴーヤですが、つるや葉が込み過ぎて日光不足や風通しが悪い環境では病気にかかりやすくなってしまいます。
・つる割れ病…古い土に住みついた細菌による病気です。
5~9月ごろの温かい時期に発生しやすく、葉がしなびたりつるが割れたりするほか、全体が灰褐色になるのが特徴です。
発見したらすぐに殺菌剤を撒き、病変部分を取り除きましょう。
虫が付きにくいネギ類と一緒に植えると予防対策になります。
・つる枯れ病…病気になった枯葉がそのまま残っている、または土の中の細菌によって感染する病気です。
茎がしおれ、葉のふちに褐色の病斑が出ます。
根元にワラを敷いて、雨や水やり時の泥はねを防ぐことで感染しにくくなります。
・うどんこ病…5~7月の涼しい時期、日光不足によって引き起こされる病気です。
発病すると葉の表面に粉っぽい白斑ができるのが特徴で、株全体が生育不良になってしまいます。
病変部分があればすぐに取り除き、風通しをよくしてください。
また、窒素成分の多い肥料のやりすぎに注意することで予防できます。
・ウリノメイガの幼虫…幼い苗に成虫が卵を産み付け、幼虫が繁殖します。
食欲旺盛で、あっという間に苗を食べつくしてしまうので、見つけたらすぐに駆除しましょう。
防虫ネットを張って、成虫の侵入を防ぐのも効果的です。
また、栽培環境がよくないとカイガラムシ、ハダニなどの害虫が発生しやすくなるので、早期発見や早期防除に努めましょう。
自分でゴーヤを育てて、おいしく食べよう!
丈夫で栽培しやすいゴーヤは家庭菜園で簡単に育てることができ、収穫の喜びも楽しめます。
日当たりがよい場所で水と肥料を欠かさなければ、枯らす心配があまりないのもうれしいポイント。グリーンカーテンとしても最適ですね。
ガーデニングや野菜を育てるのが初めてという方も、この機会にゴーヤ栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。