イラガの駆除には気をつけて!幼虫のうちに駆除すべき?イラガの駆除方法と触れた場合の対処法

2020年10月18日


触れると電気が走ったような、強烈な痛みを伴う毒針毛を持つイラガ。毒のある蛾として有名なチャドクガとは違い、成虫に毒はありませんが、幼虫である毛虫には注意が必要です。葉の裏や木などに発生するイラガの特徴と種類、効果的な殺虫剤などの駆除方法をご紹介します。

イラガとは?

 

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イラガとは、チョウ目イラガ科に属する蛾の総称です。
幼虫は毒針毛を持つ毛虫で、成長した幼虫は体長15~20mmほどになります。
若齢幼虫は葉の裏などに群生をするのが特徴ですが、成長した幼虫は単独行動をします。

 

イラガの特徴として特筆すべきは、毒針毛に触れてしまうと、電気のような激しい痛みが生じること。
触れないように注意が必要な、食害性害虫です。

毒を持つ蛾として有名なチャドクガと違い、成虫は毒を持っていませんが、成虫になって飛び回ると、またどこかの木に卵を産み付けるため、見つけ次第早い段階で駆除することが重要になります。

イラガの具体的な被害とは?

 

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イラガの種類にもよりますが、雑食性の種類が多く、柿やナシ、桜やウメ、バラなどの樹木を好み食欲が旺盛です。

 

イラガが発生すると最初は葉の裏に群生し、放っておくと葉が食い尽くされてしまいます。
若い幼虫は表皮を残して葉を食べるため、食べられた葉は白く透けるようになります。
一方、成長した幼虫は葉を丸ごと食い尽くすため、食害された樹木は葉がほとんどなくなってしまうことも。

イラガは1度の産卵につき、20~30匹の幼虫が誕生するため、気づいたときには大発生しているということも少なくないでしょう。
そのため発生前の対策と、発生初期の駆除が重要となります。

イラガの種類

 

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体全体がトゲで覆われたイラガ。
その種類は多く、代表的なものには「ヒロへリアオイラガ、アオイラガ、ナシイラガ、ヒメクロイラガ、ムラサキイラガ」などが挙げられます。
それぞれの見た目と特徴をご紹介します。

ヒロへリアオイラガ

・見た目…体は緑色で、背中と側面に青い斑点を重ねたような帯状の模様がある。
体の前面のほうには、左右にオレンジ色のトゲが生えているのが特徴。

 

・発生する時期…6~10月

・発生しやすい樹木…桜、ウメ、ケヤキ、クスノキ、モクレン、ナンテン、ザクロ、ミカン、ナツメなど

アオイラガ

・見た目…体は緑色で、背中に明るい青い筋が入っている。
ヒロヘリアオイラガが体の前面の方にオレンジ色のトゲが生えているのに対し、アオイラガは黒いトゲが対になって生えている。

 

・発生する時期…6~9月

・発生しやすい樹木…桜、ナシ、栗、柿の木、ヤナギ、カエデなど

ナシイラガ

・見た目…体全体は緑色で、背中に沿って黒っぽい輪のような線がある。頭の部分は黄色く、大きなオレンジ色の突起がある。

 

・発生する時期…9~11月

・発生しやすい樹木…桜、ナシ、クヌギ、栗、柿の木、ケヤキなど

ヒメクロイラガ

・見た目…黄色い体が、黒っぽい細かな斑点に覆われている。トゲは黒。

 

・発生する時期…7~10月

・発生しやすい樹木…桜、クヌギ、栗、柿の木、ケヤキなど

ムラサキイラガ

・見た目…名前に「ムラサキ」と付くが色は緑色で、ほかのイラガと違い、丸みを帯びた形をしている。
全体的に黒く小さいトゲが生えている。
ウスムラサキイラガのトゲが根元だけ太いのに対し、ムラサキイラガはトゲ全体が太い。

 

・発生する時期…8~9月

・発生しやすい樹木…桜、ウメ、栗、クヌギ、ヤナギなど

イラガが発生しやすい環境とは?

 

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イラガの種類によって若干の差はあるものの、7~8月、種類によっては10月頃になると繭から一斉に発生します。
生息地域は全国に分布していて、好む樹木は桜やウメ、柿の木やカエデなどということから、庭木や公園、街路樹などどこにでも発生する可能性があります。
そのため、一概に発生しやすい環境を定義するのは難しそうです。

 

同じ木から毎年大発生……などとならないよう、一度見つけたら早めに駆除し、繰り返さないよう定期的なチェックと剪定などで予防しましょう。

イラガの駆除・対処法

 

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イラガは幼虫のうちに駆除するのが有効ですが、イラガの幼虫には、触れると激しい痛みを伴う毒針毛があるため、駆除する際には触れないよう細心の注意が必要です。
そのため、肌を露出しないような服装をしましょう。
長袖、長ズボンのほか、帽子やゴム手袋などで徹底的な防備をして、絶対に素手で触らないようにしてください。

 

また、幼虫は駆除した死骸にも毒があるので、処分する際も充分な注意が必要です。

イラガの幼虫駆除

イラガの幼虫が発生している範囲が狭かったり、数が少なかったりする場合は、割りばしなどで1匹ずつつまんで駆除していく方法もあります。
駆除したイラガの幼虫は、ごみ袋に捨てる前に新聞紙などでくるんで、毒針毛が外に出てしまわないようにしましょう。

 

殺虫剤を使うと、散布したあと時間を置いて、幼虫が葉から落ちてきます。
落ちた幼虫も見落とさないように、あらかじめ破棄してもいいビニールシートや新聞紙などを敷いておくとよいでしょう。

殺虫剤をまいた場合、1週間ほどはその後も幼虫を寄せ付けない効果がありますが、大量に発生している場合は、一度退治した後も定期的に葉の裏などをチェックしておきましょう。

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低木の害虫予防に!土にまく殺虫剤

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樹高50~100cmの低木には、オルトランDX粒剤が有効です。
オルトランDX粒剤は、土にまいて使うことで植物が根から薬剤を吸い上げ、植物の内部に薬剤が浸透することで、葉に付いたイラガの幼虫を駆除します。
即効性は期待できないことから、イラガの幼虫が発生する前に、予防的に使うことをおすすめします。
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イラガの繭の駆除

駆除しきれなかった幼虫は繭となって越冬し、蛹になるので、成虫になる前に取り除いてしまいましょう。
イラガの繭は、茶色くマーブル状の模様をしていて、一見、木のこぶしのようにも見えるため、見落とさないように注意が必要です。

 

繭の殻は意外と固いので、剪定ばさみなどを使って根元から切り落としましょう。

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イラガの成虫の駆除

イラガの成虫には、一般的な殺虫剤が有効です。
ピレストロイド系のゴキブリ用殺虫剤をそのまま使うこともできます。
成虫に毒はありませんが、放っておくとどこかの木に卵を産み付けてしまうため、見つけ次第駆除したほうがよいでしょう。

成虫にはピレストロイド系殺虫剤

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イラガの成虫には、一般的なピレストロイド系の殺虫剤が有効です。
ドラッグストアやコンビニなどでも比較的簡単に手に入るので、1つ備えておけば安心です。
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もしもイラガに触れてしまったら

 

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触れてしまうと激しい痛みを伴うイラガ。
多くの場合は1~2時間で痛みは治まりますが、人によっては腫れてしまったり、かゆみが1週間ほど続いてしまったりすることも。
万が一イラガの毒針毛に触れてしまったら、次のように対処しましょう。

 

1.流水でトゲをよく流しましょう。それでもトゲが残っていそうな場合は、粘着テープなどで除去します。

2.虫刺され薬を塗って、痛みやかゆみを抑えましょう。

3.腫れがひどかったり、痛みがひどくて引かなかったりする場合は皮膚科で受診しましょう。

痛みやかゆみに効く虫刺され薬

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イラガの駆除は早期発見が大事

 

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気が付いたら大発生していたということも少なくないイラガ。
食欲旺盛で樹木が被害を受けるのはもちろん、毒針毛に触れるとひどい痛みを伴う危険な虫なので、見つけ次第、早めに駆除するほうがよいでしょう。
そのため、ふだんから葉の裏などをこまめにチェックして、卵や幼虫がいないかをよく確認してみてください。

 

駆除に関しては、ある程度高さのある庭木は頭上から落ちてくる幼虫に要注意。
殺虫剤をまいたあとパラパラと時間をかけて地面に落ちてくるので、落ちた幼虫の始末は少し時間を置いてからが安心です。

被害が広範囲に及ぶ場合や、自分で駆除するのが難しい場合は専門の業者を探してみるのも一つの手です。
無理のない安全な方法で大切な樹木を守りましょう。