チャドクガの駆除方法は?おすすめの駆除剤や生態を解説
葉を食い荒らす害虫、チャドクガ。触れてしまうと、ひどいかゆみや湿疹を引き起こすおそれがあります。幼虫である毛虫の毒針毛だけではなく、成虫や卵からも毒の被害を受けるのがチャドクガの特徴です。チャドクガの生態や駆除の方法、おすすめの殺虫剤などをご紹介します。
目次
チャドクガとは
毒針毛に触れてしまうと、ひどいかゆみや湿疹などを引き起こす危険な害虫です。
そんなチャドクガはドクガ科に属する虫で、日本各地に分布しているため、比較的私たちの身近にいる存在です。
チャドクガ(茶毒蛾)はその名のとおり、もともとはチャノキに発生する毒蛾ですが、チャノキ同様、ツバキ科に属するツバキ、サザンカなどにも多く発生します。
これらの植物は庭木や公園の植え込みになっていることが多く、一度発生してしまうと駆除作業が必要になります。
チャドクガの毛虫の毛はとても抜けやすく、風にあおられて飛んでくることもあるため、公園などでは近付けないよう、毛虫が発生した木の周りに注意のロープが張られていることも。
直接触れなくても被害にあうおそれがあることから、駆除作業は慎重におこなわなければなりません。
チャドクガの見た目
チャドクガの卵
卵は直径1cmぐらいで、黄色くふわふわとした細い毛の塊のように見えます。
葉を直接持って裏返すのは危険なので、下側からそっとのぞき込んで注意深く見てみましょう。
チャドクガの幼虫
体全体は黒く、背中に黄色い筋状の模様が入っているのが特徴。頭の部分は黄色い色をしています。
チャドクガの成虫
毛虫のときに黒かった体は頭も含めて全体的に黄色くなり、うっすらと黒い縞模様があります。
雌はハネの先に2個の小さな黒い点があるのが特徴。
雄は雌よりもやや小さく、体は黒褐色をしています。
チャドクガは幼虫も成虫も毒がある
毒針毛に触れてしまうと、2~3週間に及んでかゆみが続いたり、湿疹が出たり皮膚炎を起こしてしまうことがあります。
チャドクガの毒は、体に生えている長さ0.1~0.2mmほどの毒針毛の中にある、ヒスタミン系の毒です。
この毒針毛は大変抜けやすく、風に乗って拡散します。
この毒針毛は肉眼で確認できる長く白い毛とはべつのもので、顕微鏡で確認しないと見ることができませんが、1匹の幼虫に約50万本生えているといわれています。
チャドクガはイラガなどと違い、成虫になっても毒針毛を身にまとっているため、卵自体に毒は無いものの、産み付けられた卵には成虫の毒針毛が付着しています。
さらに蛹には幼虫時代の毒針毛が付いているため、卵から成虫になるまで、生涯を通して毒針毛に覆われていることになります。
チャドクガの生態(卵から成虫になるまでのサイクル)
孵化した幼虫が発生するのは、おもに4月~6月、8月~9月の年2回です。
孵化直後のチャドクガの幼虫は、葉の表皮を残して食害します。
成長に伴い集団行動をするようになると、葉の裏側に頭を揃えて群生し、葉を食べつくしてしまいます。食欲旺盛なので、木が丸裸にされてしまうことも。
幼虫は7回ほど脱皮をくり返したあと蛹となります。
幼虫のときは群生していたチャドクガも、蛹になるときは糸を垂らして地面に降りたのち、それぞれが分散して蛹になります。
蛹は7月や10月に成虫となり卵を産み付けます。1度の産卵で約100匹の幼虫が誕生することから、気づいたときには大発生しているということも。
孵化した幼虫は約50日で蛹になり、7月や10月に成虫となったのちにまた新たな卵を産み付けるのです。
事前に確認!チャドクガの駆除で気をつけること
また、毒針毛はとてもこまかく小さなすき間に入り込みやすいため、自身で駆除する際には万全な備えが必要です。
服装で身を守る
長袖長ズボンはもちろんのこと、ゴム手袋、長靴の着用を忘れずに。
また、首にはタオルなどをまき、さらにつばの広い帽子を被って、頭上から落下してくる幼虫からの被害や毒針毛が髪の毛に付着するのを防ぎましょう。
粘膜を守るため、マスクのほか可能ならゴーグルもあるとなおよいでしょう。
風の強い日を避ける
そのため、風が強い日の駆除作業は避けたほうが賢明です。
毒針毛に直接触らなくても、近くを通ることで皮膚に刺さったり、洗濯物に付着してしまったりするおそれがあります。
毒針毛の飛散を最小限にするため、風の強い日の駆除作業は避けましょう。
チャドクガの駆除方法
殺虫剤で駆除
デメリットとして、殺虫剤を噴霧した際にその勢いで毒針毛を飛散させてしまうおそれがあります。
殺虫剤は、チャドクガが比較的狭い範囲で、手の届く場所の葉に発生している場合に使用することをおすすめします。
毛虫退治の定番!即効性がある殺虫剤
毛虫に直接噴射して駆除します。
ジェットタイプで、毛虫に近づかなくても狙い撃ちすることができます。
噴射した箇所には、殺虫剤の効き目が約1週間の持続性するため、散布後に発生した幼虫も退治してくれます。
狭い範囲の毛虫をすぐにでも駆除したいかたにおすすめです。
苗の植え付けから葉裏の虫まで!植物のことを考えた殺虫剤
弱った植物に元気を与える成分もプラスされているため、チャドクガの駆除はもちろん、家庭菜園をしているかたにもおすすめ。
家に1つあれば、あらゆる野菜や花に使えて便利です。
毒針毛固着剤で駆除
固着剤を使うことで、チャドクガの幼虫をそのまま葉に固着させて動きを封じるので、動き回って毒針毛を飛散させてしまう心配が少なく済みます。
葉にくっついて動けなくなったチャドクガは、そのまま葉ごと切り落として駆除しましょう。
殺虫成分を含まない毒針毛固着剤
チャドクガが群生している葉の裏などに吹き付けると、固着剤の効果により幼虫が葉に固まってくっつきます。
幼虫が動かなくなったところで、葉ごと切り取ってしまえば駆除完了。
毒針毛の被害を抑えることができます。
チャドクガの卵の駆除
そのためには、チャドクガがまだ卵の状態のときに駆除してしまうのが効果的です。
庭木の葉の裏などをこまめに確認し、卵を発見したら取り除いてしまえば、夏になって大発生……という事態も防げるでしょう。
ただし、卵の状態でも毒針毛が付着している場合があるので要注意。
幼虫を駆除するときと同じようにゴム手袋などを使用して直接触れるのを避け、充分注意しながら駆除作業にあたってください。
チャドクガの駆除は身の安全を確保したうえで早めにおこなおう
耐えられないほどのひどいかゆみが続いたり、湿疹や水膨れになったりすることもあるので、症状がひどいときは皮膚科を受診しましょう。
また、駆除したチャドクガの処分にも注意が必要です。
駆除する前に、あらかじめ木の根元に破棄してもよい新聞紙やビニールシートなどを敷き、死骸と共に処分しましょう。
処分する際も、ビニール袋を2重にするなど毒針毛が外に出てしまわないような対策が必要ですが、詳しい処分方法は各自治体の処分方法に従ってください。
チャドクガが広範囲にわたって発生している場合は無理をせず、害虫駆除を専門とした業者を探すのも1つの手です。
身の安全を確保したうえで、チャドクガから大切な樹木を守ってくださいね。
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