オクラの育て方とは?最適な肥料や用土などプランターでの栽培方法をご紹介
沖縄や鹿児島など暖かい地方で育てられる夏野菜の代表格オクラ。実は家庭菜園初心者向きで、ベランダのプランターでも手軽に育てられるんです。そして食物繊維が豊富で、ビタミンB1・カルシウム・鉄など栄養満点。今年はオクラを育てて、オクラの葉のように元気にいきましょう!
目次
オクラとはどんな野菜?
オクラとは
双子葉植物アオイ科トロロアオイ属の植物・食用果実です。
アフリカ北東部などの熱帯アジア原産で、日本では一年草と言われていますが、亜熱帯地方では多年草に分類されています。
オクラと言えば「夏野菜」というイメージを持つ人も多いかと思いますが、日本で最も多く出回る時期は夏場の6月~9月となっています。
日本で主に暖かい地方の沖縄県や鹿児島県・高知県などで栽培されており、関東地方では群馬県が代表格となっています。
晩秋~春にかけては、南国のフィリピンやタイから輸出されたものが店頭に並びます。
オクラの歴史
日本の野菜界の中でもオクラは比較的新しい野菜の仲間で、一般市場に流通するようになったのは昭和50年代ごろからだそうです。
実際に、アメリカから日本に輸入されたのは幕末時代だと言われていますが、食用ではなく、ハイビスカスのような見事な花を咲かせる「オクラの花」を観賞用として栽培されたり、完熟した種子をコーヒー豆のように挽いて代用していました。
オクラの原産地とされているエジプトでは紀元前から栽培されており、アメリカには18世紀ごろから渡ったとされています。
オクラの名前
オクラは英語でもOkraと呼ばれている英語名です。
西アフリカの原産地の人はトウイ語で「ンクラマ」と呼んでいるため、それが元でオクラと呼ばれるようになりました。
和名では「アメリカネリ」「陸蓮根(おかれんこん)」などがあります。
アメリカネリは、アメリカから来た「ネリ(トロロアオイ)」という意味があります。
オクラの花言葉
「恋によって身が細る」
「恋の病」
オクラはその見た目から、別名「レディースフィンガー」と呼ばれています。女性の細長く美しい手先の様だと、例えられているからです。
また、美しく咲き誇るオクラの花は1日と持たず、オクラの身も1週間を持たずに変貌し、美味しく食べられる期限を過ぎてしまいます。
たった数日で、こんなにも表情を変えてしまうことから、このような花言葉になったのではないかといわれているんですよ。
オクラの育て方
オクラの栽培スケジュール
オクラは南国の野菜なので、栽培時期もそれに合わせて進んでいきます。
初期の成長はゆっくりですが、ひとたび花が咲き身を付ける準備が整い始めると、どんどん作られていくので、栽培していても作り甲斐があります。
発芽適温は25~30℃、生育適温は20~30℃になっているので、オクラの種まきと苗つけは気温が十分に上がってから始めましょう。
植え付けは4月上旬~6月下旬、収穫は6月中旬~9月までです。
オクラは寒さに弱く、10度以下で植えてしまうと低温障害を起こしますので、早撒きは避けてください。
種から育てる
オクラの種まきは「ポット蒔き」「直播」になります。
直播の場合は、気温が低いと発芽しなくなる可能性があるので、しっかりと植え付け時期や生育適温を守ってくださいね。
ポット撒きの場合は3粒ずつ蒔き、しっかりと水やりをしましょう。
4~5日後に発芽してから育ちの良い苗だけを残して間引きします。
どちらの場合も日光には当たりやすく、しかし高温になり過ぎないように調節してください。
夜に水やりを多くやり過ぎるとNGなので、朝しっかり水やりをしましょう。
また、オクラは本葉が4,5枚になってくるとどんどん成長していくので、草丈が30㎝程になったら支柱を立てます。
支柱と茎を結ぶ際に、きつく締めすぎるとオクラの成長に影響が出てしまうので、気持ちゆるめに結んでくださいね。
苗から育てる
まずオクラの良い苗の選び方は、成長が大きくなりすぎているものよりも、本葉3~4枚程度のもので葉に艶があり緑が濃い苗を選んでいきましょう。
オクラには小さい根が少なく植え傷みが発生しやすいことがあります。
苗を傷付けないように植え付けるためには、ポットから取り出す前に十分水分を与えて、ポットの底からゆっくりと取り出してから植え付けましょう。
株間はそこまで広げなくても良いのですが、草丈が長くなるため支柱が必要になるので25㎝程度は開けて植え付けてくださいね。
植え付けた後、定着するまでは水やりをよくし、本葉を残して間引くことも忘れずに。
そのままオクラを植え付けた状態だと養分の取り合いになって育たなくなってしまいます。
オクラ栽培に適したプランター
オクラは直根性のため、土に根を真っ直ぐ縦に深く伸ばしていく植物です。前述のとおり、草丈も1m~1.5m程伸びるので、プランターは高さのあるものを選んだ方が良いでしょう。
また夏野菜のオクラとはいえ、エアコン室外機の近くにプランターを置くなどはNGですので、室外機の熱風が当たらない場所を選んでくださいね。
育てやすい品種
オクラにはいくつか種類があるのでご紹介します。
一般的にどの品種も育てやすく、スーパーなどで見かけるオクラは「アーリーファイブ」や「グリーンスター」、切り口が丸い丸オクラの品種では「エメラルド」がおすすめです。
・オクラ
一般的に出回っている、切り口が星のような形になっている五各種です。表面は産毛が生えていて果皮が緑色で、中を切ってみると粘りがあり栄養成分たっぷりの夏野菜です。
品種としては「アーリーファイブ」「ベターファイブ」「ブルースカイ」などがあります。
・赤オクラ
さやの表面が紅色~赤紫色をしており、大きさや味は一般的なオクラと変わりはありません。中をカットすると緑色です。この紅色は加熱すると溶けだしてしまうため、紅色のまま食卓に出したい場合は直接食するか、お湯でさっとゆがく方法などがあります。
・丸オクラ
切った断面が丸型になっているものが丸オクラです。収穫サイズが10㎝~15㎝と少し長くなっており、口当たりは柔らかくなっています。丸オクラの代表は沖縄県の「島オクラ」や「八丈オクラ」があります。身が柔らかくて、ほんのり甘みもあるんですよ。冷凍保存が可能なので、ラップにふんわりと包んで約1か月を目安に使い切りましょう。
・白オクラ
サラダに適していることから「サラダオクラ」とも呼ばれている白オクラは、さやが白~黄緑っぽくなっています。形状としては丸オクラに似ていて、少し大きく成長しても硬くなりにくく、美味しく食べることが出来ます。白オクラは主に山口県から出荷されており、質の良い伝統野菜として受け継がれています。
・ミニオクラ
大きくなる前に収穫した、長さ2~4㎝程のオクラをミニオクラと呼びます。早くに収穫するので食あたりも柔らかく、生で食べるのにも適しています。サラダは勿論、煮物や炒めものの彩りに使われることも多いミニオクラです。
水やり
プランター栽培の場合は土の量も少ないため、朝しっかりと水やりを行いましょう。発芽までは水を切らさないように。
暑い時期に栽培するオクラなので、乾燥しないようにたっぷりとあげてくださいね。ちょくちょくと、何回も水やりをするよりも、朝しっかりと水やりをすることがポイントです。オクラは乾燥には強いですが、乾燥しすぎると発育が悪くなってしまいます。
オクラ栽培のコツ
アフリカ原産のオクラは高温を好むため、気温が十分上がってから、日当たりの良い場所に種まきや植えつけを行います。土には必ず元肥をすき込みましょう。
最初はゆっくり生長しますが、開花して実がつき始めると毎日どんどん大きくなり、たくさん採れるようになります。草丈が大きくなりすぎてしまう場合は茎の部分を剪定したり、添え木を使ったりすることも必要になります。
種まきからでも苗からでも、間引きをすることも忘れないでください。間引きが足りないと、生長に影響が出てしまいますよ。
開花後1週間ほどで実が収穫できます。さやの長さが7~10㎝の頃が収穫どき。生長するスピードが早いため、取り遅れないように気をつけましょう。大きくなり過ぎると筋っぽくなり、種がかたくなって食べられなくなります。小さめでも早めにこまめに収穫するのがポイントです。
また、オクラの手入れ方法である摘心とは、収穫の際に大きくなった葉を一緒に摘み取ってあげることで風通しや日の当たりを良くする方法です。最初の実を収穫した後にチェックしましょう。
実より下の葉やわき芽はすべて摘み取ってあげるのが正解です。
※オクラには小さなトゲがあります。トゲが刺さると痛いので、長袖・長ズボンの格好で手袋をして作業を行ってくださいね。
肥料、追肥
「肥料食い」とも言われているオクラは求肥力が強く、草勢が強くなりすぎる傾向があります。肥料切れを起こすと、葉が極端に細くなってしまうので一目見てもわかるのではないでしょうか。
植える時に、ゆっくり効く緩効性化成肥料を一緒に土に肥料を混ぜ込み、草丈10~15㎝に伸びた時に根本に同様の物を追肥です。実がついたら、2.3週間に一回ばらまくか、液体の肥料を10~14日間隔でまいていきましょう。
病気・害虫対策
・苗立枯病
茎や根が腐敗し、やがて株全体がかれてしまう病気のことをさします。日中、水を与えても葉が萎れてしまっている時は要注意です。オクラは特にかかりやすい植物で、気を付けるポイントとしては水はけを良くして、日当たりの良い場所で栽培することです。
・うどんこ病
見た目がまさにうどん粉を振りかけたような状態になり、葉の表面に薄く白い粉上のカビが発生することです。乾燥気味の時期になりやすい病気です。密植を避けて風通しを良くしましょう。
・ワタアブラムシ
体長1~4㎜の小さなアブラムシが集団で寄生します。少しでも見つけたら防除を徹底しましょう。アブラムシから「甘露」という物質が出て、それにアリが群がることもあります。
収穫
開花から4~5日経ち、実の長さが7~10㎝程度になったら、いよいよ収穫の時期です!
手で直接触ってみて実が柔らかくなっていたら、ハサミで切って収穫しましょう。収穫が早すぎてもオクラ特有のネバネバがないですし、生長しすぎても固くて食べることができないので要注意です。
収穫後は風通しを良くするために、果実の下の葉を全て切り取ってください。この作業をしておかないと、実が大きくならないのです。
オクラの花
アオイ科植物のオクラですが、同じアオイ科にハイビスカスやムクゲ、フヨウの花があります。オクラの花も同じように、中心部が濃い紫色で大輪の綺麗な花を咲かせてくれますよ。
オクラの花はたった1日で枯れてしまいます。たった1日で花が落ちると思うと残念ですが、こんな綺麗な花を咲かせてくれるとうれしいですよね。ちなみに、オクラの蕾を天ぷらにすると美味しいですよ。
また、「蕾があるのに花が咲かない…」と悩んでいる方は、肥料不足が原因かもしれません。オクラは雄雌同花なので受粉も必要ないので、蕾が完全に落ちてしまわない限り、実を付けてくれます
。肥料が少ないと生長速度が遅くなって、花も咲きにくくなってしまうので、肥料はたっぷりとお願いします。
連作について
オクラ栽培で最も気を付けたいことは「連鎖障害」です。同じアオイ科の植物を同じ土で栽培すると連鎖障害がおこり、栽培に失敗してしまいます。
連鎖障害がおこる野菜は他にも沢山あるので、一度しっかり確かめてみてくださいね。
栄養満点のオクラで夏を乗り切ろう!
オクラの果実の表面や葉の裏側、茎にできる水滴状のつぶつぶはオクラ特有の生理現象です。初めて見た時はびっくりすると思いますが、病気でも害虫でもなく無害なので安心して食べてくださいね。ネバネバ成分で疲労回復や腸を整える、皮膚を正常に保つなどの効果が期待できますので、サラダやおつまみとしてでもぜひ食べてくださいね。
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