液肥(液体肥料)とは?使い方や与え方とは?おすすめの液体肥料をご紹介

2020年9月23日


ガーデニングを始めるうえで欠かせない肥料。草花や野菜の育成を促し、実を肥やす大切な栄養分です。中でも液肥(液体肥料)は私達にとっての栄養ドリンクのような存在。今回はそんな液肥について、成分や使い方、ハイポネックスなどおすすめの商品などを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

植物には肥料ってなぜ必要

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ガーデニングで育てる植物はなぜ肥料が必要なのでしょうか?
自然の野山では、落ち葉や枯れ枝、また植物を食べる動物の糞、遺骸などが微生物に分解され、植物の栄養素として循環されています。

 

人が手を加えた畑や花壇では、落ち葉などはきれいに処理され、栽培した植物は農作物として収穫されます。そのため、この循環が成り立ちません。

特に野菜は茎葉や根などが大きく育つように改良されており、野草よりも栄養素をたくさん必要とします。また、鉢植えなどのコンテナ栽培の場合は、養分を蓄える土の量が限られてしまい、植物が育つには養分がどうしても不足がちです。

このように植物をより丈夫に美しく育成するため、人工的に不足する成分を補うものを肥料と呼びます。

肥料の種類

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肥料は成分や植物への効き方、特徴などによって種類があるのをご存知でしょうか。大きく分けると固形肥料、液体肥料(液肥)とがあり、形状も使い方によってそれぞれ違います。

 

固形肥料は、主に植物の周囲の土壌や、土の表面に置くのが通常の使い方です。その後、水やり、または雨によって肥料の成分が土壌に溶け出し、ゆっくりと浸透していきます。

一方、液体肥料は、市販されているものはそのままのかたちで植物に取り込まれるのが大きな特徴です。そのため即効性があり、植物に与える量を把握しやすいともいえるでしょう。

肥料の成分

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肥料の成分は、有機質と無機質の2種類に分けられます。具体的どのような成分なのか知っておきましょう。

有機質肥料

植物性由来、動物性由来のものがあり、土地の中の微生物に分解されてから植物の根に吸収されます。基本的にゆっくりと効き、効果が持続されるのが大きな特徴です。

 

タンパク質、またはアミノ酸をメインの肥料成分として「窒素・リン酸・カリウム」の3要素を加えたものが主ですが、種類によってはホウ素、マンガンのような微量要素を加えた肥料もあります。

土をふかふかにしたり、団粒構造を促したりと微生物の働きに助けられるので、土壌改良にも効果が期待できます。

無機質肥料

一般的に化学肥料と呼ばれるものです。自然界に存在する鉱物を原料としているので清潔感があり、あまりニオイも気になりません。有機質肥料とは違い、成分が水に溶けることによって、植物の根が吸収しやすくなります。

 

「窒素・リン酸・カリウム」の3要素を含み、このうちの1つだけの成分を含むと「窒素肥料」、2つ以上含んだ肥料は「複合肥料」とも呼ばれます。即効性が高く、安価なのでガーデニングや家庭菜園で使われることの多い肥料です。

液肥の成分

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液肥の主要となる成分は、チッ素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)の3つとなり、3要素と呼ばれるのが一般的です。ほかにカルシウムやマグネシウムを加えると、5要素になります。

チッ素(N)

植物の成長に必要な成分です。特に葉を大きくするので、葉肥(はごえ)とも言われています。
このチッ素が足りなくなると葉が黄色くなってきますが、過剰に与えた場合は植物が軟弱になりやすいので注意しなければいけません。

リン酸(P)

花肥(はなごえ)または実肥(みごえ)と言われる通り、花や果実を肥やす働きがあります。
足りなくなると花つきが悪くなり、植物の種類によっては葉が赤紫色になることもあるようです。

カリウム(K)

光合成の働きを助け、根の育成を促す役割を持つ成分です。
そのため、根肥(ねごえ)と言われることも。果樹に与えると果実の付きを高めます。

液肥のメリット、デメリット

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液肥を使うことによってどのようなメリット、デメリットがあるでしょうか。

メリット

液肥の最大のメリットとして、使い方が簡単だということが挙げられます。

 

液肥は固形肥料と違って土に流れやすいため、定期的に使用することで、植物に最適なかたちで栄養を補給することが可能です。また、吸収時間が短く、効果がすぐに期待できるのもポイント。短時間で違う目的の液肥を与えられます。

もし、過剰にあげてしまっても水で流すことができるので、初心者も失敗が少ないでしょう。

デメリット

対してデメリットは、即効性がある分、効果が長続きしない点です。液肥は固形肥料よりも与える頻度がどうしても多くなるので、与え忘れにも注意しましょう。

 

また、水耕栽培の場合、液肥を混ぜるときの水に菌が繁殖していると一気に広がってしまう可能性も出てきます。そのため、毎回清潔な水を使用することが大事です。

液肥の使い方

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液肥を与える頻度は大体1週間~2週間に1度の割合が目安です。肥料は少な過ぎても多すぎても、植物の生育が悪くなってしまうので、適切な規定量と規定濃度を必ず守ってください。また、液肥の使い方はその特徴によって、施肥法が異なります。

液肥のいろいろなやり方

・土壌散布
土壌にまく一般的な方法です。水で希釈する、あるいは原液のまま、ジョウロやバケツでまきます。水やりのような感覚で行えるので初心者でも簡単ですが、まく範囲が広く、植物に取り込まれずにそのまま流れてしまう分も多くなりがちです。

 

・土壌灌注
専用の注入器によって、植物の周囲の土壌に液肥を入れます。目的の場所に直接注入できるので、土壌の中の根の近くに肥料を与えることが可能です。そのため、植物へ効率よく成分が取り込まれます。

・葉面散布
霧吹きなどで直接葉の表面に吹きかける方法です。土壌灌注と同様、植物への成分の取り込みの効率が高いことでも知られています。ただし、気温が高い時は水分だけが蒸発してしまうかもしれません。

そうなると残った肥料が葉焼けのような症状を引き起こすので、夏の暑い季節は充分注意しましょう。

元肥(もとごえ)と追肥(ついひ)

元肥(もとごえ)とは、種や苗の植え付けをする前に与える肥料のことです。植物が元気に育成するのを目的としており、「窒素・リン酸・カリ」の3要素を含む、効果がゆっくりあらわれる有機肥料がよく使用されます。

 

植物の植え付け後、元肥の効果が薄れてきたときに追加する肥料が追肥(ついひ)です。育成中の植物に対して、早急に効果が求められるので、即効性のある化学肥料が使用されます。追肥は植物が肥料を吸収しやすい根の先に与えるのが基本です。

植物によっては、追肥の必要のないものもあるので、必ず確認してから与えましょう。

液肥を使う時の注意点

液肥は基本的に水に薄めて水やりのように与えるか、そのまま土に直接まくかのどちらかですが、あまり液肥の濃度が高いと、かえって植物を枯らしてしまうかもしれません。最初は既定の量よりも薄めて使うことをおすすめします。

 

水で薄めるタイプは、説明にある希釈量をしっかり守るのが重要です。また、肥料には成分変化の起こりにくい原料が使用されていますが、長期保存しているうちに成分が変化する可能性も考られるので、液肥はできるだけワンシーズンで使い切るつもりで、必要な量だけ購入しましょう。

水で薄めた場合は成分が化学変化を起こしやすくなるので、その日のうちに使い切ってください。

液肥の作り方

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液肥は自分でつくることも可能です。作業の際は、においの気にならないベランダ、または風通しのよい場所で行ないましょう。

材料

・油かす
・水
・ペットボトル

つくり方

・水:10、油かす:1の割合で、ペットボトルの8分目まで材料を入れます。
・ペットボトルのフタを閉めて、よく混ぜます。中身が膨張するかもしれないので、必ずフタをすることを忘れずに。
・週に1回かき混ぜながら、日の当たらない場所に置いて数か月間発酵させます(夏季は1か月、冬季は3か月程)。
・ニオイがきつくなったら完成です。

 

なお、一説では「米の研ぎ汁を肥料として与えると良い」という話も聞きますが、植物が元気に育った一方で、枯れてしまったケースなどもあり、効果があるかどうかは一概には言えないようです。

活力剤との違い

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鉢植えなどの植物の脇に差し込むチューブタイプのアンプル剤。
肥料と思って使用している方が多いですが、中身は肥料とは異なる成分の活力剤です。

 

活力剤には肥料成分が含まれるものもありますが、その多くは肥料の3要素である「窒素・リン酸・カリウム」を補う働きのある微量要素を含んでおり、
いわば植物の総合ビタミン剤のようなものです。

肥料濃度は肥料取締法によって定められているので、基準以下の活力剤だけを使い続けても肥料不足になってしまいます。
活力剤は、肥料も与えつつ、花や葉の色が冴えないとき、または植え替え時や元気を回復させるときに使うとよいでしょう。

液肥は野菜に使える?

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液肥は花をはじめ、野菜にも使えます。また、無機質肥料の液肥はニオイがせず、虫も寄り付かないので、室内で育てる観葉植物や水耕栽培にも最適といえるでしょう。

 

野菜に使用する場合は苗を畑に植え付けるとき、薄めの液肥でポットの苗と根穴を湿らせると、後から根付きがよくなります。室内の植物は点滴のように一定期間、肥料分を与える小型のアンプル容器がおすすめです。

繰り返し使えるので、旅行などで植物のお手入れができない間も安心できます。

初心者におすすめの液肥

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初心者にも使いやすいおすすめの液肥を紹介します。ガーデニングを始めたばかりの方や最近植物の元気がないと、お悩みの方はぜひチェックしてみてください。

いろいろな植物に使える液体肥料

ハイポネックス ストレート液肥 オールパーパス 600ml

 

ハイポネックス ストレート液肥 オールパーパス 600ml

植物に必要な窒素、リン酸、カリウムなどの成分がバランスよく配合されている肥料です。
野菜や花、観葉植物などさまざまな植物に使うことができます。水で薄めずにそのまま使えるので、使用しやすいのも魅力的。

 

どの液肥を使っていいか分からないとお悩みなら、こちらを試してみてはいかがでしょうか。

ハイポネックス ストレート液肥 オールパーパス 600ml | 活力剤
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すぐに効果が現れる即効性の強い液体肥料

ハイポネックス原液 800ml

 

ハイポネックス原液 800ml

植物に必要な15種類の栄養素がバランスよく配合されている液肥です。
さまざまな草花や野菜はもちろん、一般的な土、および畑の土にも使用でき、優れた肥料効果が期待できます。
水で薄めて使うタイプなので、それぞれの植物に適した割合でご使用ください。

バランスの良い栄養素で、植物がよみがえる!

住友化学園芸 花工場原液 800ml

 

住友化学園芸 花工場原液 800ml

植物の栄養素をバランスよく配合させているので、どんな植物にも追肥として使うことができます。
水で薄めて散布するだけなので、初心者の方にも比較的扱いやすい商品といえるでしょう。
きれいな花、おいしい野菜を育成したい方におすすめです。
住友化学園芸 花工場原液 800ml
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おいしい野菜や果物の育成をサポート

住友化学園芸 ベジフル液肥 480ml

 

住友化学園芸 ベジフル液肥 480ml

こちらの製品は植物由来の天然有機質が配合されているのが特徴です。
この天然有機の働きにより有用微生物が活発になることで、土壌中の菌なのバランスが整い、土質が改善されることが期待できます。

 

土質が改善されると根張りがよくなるほか、栄養の吸収が効率よく行われるので、丈夫でおいしい野菜や果物が育ちますよ。
有機特有のニオイも少ないので、手軽に使いやすいのではないでしょうか。

即効性の高い液肥はあらゆる植物の育成によく利用されています。使い方も簡単なので、初心者の方も安心して挑戦できますよ。

 

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ガーデニング初心者は液肥から始めてみよう!

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新しい生活が始まったことをきっかけに、一戸建ての庭やマンションのベランダでガーデニングでも始めてみようかなとお考えの方も多いでしょう。
液肥は、植物に元気を与えてくれる大切な肥料です。液肥を上手に使えば、花を元気にしたり、野菜をたくさん収穫出来たりします。
使い方も簡単で、水やりと一緒に土にあげるだけです!まずは簡単なものから試してみてくださいね。