そら豆の栽培方法は?初心者は種まきの時期に注意!プランターでも栽培できる育て方をご紹介
家庭菜園で人気のソラマメ栽培。株分けや肥料に気をつければ、種まきから収穫まで露地栽培可能な野菜です。また育苗ポットと化成肥料をつかい、プランターで育てれば手軽に栽培することができます。今回は土づくりからプランター栽培まで、初心者でも簡単な育て方をご紹介します。
目次
ソラマメの特徴
比較的育てやすく、ポットやプランター栽培にも向いているため、家庭菜園でよく栽培されている野菜のひとつです。
ソラマメの基本情報
和名/蚕豆(そらまめ)、天豆(てんまめ)
英名broad bean
原産地/地中海、西南アジア
分類/マメ科ソラマメ属
生育適温/15~20℃前後
ビールのおつまみなどでおなじみのソラマメは、マメ科ソラマメ属に分類される中央アジア、地中海沿岸が主な原産地の野菜です。
実が充実してくるとさやがふくらみ、重みで下を向きだします。
日本では完熟前の実を食べますが、外国は主に完熟した実を乾燥させ、煮豆などで食べることがほとんどです。
ソラマメにはさまざまな品種がありますが、現在スーパーで手に入るのは「一寸ソラマメ」と呼ばれる大粒種。
鮮やかな緑色が特徴で、料理の彩りとして盛り付けによく使われます。
また、最近は海外から細長いさやを持つ長莢種も入ってきており、日本各地で栽培されるようになりました。
大粒種、長莢種どちらも丈夫で育成が早いため、プランター栽培しやすい点でも人気です。
ソラマメの栽培スケジュール
ソラマメの種まきは10月~11月ごろが適期です。
ただし、関東から北の寒冷地は、2~3月に種まきをおこないます。
露地栽培が基本ですが、初心者は育苗ポットやプランター栽培で、苗から育てた方が失敗も少なくおすすめです。
種まき期:10月~11月
間引き:12月中旬
追肥:3月中旬~4月中旬
整枝・土寄せ:3月中旬
収穫:5月~6月
寒冷地の種まき
種まき:2月~3月
間引き:3月中旬~4月中旬
追肥:4月下旬~5月上旬
中耕・土寄せ:5月
収穫:6月~7月上旬
苗から育てる場合、植え付け時期は中間地11月、寒冷地は3月中旬~4月中旬に行いましょう。
ソラマメに適した環境
置き場所
プランターで栽培するなら、日当たりも風通しも良い場所に置くのがポイント。
反対に冬は軒下などに移動させ、冷風に当てないよう注意しましょう。
適温
寒さに弱く、枯れてしまうこともあるため、寒冷地では特に注意が必要です。
ソラマメの栽培方法
ここからは種まき・苗植えに適した土づくりから育て方のポイント、収穫など、ソラマメ栽培に必要な方法を詳しくご紹介していきます。
土づくり・肥料
苗を植え付ける前、苦土石灰等を混ぜ込み酸度調整することが大切です。
種まきの場合、18℃前後で発芽するため、市販の野菜用培養土を育苗ポットやプランターに入れて植え付けるとよいでしょう。
畑に地植えする場合は、堆肥や元肥を入れる約2週間前に苦土石灰を混ぜて寝かせておきます。
1点注意したいのが、ソラマメを含め、マメ科の植物は連作を嫌うこと。
過去にマメ科の植物を植えた場所で再び栽培すると、生育不良や病気の原因となるかもしれません。
連続して同じところで栽培しないためにも、植える場所には十分注意しましょう。
粒状なので手が汚れにくく使いやすい培養土
粒状態になっており、通気性や排水性に優れているのも大きな特徴。
プランター栽培や育苗ポットも手を汚さずに行えます。
水やり
ソラマメは多湿を嫌うので、その後は乾燥気味に育てましょう。
発芽してからは多湿にならないよう、土が乾いてから水やりするのがポイント。
水はけの悪い畑は水の与え過ぎには要注意です。
ソラマメの育て方
種まき
地植えする場合は根が腐りやすくなるため、生育しても株同士密集しないよう、15~30cm間隔で埋めましょう。
種をまき終わったら水をたっぷりと与えて、日当たりの良い場所で管理してください。
およそ1週間~10日ほどで発芽します。
植え付け
背丈が高いものよりも草丈の低い苗を選びましょう。
あまり生育がよすぎると、寒い時期に凍害を受けやすくなるので注意してください。
大きく生長するため、株と株の感覚を15~30cm開けるのがポイント。
ソラマメは寒さに弱く、生育が鈍ってしまうことから、冬は敷きワラや不織布、寒冷紗などで土の表面をしっかりと覆って、防寒対策しましょう。
家庭菜園が手軽に楽しめる排水性に優れたプランター
通気性と水はけを考量して設計されているため、マメ科の植物にもおすすめ。
支柱取り付け穴付きで、支柱も簡単に取り付けられます。
土寄せと追肥
肥料の量は1株につき、スプーン1杯程度で十分です。
ソラマメは生育すると1m近くまで大きくなることから、風などで倒れやすくなってしまいます。
肥料を追加するタイミングで株の四方に支柱を立てて、ソラマメの生育を助けてあげましょう。
整枝、摘芯、間引き
また、ソラマメはどんどん、上へ向かって枝を伸ばしていくことから、枝が多ければ多いほど、株の消耗が激しくなってしまいます。
そのため、脇から伸びている側枝を処理して、日当たりや風通しをよくしましょう。
6~7本残す程度で、細い枝や弱っている枝を切り落として整枝してください。
さらに生育して草丈が60~70㎝ぐらいに伸びたら、一番上にある枝を摘み取る摘芯をしましょう。
これで実に栄養が行き渡るようになります。
ソラマメの病害虫
いろいろな病気を運んでくるのでしっかりと対策しましょう。
ほかにハダニ、ヨトウムシもソラマメの天敵です。
病気は主にうどんこ病、立枯病などがあります。
そのぞれの対策法をまとめたので参考にしてください。
・アブラムシ…見つけたらすぐに薬剤を散布する。
農薬を使わない場合はアブラムシが付いている葉ごと取り除く。
草丈が伸びると駆除しづらくなるので、早めに対策すること。
・ハダニ…少数で固まって発生しているならテープに張り付けるか、勢いよく水をかければ駆除できる。
数が多い場合は薬剤を散布。
・ヨトウムシ…成虫は薬剤が効きにくいため、葉の裏をこまめにチェックして卵は葉ごと除去、幼虫は薬剤で駆除する。
・うどんこ病…葉や茎にカビ菌が付いて白っぽくなるのが特徴。
放っておくと枯れてしまうので、発生した部分を園芸ばさみなどで除去する。
・立枯病…糸状菌によって発生する病気で根や茎が腐り、最終的には株全体が枯れてしまう。
発生部分は早めに除去し、枯れ落ちた葉もなるべく残さないようにする。
ソラマメの収穫
・上を向いていたサヤが下に下がってくる
・サヤの背筋が黒くなって光沢が出てくる
この2つが収穫の目安です。
収穫が遅れると豆が固くなって鮮度が落ちてしまうので、タイミングは逃さないようにしましょう。
ソラマメ栽培で家庭菜園をもっと楽しく
収穫期間が短いので、そこさえ気を付ければ、自分で育てた美味しいソラマメを堪能することができます。
今回ご紹介した育て方を参考にして、ソラマメ栽培をぜひ楽しんでみてくださいね。