ハーブの栽培初心者の方におすすめ。ローズマリーの育て方を詳しくご紹介!
料理などに用いられるローズマリー。根は立性、匍匐(ほふく)性に分類されるハーブであり、花や葉に独特の香りがあるのが特徴的です。苗が鉢植えの状態で販売されているため、室内栽培できるほか、挿し木でも簡単に増やせます。今回は土や肥料、水などの栽培方法をまとめました。
目次
ローズマリーを育てよう
爽快で清々しい香りは料理のスパイスやハーブティーとして、古くから親しまれてきました。
また、乾燥させてリースの材料にも使用されることが多く、1株あると大変便利です。
ローズマリーの特徴
比較的塩害や寒さに強く、丈夫で初心者にも育てやすいことでも知られています。
緑の葉が1年中茂る「常緑低木」であるため、街中や公園の緑地帯などに植え込まれているのを見かける機会も多いのではないでしょうか。
特徴として、まず挙げられるのが清涼感のある香り。
抗酸化作用があるので、若返りのハーブとも呼ばれており、古くから薬草として栽培されてきました。
現在でも葉の浸出液は強壮剤・収れん剤などに処方されたり、リウマチや外傷に外用されたりとさまざまな用途に使われています。
品種がとても多いローズマリーですが、大きく分けると立性・匍匐性(ほふくせい)に分類されます。
立性とは枝が上方向にまっすぐ成長する種類のこと。
大きいものでは高さが2メートルまで伸びることもあります。
匍匐性は枝や茎が地を這うように広がる種類で、成長しても高さは30㎝ほどです。
また、立性と匍匐性をミックスしたような性質を持つ半匍匐性という種類もあり、枝が上にも横にも生育します。
ローズマリーは初夏にきれいな小さい花を咲かせますが、
青紫や白、ピンクなど種類によって花の色が違うのも大きな特徴といえるでしょう。
現在、ローズマリーは観賞用と料理やハーブティーなどに使う食用とが流通されているので、用途に合わせて選ぶことをおすすめします。
ローズマリーの栽培カレンダー
剪定時期:4月~10月(特に梅雨・夏場)
開花期:11月~5月(種類・環境による)
収穫期:4月~11月(冬も控えめなら可能)
ローズマリーを植え付けるタイミングは、発芽適温が20~25度なため、温かい時期に行います。
真夏、真冬は必ず避けてください。
また、選定や挿し木は生育適温の20~25℃くらい、5月~10月ごろに行うとよいでしょう。
肥料は本来荒れた土地でも育つほど丈夫な植物なので、生育時はほとんど必要ありません。
植え替えや数年育てて、土の養分が無くなったタイミングで追肥します。
その場合、10日に1度の頻度で液体肥料を与えましょう。
ローズマリーの栽培環境
半日陰でもよいですが、元気な株に生育するにはできるだけ日が当たる乾燥しやすいところに置きましょう。
室内で育てるなら、移動させやすく水はけのよい鉢植えがおすすめです。
また、乾燥には強いですが湿気が大の苦手なため、風通しをよくすることも大切です。
屋外の場合は梅雨の時期は雨が当たらない屋根の下に移動させます。
冬はある程度の防寒性はありますが、雪の降る地域では防寒対策が必要です。
そのため、寒くなってきたら室内に入れて越冬させましょう。
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初心者も気軽に挑戦しやすい土と肥料付きプランター
ローズマリーを育てるポイント
ローズマリーに適した土
鉢植えの場合、市販のハーブ用の培養土を選ぶと問題ないでしょう。
もし、水はけが悪いようなら小粒の赤玉土、バーミキュライトなどを土に混ぜ込むことで改善できますよ。
ハーブが健やかに育つ培養土
この用土は、根の生育を促す海藻成分、植物を丈夫に育てるカルシウム、葉の色を良くするマグネシウムを配合。
このハーブ用の用土に植えれば元気に育ってくれるでしょう。
有機素材をベースにしているので体にも安心
有機肥料入りなので、後から肥料を足す必要がありません。
植物にも体にもやさしく、安心して使えます。
水やりと肥料
葉に水がかからないように気を付けながら、たっぷりと与えましょう。
霧吹きなどで葉に水をスプレーする葉水は過湿の原因となるので必要ありません。
冬の季節は乾燥気味に管理しますが、完全に水を切らしてしまうと葉がポロポロと落ちて枯れてしまうので要注意。
鉢植えで育てるなら、早朝から午前のあまり日が高くならないうちに水やりします。
肥料は苗の植え付け時と植え替え時にゆっくりと効果が持続する「緩効性肥料」を施す程度でよいでしょう。
花付きをよくしたり、株を充実させたりしたい場合は追肥として置き肥をします。
ただし、株の側に置くのは避けて、葉先の下あたりに半分くらい埋めるように置くようにしましょう。
水も肥料も過剰に与えると根腐れを起こして枯れてしまうことがあります。
特に肥料は根が肥料やけを起こすこともあるので、事前に説明書を読み、必ず使用量を守ってください。
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バランスよく配合された15の栄養素が、野菜やハーブの生育をサポート。
家庭菜園や鉢でハーブを育てたい時に役立ちます。
ゆっくりと効きながら植物を元気に育てる
ゆっくりと効き目が表れ、植物や野菜の色づき、香りを促す働きが期待できますよ。
植え付けと植え替え
苗よりもひとまわりぐらい大きいサイズの鉢に植えましょう。適温20~25℃くらいで元気に育ちます。
あまり鉢が大きすぎてしまうと根ばかりがどんどん伸びて生育が悪くなるので注意してくださいね。
2~3年ほどで成長して、鉢が小さくなってきたら根詰まりを防ぐためにも植えかえします。
根元の方の葉が茶色く落ちてきたら、植え替えのタイミングと覚えてきましょう。
ただし、植え替えする際、根を傷つけてしまうと水を吸上げる力が弱まり、葉が枯れてしまいます。
植え替えはどうしても根に負担をかけるので、できるだけ控えた方が無難です。
2~3年に1回のペースで植え替えするようにしましょう。
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ローズマリーの収穫時期と方法
茎が15㎝ほどに成長したら、太い茎を残しながらそこから伸びている葉や小さな茎を剪定はさみで切り取りましょう。
切り取った葉や茎は料理の風味付けや臭みを消すために肉に揉みこんだり、
乾燥させてハーブティーやリースに使ったりといろいろ楽しめます。
洗練されたデザインがおしゃれで使いやすい
手にしっくりと馴染みやすく、女性でも簡単に使いこなせます。
置いておくだけでガーデンインテリアとしても映えるアイテムです。
ローズマリーの増やし方
ローズマリーは収穫した茎を使って、この挿し木で簡単に増やすことができます。
挿し木は暖かい初夏(5月~6月)、涼しくなる秋(9月~10月)に行うのが最適です。
せっかく挿し木しても根が生えてこないと栄養が行き届かずに枯れてしまうので、注意しましょう。
1,挿し木にしたいローズマリーの枝を先端から10~15㎝カットします。
2,土に葉ごと埋めてしまうと、雑菌が付いて腐りやすくなってしまうため、土に挿す部分の葉はすべて摘み取りましょう。摘み取った葉は料理にも使えますよ。
3,挿し木用の枝は1時間以上、水に浸しておきましょう。
「水揚げ」という枝に水を補給する作業のことで、水枯れを防ぐために行います。
4,水揚げした枝は肥料分のない清潔な土に挿しておきます。
市販の培養土や古い土は挿し木には不向きです。
また、直射日光の当たらない風通しのよい場所を選んで置いてください。
5,たっぷりと水やりして、1ヶ月ほどで発芽します。
剪定・切り戻し
生育するにつれ、脇芽が茂って株の内側が込み合ってきますが、湿度の高い梅雨や夏場はこまめに剪定しましょう。
剪定の方法は枝茎の先端の芽を摘む摘心と、伸びた枝や茎を短く切る切り戻の2種類です。
摘心は春か秋、しっかりと根付いたローズマリーの伸びた枝の頂芽を剪定はさみで切り取ります。
一方、切り戻しは枝葉が込み合っている部分を透かして、傷んだ枝も切り除く方法です。
風通しをよくするので、高温多湿となる梅雨や夏の季節に行いましょう。
不要な枝を傷んだ部分から剪定はさみで切り取るだけなので、収穫しながらでも行えます。
また、開花した花もそのままにしておくと株が消耗してしまうため、
花が咲き終わった枝ごと切り取り剪定するとよいでしょう。
ローズマリーが枯れる原因
葉や茎が変色して枯れ始めたら、いくつかの原因が考えられるでしょう。
・水の与えすぎで根腐れを起こす
・鉢が狭くなり根詰まりを起こす
・葉や茎が茂りすぎて根に元気がない
・病気や害虫の被害
水の与えすぎによる根腐れは植え替えすることである程度改善できます。
根詰まりも株が大きく成長して根が広がるスペースがないために起こるので、すぐに大きな鉢に植え替えしましょう。
また、葉や茎の数が多すぎると根の吸水が足りない状態になって枯れてしまうことも。
植え替えしたわけでもないのに急に枯れてしまう場合はこの状態かもしれません。
早めに剪定して、それでも枯れるなら挿し木で次の苗を育てましょう。
ローズマリーは病気や害虫に強いハーブですが、それでも天敵はいます。
害虫はヨトウムシ・アブラムシ・ヨコバイによって葉が黄色く変色する場合があります。
対策として、被害を受けた葉や茎を切り取る、粘着性のあるテープで捕獲する方法があります。
また、防虫ネットで予防することも大切です。
病気でもっとも考えられるのは、葉に白い粉が付いたようになるうどんこ病でしょう。
病気の出た枝は入り取り、剪定で風通しをよくします。
病害虫による被害は厄介ですが、日頃からしっかりと観察することで防げますよ。
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ローズマリーの花言葉
ヨーロッパでは古来よりお祝いや葬儀などの行事にローズマリーが使われてきました。
その風習の名残が花言葉に残っています。
また、ローズマリーは記憶力がよくなるハーブと言われ、
花冠がよくつくられたことから「記憶」という言葉が生まれたそうです。
ローズマリーの栽培でガーデニングを満喫しよう!
丈夫で室内で生育しやすいため、初心者も気軽に鉢植えを楽しめます。
自分でローズマリーを育ててみてはいかがでしょうか。