コナガの幼虫、成虫の駆除方法は?コナガが発生する原因は?対策方法までご紹介!
コナガは、キャベツなどアブラナ科の野菜を食害する害虫です。葉が穴だらけになってしまう前に、早めの対策が重要です。幼虫時の捕殺や、成虫になってからの薬剤・農薬など、コナガ発生予防・駆除方法を正しく理解して、大切な作物を害虫の被害から守りましょう。
コナガとは?
活動多発時期は、春から秋にかけてと幅広く、霜が降りる季節以外には、年間を通して注意をする必要があります。
コナガの天敵は、クモ類・ハサミムシ類・鳥類・寄生蜂などがあります。
・名前:コナガ(漢字では「小菜蛾」と書きます)
・学名:Plutella xylostella
・英名:Diamondback moth
・分類:チョウ目スガ科
・体長:10mm前後
・被害作物:主にアブラナ科作物
・生育サイクル、発生回数等:16日前後・年間10~12回
コナガの特徴
とくに、幼虫のころの見た目は、アオムシとよく似ていますが、コナガは10mm程度であり、触れるとぽろっと落ちてしまうところが、アオムシとは異なります。
コナガの卵の特徴としては、楕円形・小判形の形をしており、淡黄色、直径は0.4~0.5mm程度、単独~数個ほどの卵が生まれます。
コナガの幼虫の特徴としては、先端がとがりだし、色は淡黄色や緑色、老齢幼虫の場合の直径はおよそ10mm、動きのポイントは、触れると跳ねたり糸からぶら下がったり、後ずさりしたりします。
コナガの蛹(さなぎ)の特徴としては、よく見かける場所としては外葉や下葉の葉裏です。
目の粗い繭の形をしており、淡緑色~淡褐色をしています。
最後に、コナガの成虫の特徴としては、色は灰褐色へ。直径およそ10mmと幼虫時代から大差ありません。
羽を閉じると、淡黄色のひし形の模様が見えるところがポイントです。
コナガが発生しやすい環境とは?
発生条件:コナガは、アブラナ科の野菜を好む害虫です。
春と秋に発生することが多いですが、春と秋以外にアブラナ科の野菜を育てていると、季節を問わず発生します。
発生しやすい条件とは:北日本に在住の場合、蜘蛛や蜂といった益虫が少ない環境で栽培すると、発生しやすくなります。
また、益虫を殺してしまう薬剤を使用することも、コナガが発生しやすい条件となります。
コナガの具体的な被害とは?
若齢幼虫の場合、葉の中に潜り込み、葉の内側を食害します。
中齢幼虫になってくると、葉肉から出てきて、葉裏から葉の表皮を残すように食害していきます。
葉は食害されると、不規則に穴が空き、葉脈のみを残してすべてを食べつくされることもあります。
・被害作物:キャベツ・ハクサイ・ブロッコリー・ダイコン・カリフラワー・カブ・コマツナ・ナバナ等。
・主に葉に被害を受けるところが、特徴的です。
コナガの駆除・対策方法とは?
殺虫剤だけに限らず、防虫ネットや寒冷紗、コンパニオンプランツ、天敵を使った方法など、自分に合ったものを探してみましょう。
コナガの駆除・対策方法 薬剤
コナガは、薬剤耐性が強い害虫です。
同じ薬剤を長期間使用し続けることで、耐性がついてしまうこともあるため注意が必要です。
除虫菊を主成分としたパイベニカ乳剤、チョウ類専用の農薬などが効果的です。
コナガの幼虫は、発見しだい捕殺しましょう。
また、ミスト状の水を吹きかけることでも、効果が期待できます。
速効性・残効性に優れた殺虫剤
独自の作用性を有しているために、薬剤耐性が強いコナガにも高い効果を示します。
長期間残効が期待できる殺虫剤
光や温度に対して比較的安定しており、長期にわたって残効が期待できるでしょう。
コナガの駆除・対策方法 飛来防止ネット
細かな目合いと反射テープで害虫をシャットアウト!
国産オリジナルのシルバーマルチ
コナガの駆除・対策方法 コンパニオンプランツ
コンパニオンプランツとは、植物を組み合わせて植えて育てることによって効果を発揮する植物のことです。
コナガに効果的なコンパニオンプランツとしては、主に以下の三つが挙げられます。
1. キク科の野菜:コナガはキク科の野菜の香りが苦手です。大切な野菜の近くに一緒に植えて育てることによって、コナガの忌避に効果的です。キク科の野菜とは、レタスや春菊などがあります。
2. セリ科の野菜:コナガはセリ科の野菜の香りも苦手なようです。ニンジンやセロリ、パクチーなどを一緒に植えても同じような効果があるでしょう。
3. クローバー:クローバー自体は、コナガが直接的に苦手とする植物ではありません。しかし、コナガの天敵である益虫の蜘蛛やゴミムシなどの発生を見込むことができ、コナガを捕食してもらえる可能性が高くなります。
コナガの駆除・対策方法 天敵
ゴミムシは肉食性であり、コナガの幼虫を食べてくれます。ただし、少量の毒を持っているため、素手では触らないように気をつけましょう。
・寄生性天敵(蜂):メアカタマゴバチ(卵に寄生)・コナガサムライコマユバチ、コナガコマユバチ(幼虫に寄生)・セイヨウコナガチビアメバチ、ナガチビヒメバチ(蛹に寄生)
このように、コナガの天敵を殺すことなく味方につけることで、コナガの撃退を成功させましょう。
コナガの駆除・対策方法 散水
雨にあたったり、水たまりに落ちたりしてしまうだけで、死んでしまうことも。
手動のシャワーやスプリンクラーを設置するなどして散水することで、幼虫から防除することが可能となります。
ただし、コナガ駆除のために水を与えすぎて、本来の大切な作物が病気になることのないように注意を払いましょう。
コナガが発生しにくくなる?!対策や注意点とは?
これは、コナガのメスが持つフェロモンを利用して、オスを引き付けて掴まえる、というものです。
つまり、フェロモントラップで捕獲できるのはオスのみということになりますが、これで繁殖を防ぐことが可能となります。
・コナガを発生させないために、周辺の雑草を処理しましょう。
雑草を減らすことにより、コナガ以外の害虫の発生も抑えることができます。
雑草処理には時間と手間がかかりますが、綺麗に処理された畑の方が、作物も病気の被害に遭いにくいでしょう。
あまりにも広大な庭であるという場合には、除草剤を使用するのも、手ですよ。
・コナガ駆除の注意点として、薬剤を散布することによって、被害が増加することもあるということを覚えておく必要があります。
薬剤での被害としては、
1. 農薬の刺激でコナガ出生率が増加
2. その他の害虫が減り、逆にコナガが増加
3. 農薬の影響により、コナガの天敵も減少
などが、あります。
●コナガ予防と対策についてまとめると、以下のようになります。
・卵や幼虫は、見つけ次第すりつぶすか捕殺しましょう。
・防虫ネットやシルバーマルチによって、コナガの成虫の飛来を防止します。
・害虫のみに効果的な殺虫剤を使用することによって、益虫を極力殺さないようにしましょう。
・近くにクローバーやキク科の野菜、セリ科の野菜を育ててみましょう(コンパニオンプランツ)。
コナガから大切な作物を守るために
雨が降らない陽気な時期には、コナガの成長も活発に。
そんな時期には、アブラナ科の野菜をコナガから守らなければなりません。
大事に育てた作物を、食い荒らされないためにも、成虫になる前に捕殺したいですね。
日々の手入れのなかで、葉裏などをチェックする習慣をつけるといいでしょう。
ここまで、コナガの生態や成長過程、駆除や防除対策などをご紹介してきました。
コナガは、薬剤耐性が非常に強い害虫であるため、対策を取ることが難しいと言えますが、ご紹介した対策を試してみてくださいね。
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